「差別問題を描いた良作」グリーンブック パダワンさんの映画レビュー(感想・評価)
差別問題を描いた良作
ネットフリックスにて鑑賞
話題になり気になっていた作品
黒人に対して差別意識のあるイタリア系アメリカ人が黒人のピアニストの運転手兼ボディガードとして演奏ツアーに同行するというストーリー
まあ差別の強い南部を黒人で演奏ツアーするという事でそこらへんの差別を描くのだろうと思っていたが
スーツをきて白人の後部座席に座るドンシャーリーは黒人にも差別される
いわゆる黒人らしくないのだ
労働者でフライドチキンが好物でリトルリチャードが好きなのが黒人らしさなのだ
また同性愛者でもあり「男でもない自分は何者なのか」というシーンは考えさせられる
また主人公のトニーもイタリア系である事で差別を受ける
イタリア系だから黒人の運転手なんかしてるんだという事を言われて怒るシーンがありドンにお前も我慢しろと言われる
そうこの映画は単に黒人差別だけを描いてるわけではなく色々な差別を描いていてまた差別されている人が差別していたりする事を描いてる
それはとてもリアルだと思った。
また黒人の演奏を聴きにきたり屋敷に呼んだりしている人が差別したりしているのも複雑である
そう彼らは差別している意識もないのだ
法律で決まっているからしきたりだから区別しているという感覚なのである
それを撤廃する勇気を作るためにドンは演奏ツアーを敢行したのだ
すごい勇気だと思う
史実をベースにしている作品で実際は一年半近く行っていたみたいだ
映画よりすごい大変だったろうなと思う
映画を盛り上げるためだろが黒人嫌いの人が運転手するという設定はやはり少し無理があるように感じるし仲良くなるのも何か大きなきっかけあったかな?と思う
演奏シーンは素晴らしく音楽も良い
終盤の黒人のバーで演奏するシーンも楽しそうな雰囲気が伝わってきて良かった
またドン役の俳優演技が上手く表情に全て表現されていた。
トニー役の人がロードオブザ・リングの人とは信じ難い笑
またケンタッキーのシーンとか随所にクスッと笑えるシーンもある
よくある男2人の友情を描いたような作品だが差別問題を織り込みつつ説教臭くはなく楽しめるし最後は温かい気持ちになれる良作である