「戦争と平和について考えさせられるが、映画としては盛り上がりに欠ける」峠 最後のサムライ tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
戦争と平和について考えさせられるが、映画としては盛り上がりに欠ける
圧倒的な戦力を有し、戦えば必ず勝てると思っている相手に対して、いかに平和を訴えても、戦争を回避することは難しいということがよく分かる。いやがおうにも、現在のロシアとウクライナの状況がダブってくる。
平和が維持できない以上、あとは、戦うか降伏するかの二択となるが、この映画の場合、降伏して「理不尽」や「不本意」を受け入れるよりも、「名誉」や「誇り」のために戦うという道が選ばれる。しかし、映画でも描かれているように、戦争の犠牲となるのは、いつでも無力な民衆(市民たち)なのである。
果たして、戦うという選択は正しかったのか?簡単に答えを出すことはできないが、こうして、小説になったり、映画になったりして、後世に語り継がれているのは、大抵、戦うことを選び、戦場で散っていった人々である。
その点、主役の役所広司は、かつて、同じ長岡の出身で、同じように開戦に反対しながらも戦闘の指揮を執ることとなった山本五十六も演じている。役所が意識して演じたのかどうかは分からないが、河井継之助と山本五十六がダブって見えてしまったのは、私だけだろうか?
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