「朱色の意味するもの」赤い雪 Red Snow ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)
朱色の意味するもの
春など想像すらできない冬の曇天と、閉ざされた空間。
決して知られてはならない秘密。
繰り返される狂気。
重苦しさを閉じ込めた島は、人を救いようのない運命に導くのか。
きっと漆の朱色は人の血の色だ。
血は脈々と流れ続ける人間の本性だ。
外に場所を変えても、朱色が心を島に縛り付けたままにする。
どんな人でも狂気を心の奥底に隠して生きているのではないのか。
何が運命を狂わせるのか。
場所なのか。
逃れることが出来ない人間の本性なのか。
もし、たとえ、それが場所であれ、人々の心の奥底に潜む本性であれ、僕たちは絶望から逃れることは出来ない…のかもしれない。
映画は、核心部分を観る側のイマジネーションに委ねているように思う。
そして、絶望から助けを求めているようにさえ思える。
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