「クリスマスに観たかった」グリーンブック aMacleanさんの映画レビュー(感想・評価)
クリスマスに観たかった
こういうの、最高! 厳しい現実と、ほっこりした物語。クリスマスに観てたら、完全にやられていただろうけど、今は3月。アカデミー賞といえども、この辺の封切りの時差の影響は、いかんともしがたい。
人種差別については、ひたすら耐えるのだが、暗さはあまりない。マハーシャラ・アリ主演で、「ムーンライト」果てしのない暗さをイメージするかもしれないが、この作品は大丈夫。底抜けに明るいイタリア人、トニー・リップ(ヴィゴ・モーテンセン)のおかげで、重苦しさが霞んで来る。ちなみにモーテンセンは、「指輪物語」で、あのカッコいいアラゴルン役の方でした。イメージ全く違ったので、調べてびっくりでした。
切り口満載のこの映画、どこから語れば良いだろう。ロードムービーであり、人種差別を描いたものであり、友情を語ったものでもあり、家族を描いたものでもあり、果ては音楽の自由さについてコメントしたものでもある。これだけのネタを詰め込みながら、軽妙なコメディタッチに仕上げて、展開の慌ただしさや、話運びのダレなどもなく、一気に観れる。細かい伏線があちこちにに張られるが、これも笑いとともにスッキリ回収され、下手なミステリより面白い。映画としての面白さとともに、これだけ分断が深刻な世情になっている中、「多様性最高!」と笑顔になれるのだから、アカデミー作品賞は納得だ。
ブルーレイを買って、絶対クリスマスに再度観る。
コメントする