ゴッズ・オウン・カントリーのレビュー・感想・評価
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最後まで観たら・・・。
退廃的な感じを描くのは良いけど「ちょいこれ汚すぎる」って場面も・・・。
まあ全体的にはゲイモノで良く出来ている。
どうやってお互いがゲイと気づくのか?が疑問?
日本版のボカシは不自然、ちょい最後はセンチメンタル過ぎたかな?
観た後、人に感想を聞いて「よかったね」と言いたくなる映画
地元の田舎で仕方なく生きているような覇気のない主人公ジョニーがルーマニアの移民労働者ゲオルゲに出会い、彼の魅力にとりつかれ、孤独なジョニーが少しずつ心を開いていく話。
動画サイトのレンタルで見たのですが、サムネイル(ジャケット)を見て、男性同士の恋愛なんだろうなあということは、うすうす気付いていました。ストーリーは思ったよりも地味で繊細。人が人に惹かれていく姿が細かく描かれていて、いい映画だなと思いました。男性同士の恋愛だし、野性的なセックスシーンもあるので、見る人を選ぶ映画かもしれませんが、ジョニーが一皮むけて成長していく姿やゲルゲオの優しさに心が揺さぶられます。
台詞がとても少ない映画で、映像でどんどん見せていくところが印象的でした。イングランド、ヨークシャー地方の曇天模様の大自然が余すところ無く映し出され、野草や土のにおいが伝わってきそうでした。しかし、ゲルゲオの台詞にもありましたが、美しいけど、どこか寂しい風景です。
自然あふれる地で泥だらけになって牛やら羊の世話をする男性2人だけの世界……、シチュエーションが『ブロークーバック・マウンテン』によく似ていてびっくりしました。一人の未熟な青年が出逢いの中で成長していくということに着目すれば、『君の名前で僕を呼んで』を彷彿させるものがありました。
ただ、ブロークーバック・マウンテンのように、同性愛者であることが世間にばれるのをひどく怖れて、関係を隠したりすることもなく、家族の者にもあえて秘密にしてないようでもあり、わりと開放的でした。
羊の出産など、生々しくて見るのが辛い箇所もあったのですが、ゲルゲオが今にも死にそうな仔羊の赤ちゃんを生き返らせるシーンが感動的でした。(ひょっとしたら、生き返った仔羊はジョニーのことだったのかな??) 料理したパスタを食卓に並べ、ジョニーの皿に盛ったパスタを味見して、いい塩梅に味を加減したりして、甲斐甲斐しく世話するところなんか、女性からみても、ゲルゲオって本当に優しくて魅力的です。母性の域に達しています。
ヘンタイ
ホモ野郎
うるせえ
ホモ野郎
最後もこの言葉で確認し合って微笑むところがよかったです!
愛と希望のカントリー
当初はノーマークどころか存在も知らなかった小品。
しかし最近になって、単館系で絶賛&評判になったのを知り、気になり始めた。
タイミング良くレンタル開始。
見てみたら、評判違わぬヒューマン・ドラマにして同性愛ラブストーリーであった。
開幕早々嘔吐し、精気と覇気無く、虚ろな表情。
主人公ジョニーの境遇も分からんではない。
イギリス・ヨークシャーの雄大な土地に暮らす…とは聞こえはいいが、実際は何処か物寂しく、家業である牧場は寂れている。ジョニー曰く、“クソ溜め”。
祖母と病気の父に代わり、一人で牧場を切り盛り。父は厳しく、細かく、口を出す。
募るは、孤独と空虚とつまらなさと不満。
その鬱憤を酒と、酒場で知り合った同性とのセックスで晴らすが、身も心も生活も荒んだ日々…。
そんな時出会ったのが、
羊の出産シーズンにやって来た、ルーマニアからの雇われ季節労働者、ゲオルゲ。
初対面時はソリが合わず、反発し合ってばかり。
が、羊の扱いに優しく、無口だが頼れるゲオルゲに、ジョニーは今まで感じた事の無い“特別な感情”を抱き始める。
そして二人は、結ばれる…。
片やいい年した青年なのに、全うな生き方が出来ない。
片や包容力があり、実年齢以上の落ち着きがある。
長所も短所も含め、お互い無い魅力に惹かれたのか。
二人が惹かれ合うきっかけは明確には描かれない。
ジョニーは序盤で同性愛描写はあるものの、ゲオルゲは唐突でもある。
しかし、説明や設定描写はほぼ省かれながらも、少ない台詞や表情/感情、さらには舞台の風景やムードまでもそれらを物語り、ドラマチックでもある。
本作は、“感じる”作品だ。
監督フランシス・リーのきめ細やかな演出、ジョシュ・オコナーとアレック・セカレアヌの主演二人の繊細な名演は称賛もの。もっと映画賞で注目を浴びても良かったと思う。
実を言うと、最初はなかなか入り込めなかった。
嘔吐、性交、羊の出産など、思ってる以上に描写が生々しい。
また、題材が題材なだけに、好き嫌いや敬遠もされるだろう。
が、淡々と静かながらも話が進むにつれ、スッと引き込まれていった。
二人の青年の愛の物語だけではなく、主人公と家族、主人公の成長もコンパクトに纏められている。
父が遂に倒れた。ジョニーはゲオルゲに「残ってくれ」と申し出る。それは一緒に牧場の仕事を続けてくれでもあるが、自分とゲオルゲの二人の事の意味合いが強い。ゲオルゲは牧場経営の事も考えるよう諭すが…、二人の気持ちがすれ違う。そしてジョニーのある行動が二人の別れを招く…。
退院はしたものの身体が麻痺し、もう牧場の仕事復帰は出来ない父。ジョニーは本格的に家業を継ぐ決心をする。これまでの父の古いやり方ではなく、新しいやり方で。ジョニーが自立し、成長した瞬間。変わらず辛辣ながらも、息子を認める父。
祖母も好助演。ある時、ジョニーとゲオルゲの関係を知ってしまう。さすがに動揺するが、咎めたりせず、自分の胸に留める。優しくもあり、牧場の経営を一人で背負うとする孫に「あんたの父さんみたいになるよ!」と強い口調で気遣う。
ラストは、去ったゲオルゲをジョニーが連れ戻しに行く。牧場の経営は一人では無理で、ゲオルゲが必要。自分にとっても、欠けがえのない大切な人…。
このラストの旅立ちは、ジョニーの成長をよく表していると感じた。
再会した二人。
「ヘンタイ」「ホモ野郎」…二人の合言葉ならぬ“愛言葉”に、心満たされる。
監督も無名でキャストも知名度低く、本当に地味な小品。
少なからず映画祭や映画賞で注目浴びなかったら、埋もれてしまっただろう。
日本では配給会社が見つからず個人が買い取り、評判から拡大公開になったという。
ちゃんとこういう作品に陽の目が当たるのは嬉しい。
観客も良質作品に惹かれ、発掘された良質作品は決して埋もれる事は無い…そう信じさせてくれる。
ラストシーンは、帰ってきた我が地へ。
序盤、物悲しく寂しく感じたこのカントリーに、ささやかな幸せと希望を見出だせた。
胸に染み入り、見て良かった。
良かった。
イングランド、ヨークシャーの片田舎で、祖母と病の後遺症で体がうまく動かない父親と暮らす主人公ジョニーが、家業の牧場で家畜の出産期をやり過ごすために雇われたゲオルゲと出会うお話。
ジョニーは、高校卒業後、大学に進学することもなく、地元に残り家業を継いだ。だから、外へ出て行った人たちやこの場所に縛られて暮らしていかなくてはいけない自分に屈折した思いを抱えている。
物語は全体的に暗く、寒々しい空気が漂っている。
自然こそ雄大で美しいが、牧場にあるのはその自然のみで、そこに吹きすさぶ空気は冷たく、厳しい自然の一面を見せる。
そんななか、ともに山小屋に籠るゲオルゲに当たり、ぶつかり、セックスをしてジョニーが少しずつ解きほぐされていく。
最初はかなり感じ悪いジョニーですが、ちょっとずつ仮面が取れ、可愛い顔をのぞかせるようになります。
ゲオルゲもジョニーも雄弁ではありません。軟派なことは一切言わない。
でも二人の間に確実な何かがあるのはお互いに感じている、言わないけどね。
印象に残ったのは、口下手で正直でなくて臆病なジョニーに、ふたりの関係のこと、ジョニーがなぜゲオルゲを追いかけてきたのかを言わせようとするシーンがあります。
家庭環境のせいでひとり、牧場に閉じ込められて、父親は病により介助無しでは食事もとれない、というちょっと同情しそうな境遇ではありますが、それでもゲオルゲは流されない。
ジョニーが自分の言葉で、一歩を踏み出す瞬間を待ってあげるけど、手を差し伸べるわけではない、そんなシーンに見えました。
変わりたい、いままでとは違う自分になりたい、そう思った青年がその一歩を踏み出す瞬間はグッときました。
良かった。
王道ラブロマンス
私的にはまぎれもないラブロマンスだった。しかも王道。
もはや男性同士というところは一要素でしかない。
しかしジョニー、仕方ないやつすぎる…!
(目をそらしたいことがあれば酒に逃げるし、酔ったら判断力なくなるし、謝れないし基本は仕方のないやつ。ゲオルゲを迎えに行ったとこでは、「ジョン、ちゃんと謝って戻ってほしいと言うのよ!意地っ張りはやめなさい!頑張れ!」と脳内応援上映状態だった。)
そしてゲオルゲ、スパダリすぎる…!
ジョニーを気づかい、ごはんを作り(ジョニーが味付けに不満そうならパスタに塩振って混ぜ混ぜしてあげる)、終止仕方ないジョニーへの包容力がすさまじい。イケメンがすぎる。こんなイケメン、少女マンガかBLマンガでしか見たことないぞ。
そんなラブロマンスなんだけど、ジョニーの成長と救済の物語にもなっているのが良い。
映画冒頭のジョニーはかなり感じも悪いのだけど、何より追いつめられて虚ろな目をしているのが痛々しい。
まだ若く内面も幼いのに、半身不随の父と老齢の祖母と家業の牧場を背負って、一家の大黒柱として働くことを余儀なくされている。
彼には頼れる人も、日々の楽しみもなく行きずりのセックスと酒に溺れて顔色も悪い。そんなジョニーだから彼なりに頑張っているのに、家族は彼を肯定する言葉もかけてくれない。
そこに現れるのがゲオルゲだ。
彼はジョニーを案じていつしか慈しみ愛してくれるようになる。
ジョニーは顔色も良くなり、笑顔も見せるようになり生の喜びとエネルギーを取り戻していく。
たぶん男性だって時には頼れる背中が欲しくなるときがある(私は女だから想像だけど)。
ジョニーがゲイなのもあるけど、たぶん彼は無意識に頼れる背中を求めていて、だからこそジョニーはゲオルゲに惹かれたのだと思う。
そういう意味でこの作品においてはやはりジョニーの相手は男性である必要があったのだ、と思う。
恋って、「あの人の姿が見れて嬉しい」とか「(意中のあの人は)私のことをどう思ってくれてるのかしら」みたいなドキドキも醍醐味だけど、「自分を認めて慈しんだり求めてくれてる人間がいる」という安心感も重要で、ジョニーはゲオルゲに愛されることで、家族にはもらえていなった肯定感を得たんだろうし、それが彼に生きるエネルギーを取り戻させたんだと思う。
そういう意味でも恋っていいよなあ、としみじみ思って観ていた。
あと個人的にグッときたのは、ジョニーのおばあさんが彼がゲイであると気づいてアイロンがけしながら一人で涙するとこ(ジョニー本人には何も言わない)。切ないシーンで泣きそうになった。
あとジョニーとお父さんが自然の中で今後について話し合うとこ。お父さんもジョニーの幸せを願ってゲオルゲとの関係を許した。サラッとしてたけど、感動のシーンだ。
あと「ブロークバック・マウンテン」でも取り入れられてたけど、男性同士のセックスを描く舞台には雄大な自然の中がいいのかもなあと。
街中だと彼らのエネルギーを内包しきれない気がするものね。
本作も割とガッツリセックスシーンがあったけど、スポーツを観るような感覚で、「お、始まったぞ」と観ている自分がいたww ちょっとセックスシーン長すぎだったかな…。
ママ〜〜ッッ!!!!
ゲオルゲの母性がとにかくすごい。
特に子羊抱いてるとこ聖母力53万。
わたしもゲオルゲに抱きしめて欲しいしパスタの塩加減見て欲しいし肩に寄っかかって眠りたい。
どうしようもないジョニーに愛情表現はこうだよ、こうするんだよ、みたいな感じでジョニーの頬を指の腹で優しく撫でるとことか愛しかない。すげぇ。
とにかく目が優しい。父親が倒れたジョニーを気遣う時とかお風呂の時とか慈愛に満ちた眼差しとはこういうのを言うんだなぁ…愛だなぁ…
あと甘いだけじゃなく移民を侮辱したり浮気したら容赦なく教育してくれるところもいいね!
年上(たぶん)奥さんによるダメ男の成長日記だった。
いや最期の父親とのシーンめちゃくちゃ胸に来たけど。
お前は幸せになれるのか?って台詞が泣かせにきててやばかった。
最期らへんのイチャイチャが多幸感しかなくてお前ら幸せになれよ!!って心の中でライスシャワー投げたわ。
内容はベタだけどセリフが少なくて俳優さんの演技に集中できてよかった。
いきなりセックス始めた時はちょっとおもろかった。
まだ愛を知らないジョニーだからあんなに性急で乱暴だったのかな。
ドラゴンタトゥーもだけど何かモザイクが笑っちゃうよね。大人しか見ないのにね。
死んだ子羊の毛皮を剥いで別の子羊に着せたのは母親を騙すためなのかな〜
生々しい描写の王道ストーリー
閉塞的な舞台で繰り広げられる若者の恋愛と成長を描いた作品としてかなり王道。
ブルーグレーのトーンと淡々とした空気がわざとらしく感じるくらい。
即物的な行為の始まりと、普通に暴言な掛け合いの言葉以外は二人の性別を特別視しない姿勢が良かった。
主人公ジョニーはだいぶ不器用で性格も良くない。とにかく素直じゃない。
大事な現実から目を背けて目先の欲望にありつく姿はかなりだらしなく見えるけど、身に覚えもある気はする。
酒場のシーンは本当に最低。
正直、私が男性の欲望についてあまり深く理解していないからか結構腹立たしく思った。
そんな彼がゲオルゲと出会ったことで人間的に成長して、変わろうと努力し始めるのがいじらしい。
ルーマニアの農園にて、間際で引き返すことができてよかった。ちゃんと謝りなね。
ゲオルゲの全て包み込むような優しさに惚れ惚れ。
外見からしてセクシー。
仕事も料理も人の扱いも上手くて、こんな人と過ごしたらそりゃもう離れられないじゃない。
パスタの味調整までやってくれるって…甘やかされたい。
最初は終始しかめっ面をしていた二人がどんどん表情が柔らかくなり、ニヤッと笑い合う仕草にキュンキュンしてしまう。
性描写、酪農描写共に生々しく肉感に溢れているのが好き。
変に美化されるよりもリアルな方が良い。ビジュアルの力が強いので映画のアクセントにもなる。
羊の出産シーンは本当に凄い。
あんなの素手でやって大丈夫なのか。
父からの言葉と祖母の渡したメモ、直接的な言葉はなくとも暖かく受け入れてくれる家族。
身体は不自由でも親としての威厳を保ちたい父の、発作に倒れた後も眼光だけは鋭くするように頑張るのが痛々しい。
風呂のシーンで「すまないね」と言った時に彼の中で何か一つ越えたというか、息子の世話になる覚悟ができてポンとチカラが抜けたように見えて安心した。
「よく頑張ったな」の言葉が嬉しい。
ゲオルゲがあまりにも出来るヤツなスーパーダーリンで、流石になんだか都合の良い存在になっている気もしてくる。
少女漫画系BLのようなストーリーは良かったけれど、ジョニーの身勝手感が目立ってしまいのめり込めなかったのは残念。
全体的に好きな要素は多く、ドキッとするシーンは楽しめた。
ヨークシャーの光景と薄曇りの空がとても綺麗。
髭をたずねて三千里
青二才から男へと成長する過程を丹念に描く。
尖ったカッペの劇的な変化と揺るがない本物の漢。
緩やかに流れる農村の時間。
エンディングテーマの優しい旋律。
美しい一遍です。
ごく普通の恋愛。それが同性だと言うだけで、可笑しいと言う人がいる。...
ごく普通の恋愛。それが同性だと言うだけで、可笑しいと言う人がいる。
異性との恋愛も同性との恋愛も変わりなく、普通だと言える時が来ればいいと思う。
お婆さんが密かに泣くシーン、お父さんの幸せか?と問うシーン…静かに勘付いて静かに受け入れるシーンがとてもよかった
良いじゃない
さらっとしたあらすじを読んでしまって、ん?もうブロークバックマウンテンのリメイク?と思いつつ映画館に行き、あれれ?ホントにリメイクだ、まあ名作だしねーなんて思いながら見てたら、違ったね。ブロークバックも超傑作だったけど、こっちは主人公がクソガキから成長するのも見れたりして、全然違って結果良いのね。あと最後が完全にハッピーエンドね。映画にハッピーエンドは求めないけどこれは良かったー。見てて幸せになる映画でした。
パーフェクトな関係性
死んだ子羊の皮を剥いで産まれて間もない子羊に着せるエコ?と可愛らしさ。
"ヘンタイ、ホモ野郎"って無邪気な掛け合い。
"ゲイ"を切り離しても男同士の友情物語として成立している。
押し付けられている?逃れられない現状があるようで牧場の仕事に不自由な体の父親と閉塞感がジワジワ。
お婆ちゃんの孫に対する接し方が息子とは違い少しだけ距離がある雰囲気もリアルで演出に演技も含めて巧いと思わせるしそれぞれに深い闇も。
ハッピーエンド?な本作と比較して「ブロークバック・マウンテン」をどうしたってH・レジャーとJ・ギレンホールを思い出してしまうのは致し方ない。
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