「多様性の時代の写し絵」聖☆おにいさん odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
多様性の時代の写し絵
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イエス・キリストとお釈迦様が下界でバカンス、なんと立川の6畳一間のアパートで人間もどきに同居生活なんて設定は漫画にしても不道徳極まりないと敬遠していたのですが、アニメ、実写化と話題になっているようなので観てみました。
イエスと仏陀は宗教の開祖、物語にするなら神話の神々やクリーチャを扱った方が脚色できるから映画でもお馴染みですが現代でも信者の多いキリスト教と仏教を茶化すのは並外れた世界観ですね。
いまだにイスラエルの紛争など宗教や文化の違いで争いが絶えない世界ですから現代に降臨した聖者の目から見た人類への警鐘、嘆きを含めた社会批判的な要素を織り込みたいのかとも思いましたが、描いているのはいたって普通の若者にしか見えない暮らしぶり。
キングオブコントやR-1グランプリなど滑稽なギャグが若者に大受けする昨今ですから何でもありなんでしょうが、なまじっか信仰心もあり頭の固いおじさんには製作動機が理解不能。
劇中で唐突に製作総指揮・プロデューサーの山田孝之さんへの福田監督のインタビューが挿入されていました、本編が余りにも虚構づくしなので現実を挿入することで、これはお仕事、我々は狂っていませんとアピールしたかったのでしょうかね・・。何で山田さんがと思いましたが原作の中村光さんの「荒川アンダー ザ ブリッジ」の実写化で山田さんが出演したことがきっかけで親交が深まり、今回買って出たようです。
まさに多様性の時代、映画にタブーは無いのですね、ある意味勉強になりました。
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