「運命の人」ゴッズ・オウン・カントリー andhyphenさんの映画レビュー(感想・評価)
運命の人
「運命の人」という奴だなあと。
閉塞的な村、牧場の重労働、心を許せる友人もなく孤独な主人公は最初全くいいところなく登場し、暗い目を彷徨わせる。
そこに運命の人登場である。仕事ができ、頼れる感覚、それ以上に視線のやり取りだけで何か運命めいたものを感じさせる。
主人公は嫌な奴というかとにかく荒んでいるが、その背景をあからさまにではなく描こうとしている。保守的で差別的な酒場。都会に行った友人。刹那的で暴力的な関係。それはこの生活が身につけさせたものだと分かるのは、彼が「恋」をして変わっていくからだ。
終盤、父親との対話で彼が本当は自身を変えたがっていることが強くわかる。そして行動を起こし、自ら運命の人を掴みにいくのだ。
そういう意味ではこれは恋物語でもあり、若者の成長物語とも言える。恋をすると人は成長するのだ。
牧場のシーンは極めてリアルであり、人間の感覚もリアルに伝わってきて、台詞が少ない分訴えかけるものがあった。
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