ゴッズ・オウン・カントリーのレビュー・感想・評価
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社会情勢と個人の夢
今の英の姿(の一部)や社会情勢が絡んだ本作は、私にとってはラブストーリーというより人間ドラマ。
移民ゲオルゲさんの知識や虐げられた移民の立場、大きなセクシーな体や眼差し…人気があるというのが分かります。もう一人の主役は未熟で閉塞感に殺されそうになっていて見ているのが辛い人物。そんな主人公の成長のドラマでもありました。
物語の決着の付け方がすごく好きです。私たちが生きる世界だからね。
運命の人
「運命の人」という奴だなあと。
閉塞的な村、牧場の重労働、心を許せる友人もなく孤独な主人公は最初全くいいところなく登場し、暗い目を彷徨わせる。
そこに運命の人登場である。仕事ができ、頼れる感覚、それ以上に視線のやり取りだけで何か運命めいたものを感じさせる。
主人公は嫌な奴というかとにかく荒んでいるが、その背景をあからさまにではなく描こうとしている。保守的で差別的な酒場。都会に行った友人。刹那的で暴力的な関係。それはこの生活が身につけさせたものだと分かるのは、彼が「恋」をして変わっていくからだ。
終盤、父親との対話で彼が本当は自身を変えたがっていることが強くわかる。そして行動を起こし、自ら運命の人を掴みにいくのだ。
そういう意味ではこれは恋物語でもあり、若者の成長物語とも言える。恋をすると人は成長するのだ。
牧場のシーンは極めてリアルであり、人間の感覚もリアルに伝わってきて、台詞が少ない分訴えかけるものがあった。
ストーリーは青春もの
そして感動は、深く観る者の心を揺さぶる。
人を愛すること、それを身をもって体験し成長するJohn。
青春の残酷さが、容赦なく差別をクチに出す。
やがてそこに愛を見つけてしまう。
大人の青春もの!
その続きをいつの日か見せて欲しい
パーフェクトな関係性
死んだ子羊の皮を剥いで産まれて間もない子羊に着せるエコ?と可愛らしさ。
"ヘンタイ、ホモ野郎"って無邪気な掛け合い。
"ゲイ"を切り離しても男同士の友情物語として成立している。
押し付けられている?逃れられない現状があるようで牧場の仕事に不自由な体の父親と閉塞感がジワジワ。
お婆ちゃんの孫に対する接し方が息子とは違い少しだけ距離がある雰囲気もリアルで演出に演技も含めて巧いと思わせるしそれぞれに深い闇も。
ハッピーエンド?な本作と比較して「ブロークバック・マウンテン」をどうしたってH・レジャーとJ・ギレンホールを思い出してしまうのは致し方ない。
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