「脳内補完必須の歴史絵巻」峠 最後のサムライ lynx09bさんの映画レビュー(感想・評価)
脳内補完必須の歴史絵巻
山本五十六が敬愛したが為に世に広まった言葉の数々が彼(五十六)のものになってしまってますが、元ネタみたいな人の話。辿る苦難の人生も似ているので何とも複雑な気持ちになりますが、「ゆすりたかり」が国の中枢に群がる日本という国の中で、「こういう為政者もいたのだ」と背筋を伸ばすのに最適な作品でした。ガトリング銃と戦の妙みたいな見所はもっと欲しかったし、度々映る良く分からないイメージシーンはいらなかったと思うけれども、オルゴールの音に引っ張られる「平和への思い」と主人公親子の屹立とした破天荒さは素敵でした。
五十六も演じて今回は継之助。家康も演じたから、次は何だろう?と円熟期の極地な役所広司さん。ありえないだろうけども、三部作での「水野勝成」その大トリ三作目の勝成をやって欲しいなぁ。宮本武蔵との顔合わせなんて最高の一場面になるだろうに(宮本武蔵といえば若い頃の役所広司さん)。そんな本気の歴史絵巻が観たい。
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