劇場公開日 2019年12月27日

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「寅さんの名シーンが泣けたし、いろいろ今後の展開に夢が広がる映画だった。」男はつらいよ お帰り 寅さん Push6700さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0寅さんの名シーンが泣けたし、いろいろ今後の展開に夢が広がる映画だった。

2021年1月2日
PCから投稿

寅さんいないのにどういうふうにやるのかと思っていたら、寅さんシリーズで後半はほぼ主役だった満男が、初恋の人、後藤久美子さん演じる泉ちゃんと再会するストーリーだった。

これに、今までの寅さん映画の名シーンを挟んでいく構成になっていた。

寅さんは生きているのかどうか映画では明らかにならなかったけど、おいちゃんもおばちゃんもタコ社長も御前様もいなくなって、博とさくらは老年に達して、くるまやに住んでいる。

満男はさえないおっさんになってしまっていて、その状況からの寅さん回想シーンは泣けた。

中でも満男が変わり過ぎていて、今まで何があったのかを知りたくてしょうがなかった。

満男が誰かしらと結婚していて、6年前に何かしらの理由でその人は亡くなっていて、現在独身だけれど高校生の娘がいる。

どこかしらの会社に就職したらしいんだけど、なぜか作家を目指して脱サラ、現在新人作家として頑張っている途中らしい。

しょうがないとは思うけど、最初はその辺のところが気になってしょうがなかった。

それに後藤久美子さんの泉ちゃんもすごく変わった。

役の経歴的には別に気にならなっかたし、年取っておばさんになったのも別に気にならなかったけれど、喋る言葉の感じがすごく気になった。

劇中でもそういうキャラだし、リアルといえばリアルで、演技もうまいんだけど、言葉に魂がこもってないというか、外人がすごくうまい日本語喋っているような感じになっていた。

昔の国民的美少女が本当に外人(顔も日本人には見えない)になってしまっていた。

いろいろ変わったし、このシリーズはもう寅さんは出せないからもう完全に満男が主役でやってほしいと思った。

そのための伏線なのかもしれないけど、今の満男は独身だし自由業の作家という設定。

恋愛しやすいような職業だし、担当編集の池脇さんもいい感じ。

新しいマドンナをどんどん作りながら寅さんの思い出シーンをどんどん入れたり、寅さんシリーズに出ていた人をどんどん出演させ、寅さん映画のその後をやっていけば面白いと思った。

間がすごく飛んでいるので、満男の過去の出来事をやってもらってもいいかもしれない。

満男は吉岡秀隆さんで、作家だからちょっと現代版『三丁目の夕日』みたいな雰囲気もある。

その辺もパロディー的に絡ませていくのも面白いし、今回小林稔侍さんや橋爪功さんも出てきたので、『家族はつらいよ』とリンクしていくのも面白い。

でも一番やってほしいのはNHKドラマでやっていた『少年寅次郎』。

もう映画ではできそうもないので、作家の満男が寅さんの過去を調べていくみたいな設定でやってほしいと思った。

いろいろ今後の展開に夢が広がる映画だった。

Push6700