「絶望を越えた先にあるのは、痛みという名の悲しみのみ。」暁に祈れ ガーコさんの映画レビュー(感想・評価)
絶望を越えた先にあるのは、痛みという名の悲しみのみ。
痛い、痛い…。
観ているだけで目を覆いたくなるような、絶望の世界を観てしまいました…。
タイの刑務所がここまで酷いとは…。
21世紀の刑務所とは思えない壮絶な環境の連続に、よくぞ生きているなと思いました。
タイの刑務所って、日本と全然違う…。
多分日本人の犯罪者があそこに放り込まれたら絶対生きていけないと思います…。
ヤクザでもないのに、みんな日常的に身体中に刺青を入れ、己の強さを肉体を持って表現するという、過酷な世界。
ここでは、肉体のみが自身の力の強さを表現できる、まさに弱肉強食!
殺人、レイプ、汚職なんでもありの環境の中で生き残るためには、自分の腕力に頼るのみ!
そんな壮絶な環境に放り込まれた1人の白人ボクサー。
何度もやられそうになりながらも、その拳で必死に抵抗していきます。
その強さは周りのタイ人も一目を置くほど!
喧嘩して、戦って、半殺しにして、自分の筋肉にすがりながら必死に抵抗し、ドラッグの力を借りながら、強くなっていく姿が凄まじかったです!
彼の血の滲むような努力には感服しました…。
こうして、3年間も過酷な刑務所生活を続けた彼。
彼がこの刑務所生活に耐えられたのは、ムエタイボクシングクラブのボクサーになったからこそ。
ボクサーという職業が、彼の心の支えになるとはなんとも皮肉な話です…。
もしクラブという心の拠り所が無かったら、とっくに生き絶えていたでしょうね…。
最後の最後に衝撃のラストが待っていたことにビックリ!
おお〜!
そうきたか、と思わず言いたくなるような展開でした。
濃密な空気の中の117分。
この重苦しい空気は劇場でないと味わえないと思います…。
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