華氏119のレビュー・感想・評価
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この現実を私は全く知らない。
ミシガン州フリントの水道に鉛が含有量を超えて入っている問題。 アメリカでこんな水俣病みたいなことが起きているなんて全く知らなかった。 教師のデモや、銃規制、人種差別、 トランプが大統領になったことだけが問題ではないが、加速していることは確か。 それを第二次世界大戦前のドイツでのナチス台頭と比較しているところが、 マイケルムーアが一番主張したいこと。 世界は、どんどん一部の富裕層によって、利益だけを求めて、 扇動されていっているような気がする。 都合のいいように洗脳されないこと。 事実を知ること。 声をあげる事。 一人一人が、それをしていかない限り、歴史は同じように繰り返されてしまうのかもしれないと感じた。
トランプ批判というより、民主党批判(応援も込めて?)が強い作品
ムーア監督が、筋金入りのリベラル派というのは言うまでもない。 直球のトランプ批判かと思いきや、それは一部に過ぎず、主は、民主党の選挙戦略、というか、サンダース支持者を非情にも切り捨てたことが敗因だったという分析。 なお、ムーア自身は、大昔はヒラリー好きを公言してたけど、それでも民主党指導部の対応はマズかったのだろう。(日本における報道ではそんな空気感まではわからない) あとは、監督の地元の水道問題。チラッと報道をみたが、こんなにヒドかったとは…近年、水道の民営化が日本でも話題になっているので、そういう意味でも必見。 そうはいっても、やっぱりムーア。 ラストでは、若者たちの新たなる活動を追い、将来への期待を描いている。 基本的に楽観的で、希望を忘れない人柄なんだろう、と思う。
トランプ帝国は滅亡
『華氏911』でブッシュ政権を痛烈に批判したマイケル・ムーア。 今アメリカでは、ブッシュを下回るほど酷い大統領が君臨している。 言うまでもなく、ドナルド・トランプ。 ムーアがやらない訳がない。 と言う事で登場、トランプ政権を痛烈に批判したドキュメンタリー! のっけから斬り込む! 2016年の大統領選。 全米では、初の女性大統領誕生なるか!?…に沸く。と言うか、もう当選確実と言っていいくらい。 歴史的瞬間。 …が、雲行きが怪しくなってきた。 そしてまさかの…。 “ドナルド・トランプ大魔王”降臨にかかる『オーメン』の音楽にウケた。 それにしても、自分もヒラリーが当選すると思っていたので、これには驚いたし、落胆した。 所謂世界の“大国”で、女性が未だ国のトップになった事が無いのはアメリカや日本くらい。男女平等を謳いながら、実はまだまだ男尊女卑、考えが遅れている。 トランプはどうも端から印象が悪い。 暴言・迷言・珍言の連続。それを“強い発言”と勘違い。 アメリカとメキシコの国境に壁を作る! イスラム国家をアメリカに入るな!…。人種差別。 劇中でも、黒人は消えろ! メキシコ人はレイプ魔のヤクの売人…と、信じられないドン引き発言。 女性軽視。娘イヴァンカはこの男から産まれたと思えないくらい美人だが、トランプの娘への言動が女性として見てるようで、ドン引きと言うよりもはや反吐が出る。 劇中では描かれていないが、過激な言動は日本に対しても。 俺は日本を愛してると言っときながら、日本は真珠湾攻撃の謝罪をしろ! 日本は米軍基地の維持費を全て負担しろ!…などなどなど。 おいおいおい、戦争を早期終結させる最善の手段で原爆によって犠牲になった大勢の人々、沖縄などで米軍兵士が犯してる事件の事などを知らないとでも言うのか…? アメリカのトップという事は、世界のトップという事でもある。 そんな立場に居る者が、こんな言動を平然堂々と…。 アメリカ・ファーストなどではない。トランプ・ファーストなのである。 劇中ではトランプ個人への批判だけじゃなく、“トランプ一派”やトランプによって病に犯されたアメリカそのものの闇への警鐘を鳴らしている。 中でもショッキングだったのは、トランプ配下の知事が治める寂れた町の水質汚染。 鉛を含んだ水を飲んでいたという住人や子供たち。 その活気の無い町や人々たちに、我々が抱くアメリカのイメージは無い。 しかもそれを知り、知事は隠蔽。 犯罪以外の何物でもない。 突撃し、知事の広報官にその水を飲ませようとするムーアに天晴れ! でも、知事の自宅にホースで水を撒くのは痛快だが、一応犯罪ですよ…。 TVでお馴染みの日本の某ジャーナリストによると、そもそもトランプは大統領になる気は無かったという。 大統領選に立候補すれば、それだけで自分や自分の事業のいい話題や宣伝になる。 ところが、当選しちゃったもんだから…。 思わず手に入れた、最高の権力。 そうなると、この最高権力を我が物にし、行使したくなってくる。 アメリカの大統領は、世界の王。 アメリカは、世界は、俺の物。 世界よ、皆よ、俺様の前にひざまずけ。 劇中では、トランプをヒトラーと比較する。 幾ら何でもトランプは、かの人類史上稀代の狂悪人ではない。そう思ってるし、そう信じている。 アメリカ・ファーストを掲げるトランプが、国内の“ガイジン”を収容所に隔離し…なんて事は絶対にしないだろう。 でも、トランプが行った名政策って…? アメリカ大統領として初めて、北朝鮮のトップとの歴史的会談…? 和平より、自分の名を歴史に残したいからやったとも聞く。 本当にトランプは、“俺様ファースト”しか思い浮かばない。 来年は大統領選。 アメリカ大統領の任期は、短くて4年、長くて2期の8年。 劇中でトランプは、中国の習近平を例に挙げて、倍の16年や終身政権をほのめかす。 面白れぇ、出来るものならやってみろ。 そしたら、世界一の民主国家と主張する国から産まれた最低の国家元首…いや、独裁者を祝ってやる。 まさかこんな品と手腕の無い、相応しくない金の亡者が再選する事は無いだろう。 が、もし再選したら…。 愚かな大統領は、それを選び称える愚かなアメリカそのものなのだ。 レビュータイトルは、トランプ再選ならずを信じて。
大学生です。
トランプ?やばいやつでしょ??くらいの知識がなかった大学生の私にもわかりやすく、起こった事件を再現した&現当事者の意見も聞ける、とても良い作品だと思いました。 見終わった後、 もっとこのヤバさが、伝わって欲しいと切に願いました。
はじめてのマイケル・ムーア監督作品
ドナルド・トランプ大統領を支える現在のアメリカ社会を痛烈に批判。 銃被害,水道の公害被害,教員等の劣悪な労働環境の実態,それに立ち向かう人々… ヒットラーの演説の映像に,トランプ大統領の声が重ねられる。 為政者によって,社会が変えられるのは,一瞬のことかもしれない。
声を上げることの重要性。身につまされるドキュメンタリー。
【賛否両論チェック】 賛:政治的な価値観は置いておいて、「自分から声を上げることそのものの重要性」を感じさせる内容に。改めて考えさせられる部分が多い。 否:内容は言うまでもなく政治性が非常に強く、かつムーア節で淡々と進むので、そもそも興味があるかないかで好みは大きく分かれそう。 当たり前といえば当たり前ですが、あくまでも「マイケル・ムーア監督の視点から見たアメリカの現状」を訴える作品ですので、観る人の政治的思想や価値観、好き嫌いによって、評価は180度変わる内容です。 しかしそういう主観を抜きにしても、何かこのままではいけないと感じる出来事に直面した時、流されるがままに何もしないのではなく、自分から声を上げることの大切さを、改めて教えられる内容でもあります。 この作品を取っかかりに、政治から社会問題に至るまで、自分自身の意見を考え直すきっかけになりそうな、そんな作品です。
日本の宣伝方法が良くない!
まるでトランプ徹底追及的な宣伝の打ち出しだけど、 内容はそれをきっかけとした現代の米国への訴えであり、「シッコ」などの手法のトランプ分析を期待すると大きく期待はずれになる。良い映画なのに。。。
しらなかったよ、アメリカ……。
テレビやネットのニュースでは伝わってこないあれやこれやがてんこ盛り。 ひたすらトランプを批判するのかと思えば、そんなトランプを台頭させた状況を掘り下げてゆく、という冷静さに好感が持てる。 一度で全てを理解することは難しい(のは、私のオツムのせい?)ほどの情報量ながらも、飽きさせず引っ張り続ける構成が相変わらず見事。 そしてこれは案外、アメリカだけの不適応ではなく世界のスタンダードなのでは? と状況に既視感を覚えた瞬間、私達の抱える恐怖と不安と不満がモンスターを生み出す仕組みに震える。 煽られてこれ以上、状況を悪化させたくないもの。 文句を言う口と手足で、自らが自らのために立ち上がれ、行動せよ、だ。
監督の憂いは深い
マイケルムーアの憂いを見続けた。 びっくりすることが起きるものだ。 映画は、おそらくスナイダー知事を訴求する意図で撮り始めたが、トランプ氏が大統領になるという監督にとっては驚天動地の出来事が起きたため、急遽主題を「トランプ大統領を生んでしまったアメリカ」に切り替えたのではないだろうか。 いずれのネタも監督らしい突撃取材に精神でよい出来。さすがに多くの情報の羅列になった感は否めないが、トランプ氏だけではなく、サンダース氏をルールから外れたやり方で葬った民主党への批判も厳しい。 現在米国を追って二極化が進む(進んでしまっている)日本でも、底辺側を支援母体としようという政治家が出ず、野党総倒れ状態を見るにつけ、隣国の出来事と言っている場合でもないように思われる。 監督の憂いは深く深く、見終わった自分は疲れていました。 でも、観るべき映画かな。
権力は必ず腐敗する
本作品はイラク戦争を仕掛けたブッシュ政権を激しく批判した「華氏911」とは少しニュアンスが異なっている。必ずしも現政権の批判ばかりではないのだ。リベラルと期待されたオバマでさえ、圧力団体に屈して少数者を弾圧している。何故か。 アメリカは個人の自由と尊厳を謳う憲法を持ちながら、一方では大量破壊兵器を所持しているというジレンマの中にいる。世界の歴史は戦争の歴史である。武器を放棄すれば、戦争には勝てない。しかし武器は個人の生命や自由を脅かす。 人類に悪意が存在しなければ、武器は必要ない。悪意に対抗するために武器が必要なのだという主張は、一見正しいように見える。しかし合衆国大統領が就任式で誓う聖書には、そんなふうには書かれていない。右の頬を打たれたら左の頬を差し出せ、上着を奪う者には下着も与えよとある。ハンムラビ法典のように暴力に暴力で応えることは、いつまでも負の連鎖を生み、人間は自由にも平和にもなることが出来ないのだ。 アメリカは日本よりもずっと複雑な利権の国である。エディ・マーフィが政治家になる映画「ホワイトハウス狂騒曲」の中で、議員になったエディ・マーフィが、この政策に賛成すればこの団体から献金がもらえる、反対すればこちらの団体から献金がもらえるというブリーフィングを受けるシーンがある。政治家になった途端に誰かの利益のために働くことになることは避けられない。肝腎なのは誰のために働くかというポリシーである。政治家は常に選択し続けなければならない。世界から核兵器をなくそうとした筈のオバマは、どこで選択を変えたのだろうか。 アメリカの憲法はいざ知らず、日本国憲法第15条第2項には「すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない」と書かれてある。こんなことは書かなくてもわかりそうなものだが、公務員が国家権力を執行する役割を担っている以上、贈賄その他の利益供与を受ければ、必ずしも国民のためにならなくても、特定の誰かのために権力を濫用しかねないことの戒めである。権力は必ず腐敗するのだ。 政治家は選挙で選ばれた特別公務員だ。誰のために働かなければならないかは、憲法を読んだことがある人なら誰でも知っている。尤も、日本をトリモロスと叫ぶ暗愚の宰相は一文字も読んだことがないだろうから、知らない可能性が高い。 あまり大げさに取り上げられてはいないが、日本でも水道の民営化や種子法の廃止など、国民の生活に直接関わって、場合によっては身体や生命を危険に晒す恐れさえある政策が既に実施されている。日本は長いものには巻かれろ、寄らば大樹の陰という精神性だから、「お上のやること」に唯々諾々と従ってしまうところがある。 選挙にも行かず声も上げないでいると、利権を貪ろうとする悪意の人々に国が蹂躙されることになるのは自明の理だが、かといってアメリカのように高校生の演説に熱狂する姿もまた、ハイル・ヒトラーと右手を挙げるナチスの姿を彷彿とさせて気持ちが悪い。同調圧力というのは、それがどちらの方向を向いても全体主義につながるのだ。
実は中高生に観て欲しい
監督は、未来への警鐘と言うより、全てのジェンダーに『今を見つめる』事を、伝えている。政治や思想を語る事がダサくなってから20年位経ってしまった。その反省を、この映画を観て、みんな改めてみよう。
空気の作り方
マイケル・ムーアの作品は、いつも沢山の衝撃を与えてくれるのですが、個人的には今作が今迄の作品の中で一番衝撃的でした。 ミシガン州フリントの水道が、バリバリの新自由主義者であるスナイダー知事と友達のお金持ち連中に乗っ取られてしまった、これはある意味どの国でも起こっていることです。ただそれが新自由主義が吹き荒れた南米ではなくアメリカミシガン州だということ、水道代が高騰するだけではなく鉛が入っていてもずっと放置されていたこと、元の水道に戻すどころか「水は安全」という広告を出してしまうこと。恥ずかしながら、全てこの作品で初めて知ったことです。 私は以前、広告の講習会に参加したことがあって、その時の講義で広告業界の仕事は、「モノ」の宣伝もやるし世の中の「空気」を作り出すこともやると聞きました。世の中の「空気」を作る事を戦略PRというそうです。スナイダー知事の安全PRのシーンをみて私が思い出したのが、講義で聞いた「空気」の作り方と福島です。そういえば最近見た「ESSE」に、福島安全PRの広告が広告主東電で掲載されていたっけな。もしかすると「放射脳」とかいう言葉を作ったのもそのへんの業界だったりして。「政治の話するのタブー」とかいう、先進国ではありえない空気も戦略PR? いやいや、東電は鼻から私の味方ではないのだけれど、私が最もきつかったのがオバマのパフォーマンスとフリントでのガチな軍事演習です。オバマが私達の味方だって思っていた事自体、広告で刷り込みされていたの?? さらに、民主党の大統領選予備選ではサンダースがいくつかの州で勝利したけど、民主党の「スーパー代議員制度(過激な候補を阻止する制度)」で阻止されたと。なんだか、都知事選の時の宇都宮さんと被らなくもない話ですが、民主党も金持ち優遇策を取らない候補は落とされるってことなんでしょうね。アメリカだけではなく我が国日本の政治もおかしいことだらけ、これっていうのも金持ち連中に仕組まれているのでしょうか⁉︎ 広告や戦略PRが巷に溢れている世の中ですが、政治に対して「NO」と言う人達がこの作品には沢山登場します。そう、この作品は魔物も希望も登場するのです。私がとっても嬉しかったのは、行動する女性達や若者達がスクリーンに一杯映し出されていたことです。ここ数年のハリウッド作品で描かれている「勇ましい女性」「男性にとって都合が悪い女性」のリアルな姿が、華氏119には沢山出てきます。落ち込んでいる暇もないくらいの社会になってしまったんだから、行動することくらいしかやることはないというマイケル・ムーアのメッセージと、現実に闘っている人達から、前向きで強い気持ちを受け取りました。皆に観て欲しい作品です。
それでも日本より百倍マシなアメリカ!
ドキュメンタリーはちょっと難しそうと思ってましたが マイケル・ムーアの作品は 思わず笑ってしまうとてもライトな入り口から だんだんに問題の深刻さに迫ってゆく鮮やかな編集で 政治に疎い私でも充分理解できました。 トランプが大統領になってしまった!! その瞬間、アメリカ全土が 「やってまった!!」状態で固まってる。 そこから、なぜこうなったのかを読み解く。 当時、日本のコメンテーターが全く語らなかった (知らなかったのかもしれないけど) 実は底辺にはオバマの民主党への不信感などもあって その上に、 テレビ等の泡沫候補いじりの悪ノリの結果であったこと。 そこから、それでも、 アメリカには新しい芽が育ちつつある!! 希望の光を最後に見せてくれている。 見応えがあります! で、月に8回ほど映画館に通う中途半端な映画好きとしては 日本でテレビのワイドショーだけを観ていると トランプの酷さだけを強調した番組が多すぎて 物事の本質をちゃんと報道している番組が ほぼ無いように感じる。 日本もアメリカと全く同じ。 いや、日本はもっと深刻だと思う。 日本にはマイケル・ムーアも居なければ 正しい報道をマスコミ自体が完全に放棄している。 この映画のアメリカの記者のように 政府に踏み込んだ質問をしようとする記者を 日本は同業者の記者同士が排除しようとする。 そして、若い新しい芽を日本は完全に踏み潰してしまった。 できるなら、 今度はマイケル・ムーアに日本を取材して貰いたい。 そうすると日本は終わってしまうかもしれないね〜〜 あんまりニュースとかに興味無い人でも 例えば今の映画やゲーム世界で描かれているのものの 元ネタってこれなんだ!と言うふうに 理解が深まってよりいろんなコンテンツが 楽しめるんじゃないかな〜〜 一つはなれた隣の席に まるで若い頃のマイケル・ムーアみたいな 白人男性が座って観てました。 時々もれる彼のため息が 事態の深刻さと滑稽さを示しているようでした。 @もう一度観るなら? 「タイムリーな問題なので今映画館で観なければ意味が無い!」
マイケルムーアの本気
アメリカであんな事があったなんて 知らなかった…水…日本でニュースになった? 余りの恐ろしさ 日本でもプルトニウムは飲んでも安全と言った東大教授がいたが… 日本との類似 また それは世界でも 民主主義の退廃は全体主義へと 独裁政治へと動いていく。 正直言うと Queenを見に行ったら満員だったので 空いていたこっちを観たのだけれど 多くの人に見てほしいと思った。 マイケルムーアの炎は消えていない というより 彼もこのbull s**tに目覚めたと 映画の中でも言っている「呆れたら 諦めたら終わり」… そう 心の中の炎が消えたら終わる 民主とは民が主ということ 投票は権利でも義務でもある? でも 本当はその後をよく観る事 メディアがその役割を放棄してる時は特に 「信じる」のは宗教だけで十分 オバマでもトランプでも民主主義も全体主義も「美しい国日本」も救ってくれると思ったら それはカルト 誰かの掲げた星ではなく 視るべきは自分の中の炎
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