劇場公開日 2018年11月30日

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「アルモドバルもバンデラスもメイドじゃない!」マダムのおかしな晩餐会 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0アルモドバルもバンデラスもメイドじゃない!

2020年1月6日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 お互い二度目の結婚であるアン(トニ・コレット)とボブ(ハーベイ・カイテル)。何の仕事をしているのかよくわからなかったが、とにかく裕福。しかし、壁に飾ってあった父の遺産である「最後の晩餐」の絵を売らないとピンチに陥るみたいだった。この晩餐の人数もちゃんとした伏線になっていた。

 富裕層と貧困層の格差というより、外国人移民はメイドくらいしか仕事がないといったメッセージもあるような気がした。上流階級であるアンにしても、自分なりの距離をおいているが、結局は“身分の違い”を理由に別れさせようとしている。

 メイドのマリア(ロッシ・デ・パルマ)は酒が入るとついつい上機嫌になり、ヒュー・グラントのハッピーエンドが好きだという主張や、ウィットに富んだエロチックなジョークを披露したりして、鑑別士のデビッドの気を惹いてしまっただけ。

 お洒落なストーリーではあったし、「フランス人は結婚生活を維持するために不倫する」などといった会話も面白かった。これがアンとボブの夫婦関係を表していた。アメリカ人なわけなんですが、フランス語教師のことをとやかく言わないアン。芸術家との不倫についても何も言わないボブ。アメリカに帰ったらまた違うんだろうけど・・・

 ラストでは恋も破綻したと思い、マリアが家を出ていくシーンで終わるのですが、デビッドがボブの息子スティーブンに告げる言葉によって観客はハッピーエンディングを想像する。このどちらともつかない終わり方が非常に良かった。

 夜のプールサイド。トニ・コレットのヌードも見られるので、興味のある方はぜひ!タマネギを用意しておくとgood

kossy