「監督の力量が冴える傑作」グリーンブック とまちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
監督の力量が冴える傑作
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脚本、映像、演技、申し分ない傑作。
黒人役の主役の方、笑顔が上手くできない人の演技が凄すぎた。たった一つのシーンで本当にこの方の辛く険しい人生を感じてしまった。
時折入るコメディ要素も、クドくなくて絶妙。例えばフライドチキンの骨は笑って車から投げ捨てるけど、コップは拾いに戻るシーン。映っていたのは車のタイヤだけでも、二人の会話が想像できて微笑ましかった。
他にも最後のシーン、豪華絢爛な美術品に囲まれた孤独な部屋と、貧乏だけど笑顔に溢れた部屋の対比も、まさに見事でした。
そして何より、初めは黒人が使ったコップを捨てるほど差別主義だった荒くれ者の主人公が、旅を通じて分かり合い、差別に憤りを感じる様になる心の変化を、分かりやすく、かつ、嘘くさくなくこの短時間で描ききったことに脱帽でした。
日本映画でもこのレベルが出来ることを期待する。
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