長いお別れのレビュー・感想・評価
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認知症のというより父娘の物語
認知症がメインテーマかなと思って観ましたが
発病した父と娘の日常を淡々と描く作品でした。
さすがの演技力で違和感なくみれましたが、、、
父と娘にしては歳が離れすぎではないかと思いました。
(最近は晩婚だからいいのかな)
前日に蒼井さんの結婚記者会見を見て幸せオーラを感じてしまったので、今回のキャラに違和感を感じました。
女優としてはこういうキャラでの出演が多いけれどお幸せそうで何よりです。おめでとうございます(^^)
話と演技・演出は最高だけどテレビ的
視点を変えれば幸せなのかも
例えば不慮の事故で家族を失ってしまった場合、その亡くなった本人には感謝の気持ちを伝えられないわけで、残されたもの達の喪失感やヤリ場のない憤りとか想像を絶するし、きっとどこでケジメを付けたらいいのか判らないと思う。
その点、認知症になるということは家族にとって介護の負担も大きいけど、楽しかった出来事を思い出したり、思い出の場所に出掛けたりと、ゆっくり死に近づいていく分だけ別れを共有できる。見方を変えれば幸せなのかもしれません。まぁこれを云えば野暮ですが、これは映画の中のお話し…とても仲のいい、お父さんは家族に好かれている幸せな家族だからです。実際にはこんなケースは稀でしょう!英語では認知症のことをLong good-byeとゆう言い方もするのですね。題名の長いお別れはここからきています。
リアルでは幸せ一杯な蒼井優さん、映画の中では人生が上手くいかない次女役で、ホントに演技がお上手で自然そのもの。お父さんの山崎務さんも心底心配になるくらいの怪演、お母さんの松原智恵子さんは時々ギャグなの?って思ってしまうところもあるけど、家族を想う優しさがにじみ出ていた。
ちょくちょく雑な部分も感じられたけど、孫の崇君が不登校で不良になりそうだったけど、ちゃんと戻ってきてくれて良かった。そして北海道から宅急便が届きハッピーエンド的な終わり方も良かったです。
家族を大切にしよう!と思わせてくれる映画です。
なんだかなぁ
認知症を患ってしまった父と家族の絆の話で、重くも軽くも描けるテーマだと思うが、やたら泣かそうとしている演出に興ざめしました。
皆さんが書いている様に蒼井優と山崎努の縁側でのやりとり、あれは、本当に自然で、自分のことも大変、家族のことも大変、厳格であったであろう校長先生までつとめた、今は認知症になってしまった父との心温まるシーン。詳しく書くとネタバレなんでさらっと。
何が言いたいか、良作になるテーマ、原作、役者陣がありながら、やたら音をインサートしてしまう、泣かせようとしてしまう、詳しくは書きませんが最期の孫のシーンの無駄な長さ。(あれいるかね?苦笑)沸騰するほど〜」の評価が演出に邪魔しちゃったのかなぁ、、あの作品は好きだったけどね。演出が違えばなぁ、、映画も野球やサッカーもだけど、役者が揃ってても監督次第でなあーという残念な気持ち。残念だ。
なにこに異常な高評価の嵐は?
名優そろい踏み
中野量太監督作品。しっかりと伏線が回収される実に良く出来た作品。特に3本の傘とメリーゴーランドのエピソードは良かった。これも、名優がそろったキャスト達の世界観があってこそ。必見の1本だと思いました。
大切な人は忘れない
70歳で認知症を発症した一家の主をめぐり、妻と二人の娘の長いお別れが始まる。
半年前は何ともなかったお父さん。
一度発症するとその進行は止まらない。
わずか数ヵ月で、今まで分かっていたことが分からなくなる。
親しい人は、その変化に戸惑い、受け入れることがなかなか難しい。
その中でも一番近くにいる妻が一番辛いはずなのに、それを表に出さず受け入れようとする愛情が素敵だ。
二人の娘も、夫や恋人との間で心揺れる。
この映画をパートナー同士の関係から眺めると、お互いを理解しようとする気持ちの大切さが染みてくる。
その気持ちがなければ、認知症でなくとも辛い状況にいくらでも陥る。
昨今の社会状況の背景に、この「お互いを理解しようとする気持ち」の希薄さがあるような気がする。
中野監督のインタビュー記事の中に、この映画の為に取材した医師の話として、「認知症は病気なんだから、自分の妻や子どものことを忘れてしまうのは当たり前である」が、「今、目の前にいる人が自分にとって大切な存在だということは忘れない」とあった。
主人公のお父さんは、長いお別れの中で、自分にとって大切な人である妻、娘、孫息子に、「お互いを理解しようとする気持ちの大切さ」を伝えて旅立ったように思うと、人が生きている意味というのは、単に生産性の有無や、物理的に役に立つ立たないではなく、もっと精神的なものではないかと気付かせてくれる、扱われたテーマとは裏腹に、希望を感じさせてくれる素敵な映画だった。
伏線をうまく回収
蒼井優の笑顔、それが希望
恐い映画だ。数年後また数年後と経過を告げられるたび、おののかされる。「時」がホラーの正体である。そうだ、この映画はホラー映画のテイストを備えている気がする。しかしホラーとは異質の恐さがある。なんだろう?そうだ、その恐ろしい「時」はスクリーンの内だけでなく外にも居るんだ。さらに気づいてしまったもっと恐ろしいことは、スクリーンの内の「時」は作りごとにすぎないけど、スクリーンの外の「時」はホンモノなんだ。こやつ「時」は、いま映画をみている私の家族を、そして私自身をも襲っているのである。じわじわと、確実に。
ドラマ性は薄くドキュメンタリーなタッチである。年月経て事態が好転するはずはなく、認知症以外のいろんなことも重くのしかかってきて、引き込まれるほどつらくなる。「長いお別れ」といえば詩的で優しい響きあるが、ありていにいえば「ゆっくりと進む人間の崩壊」である。
映画に娯楽性を求めるむきには合わないだろう。それを見越してか、私が最初に行こうと思ったシアターは小さなルームをあてがっていた。私がこの映画に惹きつけられた一番の理由は蒼井優。大きく見たい。だから近隣のなかで一番大きなスクリーンを選んだ。
これが正解だった。蒼井優の笑顔が、この映画では重要なのである。
家族の病、夫婦仲、子供の教育、仕事と夢。心を悩ませる多くのことが次々と起こる。と言っても、それは平凡で日常的なことだから、やるせないし気が滅入る。こんな状況での、なけなしの希望といえるものが蒼井優の笑顔なのである。
行き詰まった家族の救い、それは共に過ごすひとときを愛しむ笑顔だ。
家族間で嫌悪やいがみあいを持たない優良な家族だから、まだ救われた。もし半壊している家族だったら、どれほど悲惨な展開になるだろう。いや、町内そこらじゅうありそうで、なにをいまさらな気づきではあるけれど。
蒼井優から『東京家族』『東京物語』を連想もして小津的な映像余韻を所々で感じた。蒼井優とよい作品が互いを育てあってくれて嬉しい。
山崎努の演技に支えられた作品
痴呆症が進む男性と、その家族の数年間の交流を綴った作品だけに館内は私を含め中高年の方が目立った。
痴呆により奇行をする老人、それにアタフタとする家族の姿は客観的にはコミカルで微笑ましくも見えますが、自身の将来に置き換えれば笑って良いものか考えさせられてしまいました。
徐々に記憶を失っていく老人を演じる山崎努の無表情な演技は、本当にボケたのではないかと思える見事なものでした。台詞の少ない山崎の心情は、妻や娘役の語りかける言葉で表現される構成は上手いが、それらは彼女達の言葉であり、父親の本音は我々が想像するしかないのでしょう。唯一心を通わせたかに見える反抗期の孫との交流が、もう少しきちんと描かれればもっと良い作品となったのではないでしょうか?
中野監督が魅せる家族愛
蒼井優と繋がりたい・・・
認知症患者数は高齢者の7人に1人とまで推計され、軽度まで含めると今や400万人を超える方が患っている。介護する人、家族まで含めるとほとんど全ての人が関係してくる問題とも言えます。そんな時代、『ばあばは、だいじょうぶ』のような入門編に加え、今作では大きな決断をも要求されるテーマを扱っています。誤嚥性肺炎とかも参考になったし、人工呼吸器に加え胃ろうの問題もあればもっと良かった。
「家に帰る」という意味。「繋がりたい」という思い。メインテーマとは別に、家族がそれぞれ抱える問題をも描き、笑いもあり、泣き所もあり、そして汚物処理などの介護の現実もグサッと胸に突き刺さりました。さらに病院におけるインフォームドコンセントが必要な時代なため、延命治療も重要なテーマ。病院から呼び出されて、処置を施してもいいかを尋ねられる経験をしているだけに胸が締め付けられるほどだった。そこを笑い飛ばす演出にしたのは賛否両論だと思いますが・・・
また、完成度の高さを感じる伏線の回収。遊園地の幼い姉妹、クッキー、紅葉の栞、漢字マスター、挙手など、あぁ使ってるなぁと感心するばかり。ちなみにネットでエリザベスを検索したら“易利薩伯”と出てきました。襟なんとかって、ちょっと変です。笑っていいのかどうかわからなかったのが、「上を向いて歩こう」を歌った直後に網膜剥離の手術後にずっと下を向いて歩いていた松原智恵子でした。
次女の麻里を演じた蒼井優は最高!もう日アカ女優賞は決まったかもしれません。そして山崎努も助演男優賞決定です。残念なのは、演技は問題ないのですが、竹内結子パート。アメリカに住んでいるという設定自体が不要。予算的なものもあるかもしれませんが、アメリカらしさを感じられませんでした。最後に出てきた左ハンドルのプリウスが最もアメリカらしかったほど。
やっぱり蒼井優の存在は大きい。宿題やって50円もらったエピソードもいいし、男運、仕事運に恵まれないところも。「なかなか繋がれないね」・・・そんなことはない!俺が繋がってやる~と叫びたくなる縁側での会話。それでもね、家族の繋がりだけじゃなく、認知症患者に対しては近所の人や旧友など、周りの人の優しさも大切なんだよ。道彦くんも良かったけど、彼も忘れっぽいから・・・
泣いた、白けた、ほっこりした。
誰が一番好きかと聞かれたら、速攻回答、蒼井優。ホント、日本の女優さんで蒼井優が一番好き。何を見ても「この脚本、蒼井優であることを前提に、彼女のために書かれたんじゃないの?」と思わされるくらい、カメラの前で自然に話し振る舞う彼女は、すごいと思う。その対極が今回の共演者である竹内結子。何もかもが「ざーとらしい」。作り物感、ありありで、白ける事が多い。これ、あくまでも個人の感覚でしかありませんけど。蒼井優は10代の時から見てることになるけど、相変わらず可愛い。途中、変な映画が何本もあった気がするけど、今すごく良い。
縁側での山崎務と蒼井優のシーンが好き。これ芝居?演技?ホントの父娘のひと時にしか見えへんし泣かす。ここがピークだった。
介護の現実、女性が夢を叶える事の厳しさ、なんてのを上手く見せてはくれるけど。いや、そこは良いんだけれど。アメリカでのエピソード要るんか?つか、無理くりのグローバル化、英語化に、これまた速攻拒否反応。
学校もお家も研究所も日本建築じゃん。英語しゃべる役者さん、あかへんやん。Long Goodbyeと英語から攻める必然性、ないじゃん。ベタな東京物語にしなかった理由を、製作陣に聞いてみたいです。はっきり言うと、あれで感動半減、涙も乾くってもんで。
嫁不足の北海道。彼も未だ独身かなぁ。「そろそろ要る頃」。タイミング良いなぁ、って思いました。今、彼女に必要なのは君だから!
*家族が老いていくことの切なさといとおしさを描いた作品
現役時代は校長まで務めた知的な父親に少しずつ認知症の症状が現れる。その父親を世話する母と2人の娘たち。母、長女、次女が父との関わりの中でそれぞれが抱えている悩みや苦しみを織り交ぜながら、懐かしい思い出を辿り、そして気持ちを分かち合っていく。家族ならではの やるせなさ、温かさ、切なさをとても優しく描いた作品で、とても感動しました。
時折、クスッと笑える場面、静かに涙ぐむ場面、じーんと胸に迫る場面、、などなど細やかな描き方は中野量太監督の素晴らしさを感じます。
山崎務さんの言葉を必要としない表情だけの演技には圧巻です。松原智恵子さん扮する 品の良さの中にどこかズレたようなほわんとした母親が可愛らしく健気でした。夫をひたすら支え、尽くすという昭和の時代の典型例な理想の夫婦像が表現されていましたが、そのつながりに夫婦を超えた人と人との愛を感じました。
長女の息子(孫)との非言語の関わりにインターネットがそのつなぎ役をしているという今の時代らしい背景もうまく表現されていました。素晴らしかったです…!
前作より
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