「長いお別れの始まりが来る前に」長いお別れ セロファンさんの映画レビュー(感想・評価)
長いお別れの始まりが来る前に
観て良かったです。観る前は、重そう・悲しそうというイメージがありましたが、そんな事は無かったです。愛情に溢れていて、親や家族や自分自身の生き方が愛おしく思えるような映画でした。
私の親も今は元気ですが、昔と比べるとやはり年をとったなぁと感じる事もあります。仕事の事や自分自身の将来の事とか考え出せば不安は尽きませんが、その上親までどうにかなってしまったら、、、と思うと気が重くなるばかりです。
この映画に出てくる二人の娘もやはりそうです。長女は夫や年頃の息子との関係に不安を抱えつつも、慣れない海外暮らしでどこに気持ちをぶつけたらよいのかわからない状態。次女はカフェをやりたいという夢はあるけど現実は厳しく、恋人にも裏切られ放心状態。そんな中、父の認知症は少しずつ、そして確実に進んでいきます。
頼もしかった父がどんどん遠くなっていく。そばで献身的に支える母も体調を崩す。この先どうしたらよいのか。施設へ入れた方がいいのか。自分達はどこまで父母を助けられるか。色々な不安が伝わってきます。
でも、この映画が素敵だと思ったのは、そんな娘二人が認知症の父と接する事によって、昔の思い出がよみがえり、父の愛や家族の絆を再認識できた所です。人生上手くいかない事ばかりで疲れ切っていた心が温かくほぐれていく様子に惹き込まれました。
現実の介護では愛情とか思い出とか言う余裕は無いと思います。でも、将来自分が実際に介護をする立場になった時、この映画を観ていたのと観ていないのとでは、気持ちの土台となる部分が違うだろうなと感じました。現実の介護はこの映画みたいに美しいものではなく、汚いもの・臭いものを見たり触れたりするだけではなく、お金や時間の問題、家族同士の対立等、生半可なものではないと思います。でも自分の心の底にある愛情を感じる事ができれば何とか乗り越えられるのではないかとも思えてきます。
今までの自分を振り返ってみると、父母に対し、雑に接したり、生活面で甘えたりしてしまっていました。親の将来のいつかを心配するよりも先に、まず自分自身が精神的に自立し、長いお別れの始まりが来る前に、少しでも多くの感謝を伝えられたらと思いました。
しろくろパンダさん
mari mariパパさん
実体験を交えた貴重なコメントありがとうございます。
私も今のうちに、出来る事から考えていきたいと思いました。
セロファンさん
共感&コメントありがとうございます。私の場合、父の認知症が少し始まったかな?くらいで色々な準備をしました。残念ながら割とすぐ他界したので実際は体験しておりませんが考えさせられますね。
セロファンさん名前を間違えてしまってごめんなさいね。
私も親には感謝を伝えることが出来なかったけど。いま思うと親の話を聞いてあげるのも感謝の様に思います。
はじめまして。
共感ありがとうございます。
普段。親に甘えて生きている。いつまでも生きていると思っているから。
でも。いつかは…。始まりがあれば終わりがある。
セロハンさんのレビューにも書いてある通りで自分でちゃんと自覚しているので大丈夫。
その時がきたら改めて考えて人の助けを借りることもできるから。