「否応にも感じさせる主役不在の寂しさ」男はつらいよ お帰り 寅さん regencyさんの映画レビュー(感想・評価)
否応にも感じさせる主役不在の寂しさ
アラフィフとなった満男が、伯父である寅さんとの思い出を過去作のシーンを織り込んでフラッシュバックしていく。
タコ社長とケンカしたり、歴代マドンナたちとのデレデレなやり取りといった寅さんの名シーンが洗練された4K映像で観られるという点は、往年のファンには嬉しいかも。
その一方で、『男はつらいよ』シリーズを未見の人向けに製作したダイジェスト的な内容な分、寅さん不在の寂しさも突きつけてくる。
高齢者介護という、誰しも避けては通れない事情にもシビアに踏み込んでいるが、そんな時に寅さんだったらどう向き合うのかという、「嗚呼、もう寅さんはいないんだ」という現実を否応にも感じさせてしまう。
結局のところ、寅さんの代わりは誰にも務まらないのだ。
本作をもってして新規ファンが獲得できるは不明瞭だが、過去作自体は今観ても楽しいと思うので、未見の方はチェックしてみては。
あと、吉岡秀隆は年を重ねるごとに演技が仰々しくなっていて、まだ若い頃の方が演技が上手かった気がする。ゴクミの演技は、まぁアレだ。
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