プロミス 氷上の女神たちのレビュー・感想・評価
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スポコンもの。だけじゃなく南北問題も絡めてきた。 後半まではスポコ...
スポコンもの。だけじゃなく南北問題も絡めてきた。
後半まではスポコン、チームメイトそれぞれ特徴的で面白い。だんだんと絆が…王道展開。
終盤に感動を持ってくるあたりもさすが。
気楽に楽しく見ることができます。
【”スポーツに国境なし!”実話ベースの0スタートの韓国初の女子アイスホッケーチームの奮闘を描くムネアツ映画。特に脱北者の姉と北に残された妹が選手同士で対峙後に確執を越えて和解するシーンは沁みます。】
■脱北者出身の元アイスホッケー選手・ジウォン(スエ)は、北朝鮮に残した妹リ・ジヘのことがずっと気になっていた。
そんななか、アジア冬季競技大会への出場を懸けて急遽、国家代表チームが結成されることになる。ジウォンはデウン監督(オ・ダルス)の誘いを受け、代表選手に復帰するが集められた選手はショートトラックの実力者だが問題を起こしたパク・チェギュン(オ・ヨンソ)ら、個性が豊か過ぎる女性達だった。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・ジウォンやパク・チェギュン始め、最初たった5人の選手のキャラが見事に立っている。
・特にジウォンやパク・チェギュンは、最初は激しく対立するが、アジア選手権を戦う中で、ドンドン結束をして生き、韓国チームの二枚看板になって行く過程は見ものである。高速ドリブル(っていうのかな?)からの息の合ったパス回しからのシュートシーンは興奮するなあ。
■だが、一番のムネアツシーンは北朝鮮戦である。試合最初の握手のシーンで北朝鮮の選手は脱北者ジウォンだけとは、誰も握手をしない。
その中には、彼女の妹リ・ジヘを預かっていたギョンスンもいるのである。
・激しい試合の中で、接触、乱闘プレーも出る中、ジウォンと彼女の妹リ・ジヘがパックを取ろうと争う中、ジウォンは彼女の妹リ・ジヘを護るように激しくコートの壁に叩きつけられる。
そんな時に手を差し伸べたのは、ギョンスンなのである。このシーンは沁みたなあ。
スポーツを同じフィールドでやっていれば、争いは起こるけれども、どこかで相手を尊重しているものなのだよなあ。
<そして、試合は引き分けに終わる。ジウォンが飛行機に乗ろうとすると、一人の女性が走って来て彼女に箱を渡すのである。その中に入っていたのは、ジウォンが妹リ・ジヘと生き別れのきっかけにもなった亡き母のアイスホッケーの靴であった。
ジウォンが妹リ・ジヘに会いに、北朝鮮チームが飛行機に乗り込むゲートに走って行く。そして、二人は背中合わせに久しぶりに姉と妹として話をして、手を握り合うのである。
今作は、実話ベースの0スタートの韓国初の女子アイスホッケーチームの奮闘を描くムネアツ映画なのである。>
スポーツコメディかと思いきや、涙涙
最年少選手役で、火の女神ジョンイのジョンの子役時代の俳優さん(チン・ジヒ)がでてます。
急に寄せ集めで女子アイスホッケーチームを作ることになり、メンバーは、元北朝鮮の選手、元ショートトラック選手、元フィギュア選手、ローラースケートが得意な事務員等等、人数もかつかつで小学生にも負けるポンコツチーム。メンバーも仲が悪くて喧嘩ばかり。
作った協会も目的が五輪誘致のためで、本気で強いチームなど作る気もなく、練習場もユニフォームもろくになくて選手は苦労する。
そして、青森でのアジア大会に出場することになって…。
後半、脱北者のイ・ジウォンがなぜ妹を北に置いてくることになったのかが明かされ、その妹が北朝鮮チームにいることが試合中に分かって…という辺りから、涙涙。
試合シーンは迫力があるし、ホッケーの詳しいルールを知らなくても十分楽しめます。
引き裂かれた姉妹愛
オーガズムからカタルシスへ
アジア冬季大会のために女子アイスホッケーチームが急遽作られることになり、元男子選手で怠惰な生活を送っていたカン・デウンが監督に抜擢される。脱北者で北朝鮮チームのエースだったイ・ジウォンを熱烈なラブコールで選手に引き入れるも、なかなかメンバーが集まらない。アジア大会では4ヵ国しか出場しないから1勝すればメダルが取れると安易な考えに惹かれた者もいたが・・・主な選手6人が集まった。
○イ・ジウォン・・・脱北者だが妹ジヘだけをやむを得ず故郷に残してきたことが気がかり。脱北者として見られることが嫌でフィンランドに移住する夢がある
○チェジョン・・・ショートトラック選手。人気選手を転倒させたことで国民的嫌われ者となってしまった。本人はホッケーへの派遣だと言ってる。
○キム・ガヨン・・・崖っぷちフィギュアスケート選手。結婚願望あり。
○コ・ヨンジャ・・・元フィールドホッケー選手の太ったおばさん。メダルが欲しい。
○シン・ソヒョン・・・インラインホッケー選手の中学生。最年少選手と呼ばれたい。天才的GKぶりを発揮する。
○チョ・ミラン・・・協会の事務員。ローラースケートが得意で、日当が貰えるという安易な理由で参加。コーヒー淹れるのが上手い。個人的には彼女が一番好き!
といったデタラメな寄せ集めチームだったが、最初は小学生チームにも負けるも、合宿を行い徐々に力をつけていき、YMCAの助力も得ることになった。そして世界大会の布石として青森で開催されるアジア大会に参加することになった。しかし、4ヵ国しか出場しないと思われていたのに北朝鮮チームも参加することになりメダルが遠のいてしまい・・・
前半は韓国映画らしいコミカルな演出で徐々によくあるスポ根ものへと進化する。そして急造チームの理由も冬季オリンピックの誘致するためだったと聞かされるも、もう選手たちの絆は壊されることはない。各選手が心を一つにする様子はバラバラながらも素晴らしい。ただ、他のスポーツ映画と異なるのは脱北者の主人公とその妹の絆だろう。ラストの試合は涙なしでは観られない。
尚、実際の青森大会の中国戦では30対1という屈辱的な得点差であったりする。成長したとは言え、そんなに僅差のゲームになるほど甘くないってことか。2018年に平昌冬季オリンピックが開催され、主催地の韓国チームはもちろん参加資格があったのだが、直前になって不参加の北朝鮮チームから派遣され南北合同チームとなったことは記憶に新しい。政治的合同チームではあったが、もしイ・ジウォンとリ・ジヘの姉妹の絆がそのきっかけを生んだのなら、その過程も映画になればいいのになぁ・・・まさしくカタルシス。
2022年2月4日からコロナ禍にもかかわらず北京冬季オリンピックが開催されますが、東京オリンピックは興味なかったものの、今回は見る気満々です!
スポ魂に分断をからめる
韓国映画に日本/日本人が出てくるばあい、かならず卑劣に描かれる。
この映画では、対日本戦で日本人選手がスティックで引っかけて韓国人選手を転ばす。会場はアウェーの青森。
解説者が大荒れ。ヤイ、ケセッキァ!
真っ赤になって怒る解説者を墨舌チョジヌンがやっていた。
中国でも韓国でも──日本人てのは卑怯な奴らなんだよと、描写するのが通例で、近年見たのでは軍艦島がえぐい。チャンイーモウの金陵十三釵はもっと扇情的で新浪微博で炎上騒ぎがあった。
スキー選手の活躍を描いた映画「国家代表」のアイスホッケー編という位置づけで「国家代表2」の原題がある。お笑い出身のキムスルギ、韓ドラヒロイン、オヨンソやパクソダムも出ている。パクソダムはしばしばキムゴウンや剛力彩芽と比較されるひとえだが、北朝鮮の選手役で、完全すっぴんだった。
ちなみに北朝鮮の描き方は一貫して迎合で、悪玉にも敵にもしない。こてこてな感動へもっていくが巧い映画だった。
映画がクオリティを備えているとき、国策描写が暴れずに収まることがある。軍艦島なんか滅茶苦茶だが、巧いので見る。見ると、影響を受ける。若ければ日本を憎み、卑下するんじゃなかろうか。自分の史観を顧みても、たいていメディアから受動している。
しかし、エンターテインメントたる映画を鵜呑みにするようでは人間おしまいだし、史観とは、月日や知識とともに変遷するものでもある。
ただ、雑ぱくな風説を形成するのに、巧い映画は凄まじく有効に立ち回る。
とりわけ、何も知らない世界、たとえばスポットライトを見れば、聖職者ってのは、信用ならない連中だと思うだろう。コンテイジョンを見れば、新型コロナもあんな感じで拡がる──と思うだろう。
その雑ぱくな印象が、けっこうわたしたちの考え方を形作ってしまう場合がある。映画に扇情描写が使われるのはその理由がある。
しかし、ほんとにそうだろうか。
もし、スポットライトの影響下にあるわたしが、現実世界で聖職者と相まみえるなら、むしろスポットライトを忘れ、ニュートラルであろうと努めるだろう。米映画とわたしの現実が、別物であることを知っているからだ。邪険にされたら町牧師もいい迷惑である。
コンテイジョンを見たら感染を免れる──わけもない。
扇情は人によっては意味がないし、わたしたちが各々、見知ったものの影響をダイレクトに態度化してしまうなら、社会はカオスである。
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