「最高のクリスマス映画」グリーンブック 歯さんの映画レビュー(感想・評価)
最高のクリスマス映画
今までの人種差別映画だと、黒人と白人の二項対立ものが多かったように思いますが、本作は違います!
黒人コミュニティーにとけ込めない高貴なDr.シャーリーと、白人でもイタリア系の移民で、貧しい暮らしをしているトニー。
肌の色で境遇をひとくくりして悲劇を代弁したお話ではなく、もっとミクロに、シャーリーとして、トニーとして、1962年アメリカの実情に直面していきます。
もちろん、当時の黒人の方の悲劇を伝える要素もありますが、シャーリーの悩みは他の黒人では感じ得ない、シャーリーだけのものです。肌の色などで、画一的に物事を判断するのではなく、もっと焦点を絞って、「ひとりひとりの人間のために何ができるか」という視点の大切さを本作品は教えてくれます。
なによりも社会的なテーマでありながら、きちんとエンタメしている作品です。「最強のふたり」に似ているといえば似ているのですが、笑えるところできちんと笑えて、泣けるところできちんと泣ける良い映画でした。
そもそも、アメリカで公開されたのは2018年11月21日、紛うことなき「クリスマス映画」ですし、多めにみるところは多めにみるのがストレスなく見れます。
それにしても、アメリカはこんなにも素晴らしい作品が「クリスマス映画」として見れるなんて、素敵な国ですね。
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