「普遍的というかありがちなプロットでも完成度の高さは賞賛されるべき」グリーンブック フラレオンさんの映画レビュー(感想・評価)
普遍的というかありがちなプロットでも完成度の高さは賞賛されるべき
差別が色濃く残る六十年代のアメリカで著名な黒人のピアニストがイタリア系アメリカ人の運転手と共に、更に差別が酷い南部にツアーの旅に出る物語。
ロードムービー・ふたりの男の友情物語・差別問題など取り上げられているプロットは普遍的でありつつ、散々取り上げられたものですが、心に暖かいものが残る秀作。
それは主演のふたりとその妻の3人の好演はもちろんのこと、手堅い演出や脚本によるものではないでしょうか。
ストーリー展開を思い返すと、ダメパターンを次々と回避していることがわかる。
例えば‥
・ふたりがけんかしても長びかない
・主人公が旅の途中で他の仕事に誘われても、運転手を続けることを早々に決意
・トリオの他のメンバーが裏切るなんてことはしない
・留守中に妻が浮気するなんてしない
・強盗に襲われてどっちかが死ぬとか重体なんてことは無い(この話のオチは秀逸)
数え上げたらキリがないが、これらの話しの1つ1つがすんなりと入ってくるからストレス無く感情移入できる。
簡単なようでみんなができない。だからこのような作品が賞賛を受けるのでは。
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