「認知症の家族が受け入れるひとつの幸せ、ユーモアと涙を誘う暖かい作品」長いお別れ たいよーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
認知症の家族が受け入れるひとつの幸せ、ユーモアと涙を誘う暖かい作品
正直、泣きっぱなしになるかと思っていたのだが、ちゃんと笑わせてもらった。認知症を患った父とその家族を描く、優しくて暖かい物語。
認知症という、現代では切っても切り離せないテーマで、認知症の父の7年間の"長いお別れ"を描く。父は記憶を無くしていくのに、どこか家族を明るく、いい方向に連れて行ってくれるような暖かみがする。中でも、メリーゴーランドのシーンはずるい。若かりし頃の記憶だけが残る父の求めていたものが分かったとき、ウルウルと涙腺を刺激してくる。また、『上を向いて歩こう』も作品のエッセンスとして涙を誘う。また、主演が「誰って決まっているわけではない」のがいい。ギューッと誰かをしたくなるような暖かさがユーモアのひとさじとして効いている。
何やかんや『浅田家!』も『湯を沸かすほどの熱い愛』も観れていない。中野量太監督の得意とする、人間関係を上手く描きながら感動の大団円を導くスタイル。また時間があれば、他の作品も観てみたい。
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