劇場公開日 2019年7月5日

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「当てにいっているような脚本が勿体ない、成長株の脇役たちの演技は一見の価値あり」いちごの唄 かわちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0当てにいっているような脚本が勿体ない、成長株の脇役たちの演技は一見の価値あり

2021年1月2日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

単純

幸せ

キャストが我得だったので退屈はしなかったものの、少し当てに行っているような綺麗ごとすぎる脚本がハマらなかった。
半袖短パンの夢想家のようなコウタ。周りから見たら痛くて弱そうで優しい青年である。彼は七夕の日を、唯一の友達、伸二の命日として受け止め続けている。そんな七夕の日に偶然の再会を果たしたのは、紛れもない2人の女神で…。そこから動き出す甘酸っぱくもぎこちない日々。中学の頃の無敵な日々と重なるような高揚感と優しき日々。まぁ、そこが最も非現実的に映るので刺さらない。ヒロインの石橋静河に清原果耶、蒔田彩珠といったティーンの実力派、岸井ゆきのに恒松祐里といったバイプレイヤーな20代女優。さらに、ひよっこをはじめとした岡田惠和脚本作品常連まで…キャストは申し分ないのだが、中身がかえって意味を成しているシーンがあまりなかった。なんだかきれいごとで出来た世界で、パンクというよりバラードで当てにいっているような感覚。高円寺の街も作用しているとは思えなかったのが残念。もっと臭いくらいの惨めな青年でも良かったのではないか。古舘佑太郎のダメな感じがもう少し形になってほしかったところ。
とはいえ、先述しているように、キャストが濃いので楽しめるのは事実。職場や家族、主人公に携わる人の温度感と試練を越えるような"定番さ"が引っ掛かる作品。ここは一層、汗ばむ時期に観たら染みるのかもしれない。

たいよーさん。