「寅さん一枚」男はつらいよ お帰り 寅さん dskさんの映画レビュー(感想・評価)
寅さん一枚
寅さんへの愛に満ちた映画でした。寅さんを愛するスタッフと役者さんたちが、寅さんを愛する我々に向けて作った、寅さんのことを振り返って懐かしむための映画ですね。
タイトルは『男はつらいよ』ですが、チケットを購入するとき、「寅さん一枚」と言ってしまいました。戦前生まれの両親が、過去のシリーズを『男はつらいよ』とは呼ばず、「寅さんの映画」と呼んでいた影響です。
予想していたことですが、館内の平均年齢が高めでした。普段、自分より若い人たちに囲まれて映画鑑賞することが多いので、新鮮でした。杖をついた観客が何人もいる上映なんて初めてです。
そんな人生の先輩たちといっしょに、同じ場面でクスクス笑い、同じ場面ですすり泣きました。終幕後、人々が涙でまつ毛を濡らしつつも笑顔で席を立つ様子を眺めながら、「見ず知らずの人たちと情動を共有できるこの空間は、寅さんの世界の温かさに通じるものがあるのではないか」などと思ったりしました。
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