華氏119のレビュー・感想・評価
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今ここにある危機
試写会で拝見してきました。
面白い。
というか恐ろしい。
アメリカの現実が、恐怖そのもの。
トランプが大統領になる世界は突然生まれたのではなく、必然であったという。
資本主義の行き過ぎと、ファシスト政治家の台頭、政党内部の腐敗と老害の自己保身による選択ミスは、以前からあり。
「実はオバマすら、支援団体・寄付団体の影響で、市民の切り捨てを行なってきたという事実があった」
「民主党内の全国投票で55州で負けていたヒラリーを、OB議員や現議員らの議員票で無理やり候補に据えて自滅した」
という指摘は、重い。
ファシストは公然と法を破り、嘘をつき、悪びれない。
自分の悪事は認めず、悪事を指摘した人間を悪者にする。
過激な物言いで自分を露出し、視聴率や売上を人質に、マスコミを操作する。
貧富や階層、ジェンダーや人種などの対立を煽る。
自国ファーストと言いながら、実行政策は行わない。
権力を政権側に集中させ、民衆の声を無視する法やシステムを作る。
民衆は諦めとともに政治に無関心になり、無効票や無投票が増え、国民の1/8以下の支持数だけで選挙に勝てる。
どこかで見たな、と思う。
昔のナチスドイツに類似点が多い。
マイケル・ムーアの映画は、本人凸ばかりが目立ち、とっちらかって、恣意的誘導傾向や繰り返し洗脳手法が強い。
ともすれば、自称ジャーナリストだが実質ただのアナウンサーといった、久米宏と鳥越俊太郎と池上彰と宮根誠司の悪い部分を煮詰めたようなところを発露しに、嫌悪感を抱くことが多い。
そこをつまらないとも感じる。
が、本作はただただ聞き手に回っていたためか、嫌悪感はなかった。
11月のアメリカ中間選挙に合わせて、反トランプのプロパガンダ的な意図は確かにあるものの、その結論を口にせず、若い世代はどう思っているかのレポートに託していたから。
誘導意図は低めな印象。
ムーアが素晴らしいのではなく、単に今のアメリカが酷いだけとも言えます。
そして、決して遠い国の話ではなく、今ここにある危機の炙り出しにも思えちゃって。
現在の日本の政権与党にも似ているようにも感じました。
今の日本に不安を抱く方には、観ていただきたいとオススメしたくなりました。
(本当は、今を肯定する方々にこそ観ていただきたいのですが)
トランプ政権の本質とは…?
試写会にて。
いつものマイケル・ムーア節…かと思いきや、意外にも直撃取材はあまりなくトランプのそもそもの出馬からを振り返る。
そこで描かれるのは、ショー的な盛り上がりを求め過ぎるあまりトランプ政権を産みだしてしまったマスコミと、理念を失い変容する民主党(特にオバマ)の現在、そして銃規制を求める高校生達のような草の根の革命の機運。
トランプ政権がヒトラー政権に似通っているとの指摘は恐ろしいが、それが日本にもそのまま当てはまるのがまた恐ろしい…
そして日本には未だ草の根の運動はないというね…
アメリカンドリーム
みんな立派な大人になって欲しいと願って子供育てるけど、悪い奴等が多すぎる世の中は。
政治家って奴はその典型だね。
若者に観て欲しい映画です❗️
世の中を変える事ができるのは、君たち以外にはいないのだから。
マイケル・ムーア作品中一番シリアス度が高いかも
前々からトランプが大統領になると予言していたM・ムーア。本作はその根拠を提示するような内容に。
トランプ政権誕生の裏には、ライバルの民主党の落ち度もあった事を踏まえつつ、ムーアの地元ミシガン州フリントが抱える深刻な汚染水問題の原因を突いていく。
過去作で見られた、アポ無し取材をベースとしたコミカルなやり取りは今回は抑えめ。それどころか後半、トランプを「ある人物」にダブらせていく演出に戦慄を覚えた。ある意味、『華氏911』でのブッシュへの糾弾以上の凄まじさがあった。
はたして、ムーアの予言する悪夢は現実となるのか?
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