「リアルな迫力はタトゥー率の高さに比例するのか?」暁に祈れ マツマルさんの映画レビュー(感想・評価)
リアルな迫力はタトゥー率の高さに比例するのか?
予告編で立木文彦さんがナレーションを担当されている時から男臭さプンプンの骨太な感じに鑑賞意欲を掻き立てられて初日に鑑賞しました。
感想はと言うとちょっと違ってた感じで個人的にはう〜んな感じのまあまあ。
細かいこと先に書くと、実在する刑務所の中での出来事を描いているので全体的に暗い。
字幕が限りなく少ないので、タイ人の囚人が何言ってるかが雰囲気でしか分からないw
主人公のビリーがダメダメなので感情移入し難い。
刑務所内の売店で働くレディーボーイは大丈夫? トラブルの元凶になると思うんだが…
でしょうか。
とにかく刑務所の中が悲惨。家畜小屋と言った感じで人権も何もあったもんじゃない。
日本の刑務所が天国に感じる(入った事は無いけど)
そんな無法地帯の様な中でもルールみたいな物はあるみたいだけど、ある程度収容されて周りに認知されてないとそんなルールも適用されない。
とにかく男しか出てこない(当たり前か)、異様にタトゥー率が高い。
この世の地獄を描いた様な中でムエタイに活路を見出すのだが、主人公のビリーが結構ダメダメ。
最後の病院からの脱走で線路向こうの子供の声にふと我に帰ったかの様に引き返すのが唯一の救い。
ここが邦題の「暁に祈れ」のキーポイントだと思うけど、それ以外は暁に祈る前に悔い改めろ!言いたくなる位の薬物依存過ぎてあんまり感情移入が出来づらい。
刑務所 プラス ボクシングと言えば、名作「あしたのジョー」を鑑賞前から連想する人も多かったと思いますが、主人公のバックボーンは違えど、ジョー程ストイックではなかった。
どちらかと言うと漫画「軍鶏」の様なダークな雰囲気。クスリ ダメ ゼッタイ!
あと女性が刑務所の中に入るなんて明らかにトラブルの元になるので御法度だけど、何故かレディーボーイが売り子をしているw
勿論彼ら(彼女ら)も何らかの罪を犯しているからこそ、収容されてる訳ですがレディーボーイが許されている理由が割と微妙(案の定トラブルになるし)
治外法権過ぎて、もう悲惨としか言い様が無い中でムエタイ式ボクシングに希望を見出していくのは「あしたのジョー」とおんなじ感じではあるので男の子には来る物があるんですが、正直全体のリアルな迫力を意識し過ぎて、クライマックスまでの起伏が薄いかなと。
ただ、特に感動がある訳でも無いので爽快感に欠けますが、悲惨な状況の中で重苦しくも進んでいく暗い画面の中にガツンとしたリアルな迫力が圧倒的です。
好みが分かれる作品であると思うので、あしたのジョーやROCKYの様な感動は少ないですが、リアルな迫力と男臭さが好きな人にはガツンと来る作品かと思います。