楽園(2019)のレビュー・感想・評価
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監督に力量無し
期待しただけに裏切られた感じ。役者がもったいない。後で64の監督と知って納得。。。。。64も残念だった・・・・特にドラマ版と比較して全く良くなかった。これで原作者が一緒で他の映画が良かったって事は、単にこの監督に力が無いだけだと思う。
特に前半、ほぼ寝てたし、綾野剛自殺し掛かっていきなり話飛んで、観客置いてきぼり・・・そこで話切っちゃダメでしょう?他もあちこち話飛んで、全く話分かんなかったし、話飛んでるから、役者の芝居、全く意味なし・・・・意味するように撮れないって事だよね・・・・・最後種明かしみたいのあったけど、結局仕舞いまで描いてないので、意味がわからないまま・・・・時間の無駄だった・・・
あんまり酷かったのでレビューしちゃいました・・・・
切ない
150本目。
住んでる人に合わせるか?
来た人に合わせるか?
上下関係あるけどストレス貯めたくないからね。
どう思われ様が知ったこちゃない。
で綾野剛が宣伝でTV出てたなぁ、と思いチョイス。
タイトルすら何だっけ?って感じで。
観始めて、これ何か背負わされると思ったけど、それ程でも。
でも魔女狩りみたいでね。
外国作品だとカルト的な感じに仕上げるのかな?
でもこの間あった行方不明と重なるな。
切ない。
散漫とした物語構成と胸糞悪くなる内容
2つの物語をあわせて映画にしたせいでもあるのか、散漫とした物語構成。
(主役はだれだろう?地方の限界集落の暮らし全体が物語の主役?)
話の中身は胸糞悪くなるもの。
見る人を選ぶ作品。
命、生きることについて
人は何故繰り返すのか。
「犯罪小説集」の映画の原作になった二つの短編は、読む人間を突き放すような容赦のなさがある。
お前たちは、考えているかと…。
もし考えているんだったら、今ここで、それは何か言ってみろと言わんばかりだ。
そして、犯罪とは一体何かと。
映画も同様に容赦なく僕達に問いただす。
ただ、病気で失われた命と、50%の確率で繋ぎとめることが出来るかもしれない命を対比させる物語も加えて、命とは何か、生きるとは何かと、別に問いかけてるようにも感じる。
人はそう簡単に人を裁くことが出来るのだろうか。
ありもしない事で、まるで罪があるように罵ったり、吊し上げたり。
悲劇的な結末など念頭にありもしない。
もし、映画を観て、クソ田舎の限界集落の村八分の話しみたいに思う人がいたら問いたい。
都会でも、会社でも、学校でも、コミュニティでも、そして、特にネットでも、似たようなことはあるよね…と。
閉塞感も、孤独も、暴力も。
そして、見て見ぬ振りもしてるよね…と。
人は取り返しがつかなくなるまで気がつかないのだろうか。
人は何故繰り返してしまうのだろうか。
原作の短編のひとつ「青田Y字路」の岐路のように、もう片方の道を選択すれば悲劇は避けられるといったものでもない。
結局は同じではないのか。
豪士にも、善次郎にも楽園はなかった。
いや、生きる希望を見出すことは出来なかった。
野上が、東京に出て働く紡に言う。
楽園を作れよ。
楽園は場所ではなく、生きる希望や、生きていこうとする心にあるのではないか。
それを失った時に、楽園も消えるのだ。
悲劇を避けるのは選択ではない。
人が生きる希望や、前向きな気持ちを失った時に、悲劇の種が撒かれるのだ。
僕達は、生きる希望を失ってはいけない。
命や、生きる希望より尊いものなどないのだ。
二つの短編を合わせて、独自のストーリーも紡いで、良い作品が出来ていると思いました。
64(ロクヨン)は、小説の展開が圧倒的に緻密で、読み手の気持ちをグイグイ引き込む物語が、映画ではイマイチ出てないなと感じていましたが、楽園は映画独自の展開もあり、役者さん達の圧倒的な演技もあり、見応えのある作品でした。
演者のバトル
原作とはちょっと違いますが杉咲花が主役!って言ってもいいくらいの作品です。
2つの短編を上手く繋ぐ難しい役どころを見事にこなしていると。
もちろん綾野剛は陰のある暗い役どころやらせたら文句無しの演技ですし柄本明の安定した地元のおっさん感ときたらいるいる感満載です。
そして最期はイマイチでしたが追い込まれて崖っぷちに立ってしまう佐藤浩一。
キレて道を踏み外すところは新境地ではないかなと。
もうちょっと残虐なシーンを映してくれてもよかった(事務所的にNG?)
片岡さんは見事な中年女性のエロスを中村さんは日本という土地で閉じこもりがちの息子を守ろうとする母を見事に演じてた。
これだけ演者全員が高いレベルで作品を作るなんて贅沢すぎる映画です。
もちろん突っ込みたくなるとこもありますけど。
ラス前の犬が檻から出た瞬間からラスト見えちゃったしね…
今年の賞レースに絶対絡む作品だと思います。
楽園は場所ではない
2019年5作目。
見られる時には良い作品がなく、見たい作品があると都合が合わずで、今年は折返しを過ぎたのにあまり映画に行けず、今回はちょっと頑張りました。いくつかの作品を測りに掛けて、「楽園」を選択。予備知識なし。
日本の原風景というキャッチが浮かびそうな風景を舞台にして、事件が起きます。未解決事件は12年後の悲劇へ。そしてそれが産んだ不信は大きな事件へ。
この作品に二回出てくるどこでも同じというセリフ。一人は流されるままに辿りたいた上での絶望の果て。一人は嫌っていたのに結局戻ってきた場所。ちょっとしたことで転落してしまう所。確かにあるけど届かない所。人を活かすのも楽園なら、殺すのも楽園。
事件の「真実」を暗示する二つのシーン。どう取るのかは鑑賞者に委ねられています。
個人的には、ある可能性は面白いですが、そこに至る道はかなり難しいかと感じます。でも、それを信じてみるのも自由です。ちょっとした歯車の噛み合わせで悲劇が起こるのですなら、限りなくゼロに近い因果の果てに楽園が確かにあるのかもしれません。
抱えるは考えること。
役者さんを観る映画
美しい田園風景から始まる小さな世界の物語。
閉鎖的な街。
村八分。
息苦しい世界。
普段生きている自分たちの世界に似た「人間の嫌なところ」が描かれ、息苦しく、辛い。
役者陣の気迫のある演技に引き込まれる。
市井の人々がもがき苦しみ、それでも生きて行く姿を演じていた。
役者さんを観る映画だな、と思いました。
※ストーリーもある程度の答えは示されるのですっきりしました。
予告の杉咲花に惹かれて観た。 過去を引きづる事を強いられた境遇の不...
予告の杉咲花に惹かれて観た。
過去を引きづる事を強いられた境遇の不穏な空気、彼女の役どころも演技も非常に良かった。
しかしながら、物語の流れの悪さと、不自然さが気になってしまった。
理不尽な村社会の描き方とか、社会不適合者の描写がリアルで、異様な雰囲気を醸し出していたが、気分は下がりまくりで憂鬱になってしまった。
裏テーマが気になって仕方がない
原作を読んでいないので深い部分での理解が足らない、というより私の理解力が足らないだけか。
楽園なんて何処にも無いんだよ。
この映画のメッセージがそれしか思いつきません。
人それぞれの要因で方向もバラバラなまま何かを抱えながら生きていて、それでも、うまくシンクロすることがあるかもしれないが、現実の社会ではこの映画のように何もかもが嫌になるようなことだってある。それでも生きていくしかない。
まさか、本当にそれだけ⁈
うーん、あの『怒り』に比肩し得るほどの演技力のぶつかり合いで描いたものがそれだけのはずがない!
と信じたいのだが、〝楽園〟という言葉の登場のさせ方、使われ方が唐突過ぎてちょっと引いてしまった。
『空の青さを知る人よ』を観たばかりのせいか、ガンダ〜ラ、ガンダ〜ラ🎵の方が説得力がありました。
『自分の知らない外の世界にはきっと自分の生きるべき場所があるはずだ。でも自分を取り巻く一見すると狭い世界だって、こんなにも豊かで満ち足りた世界になる。それは君自身の心の有り様次第だ』
この映画の世界観による暗めなトーンだと、こんな言い回しがとてもアンマッチだとは思うが、私の理解力ではそういったことを言いたかったようにしか見えなかったのです。本当に申し訳ないです。
ただ、もうひとつ。
実は、言ってはいけない本当に怖い裏テーマがあるのでは?という疑惑もあります。
それは、『嫌老・反老』です。
年金生活者=弱者という世間的なシールドに胡座をかいて、
・公共の場でマナーを守らない(年寄りなんだから大目に見て)
・ちょっと気に入らないとすぐに大声で怒る(年寄りなんだからもっと丁寧に扱え)
・都合が悪いと、自分が反省する前に、したり顔でもっと大人になれ、とか、経験すれば分かると宣い、結局は先送りでごまかす。
・自分たち年寄りは、若い連中から理解してもらう側であって、自分たちが若者に寄り添って理解してあげる必要はない。
そんなような描写は、直接的には描かれていなかったけれど、あの集落の長老達からはそんな匂いがプンプンしてました。
大きな声じゃ言えないけれど(実際に平日から映画館に来てる人はそのような人達の世代が多いので、大っぴらには言えない)、お年寄りの皆さま、もう少し『人の振り見て我が振り直せ』いや、『自分の振り見てこのままでいいのか』と考えて欲しい。
そんなことを訴えていたのではないか。
そんな気もするのです。
【”楽園”である筈だと思い、新たな生活を始めた二人の男に起こった出来事を通して、人間の愚かさ、弱さを容赦なく抉りだした作品】
限界集落に移り住んだ二人の男が辿る道を12年の時空を行き来しつつ、過酷な描写で描き出す。
閉塞感漂う、小さな集落でかつて起こった少女失踪事件の傷が癒えない人々の感情の変遷を、猜疑心から始まったいじめ(村八分)や、思い込みから犯人と決めつけていく姿として表現している部分が観ていて辛い。
一人の男は当初、万屋として老人たちから重宝されていたが、有ることがきっかけで村八分に。もう一人の男もある出来事がきっかけで12年前の失踪事件の犯人としての疑いの目が再燃し、今回も・・と人々から謂れのない仕打ちを受ける。
そして、二人が起こした行動が遣る瀬無い。
12年前の失踪事件の犯人が誰であったのかを予想させるようなシーンも人間性の脆さを描き出しているようで、辛いものがある。
この作品は瀬々敬久監督作品としては「友罪」とややテイストが似ている。(人間の悪性、弱性の部分に焦点を当てた部分)
(尚、二部作 「64 ロクヨン」は別格であることを申し添える)
サスペンス作品として、見応えは十分あるし、吉田修一の「青田Y字路」と「万屋善次郎」の2作を合わせて映像化したチャレンジングな気概は買うが、脚本の解れが少し気になってしまった作品。
〈私も気が付かないうちに、排他的な言動、行動を取ってはいないだろうか?我が身を振り返った作品でもある。〉
楽園など存在するのか
たけしは、「小さい頃から色んな所へ行った。どこに行っても一緒だ、探してるものはみつかはない」
「生きる意味、死ぬ意味を答えられるか」
と言った。
これは、紡にとっても善次郎にとっても当てはまる問いなのではないか。
もしこの答えを見つけられたらそこは本当に、彼らにとって「楽園」となるのか。
この答えを探すときは孤独と戦う必要があるのか。
孤独でもその自分から逃げちゃ駄目なのか。
人を殺すという行為は逃げた証拠なのか、考え尽くした証拠なのか。
分からないことだらけだ。私自身も分かっていないから、答えを見つけられていないから、気持ちは痛いほど分かるし胸が熱くなるシーンが多かった。
そうやってあがいて苦しんでいる人に対して、人はどうして酷い扱いをしてしまうのか。
どうして集団でその姿をみっともないと笑うのか。
どうして排除しようとするのか。
問いを考えることを諦めた人が、そこまで向き合う勇気がない人が、気がついてもない人が、前者の人たちをバカになど出来るはずはない。そんな権利ない。
事実として、東京と比べて田舎は距離が近すぎるし、とても狭い。窮屈だ。
私が、田舎から出てきた理由はそこだったのかもしれないとこの作品をみて感じた。
田舎は、視野も考えも狭いのだ。
それが心地いいことももちろんある。
しかし、気がついてしまった問いの答えを見つけるには、窮屈すぎる田舎では難しいのかもしれない。
ドローンを使った映像が特徴的だった。
重い作品だが嫌な感じがない
吉田修一さんの原作は読んでいたけど
雰囲気しか覚えてませんでした。
原作の「犯罪小説集」に収められた5作の
うち「青田Y字路」と「万屋善次郎」を
ミックスしている。
綾野剛さん演じる豪士が少女誘拐事件の犯人だと疑われた追い詰められていく姿。
杉咲花ちゃん演じる紡は直前まで被害者と一緒にいて心に傷を負い苦しむ姿。
佐藤浩市さん演じる善次郎はY字路に続く限界集落で村おこし事業を巡る話がこじれ村八分にされ追い込まれる姿。
救いのない物語だと思っていたけど
ここまでキツイとは…。
2つの物語が交互に映るけど時系列がよくわからなかったり「さっきのシーンなんだったの?」みたいなモヤモヤがありました。
ミックスしないで「青田Y字路」だけにした方が
まとまった気がします。
「万屋善次郎」が悪いわけではないけど、少しわかりづらい印象。周りの人が善次郎をなぜ嫌うのか(
おそらく嫉妬)だったりY字路との繋がりだったり。
ハッキリとした答えが出る映画ではない。
観た人によって答えが違くなる。
だから面白い。
吉田修一さんの作品は「悪人」や「怒り」も
そうだけどキツくても嫌な感じがしない。
それは感じていないだけで少し光が射すような
希望が映っているからかもしれない。
観た直後は「キツかった」と思ったけど
少し時間が経つと「キツかったけど良かったな」と
思える。
観たあと「どんな答えが出たか」話したくなる。
楽園は歴史に残る作品になるだろう。
やっと本物の映画を観られた
期待していたが期待以上だった。心抉られると宣伝しているが、そんなキャッチーな言葉はいらない程良かった。タイトルでも書いた通りやっと本物の映画を観られたという気持ちが強い。他の作品に対する評価を変えたくなる程全てにおいて圧倒的に素晴らしかった。誰にいつ起こってもおかしくない話で考えさせられた。映画に答えを求める作品ではなく自分で答えを出す作品。それこそが日常に溢れた問題に対しての光明になる事を期待した作品だろう。明るい作品ではないが劇場を後にする時、暗い気持ちのままという程ではなかったので、他人に勧められる作品だった。
追記
元々もう一度観に行こうと思っていたが、現役東大院生芸人さんの映画楽園YouTube解説動画を見て見落としがあった事に気づいたのでそこに注目して観てこようと思った。
配役は良い、脚本はもうひとひねり
原作は未読。他の吉田修一原作の映画も「悪人」「怒り」の二作しか観たことがありません。しかし、そのダークでディープな人間模様を描きながらもほのかに切ないテイストが両作とも好きで、監督が違うとはいえ、今作も楽しみにしていました。
しかし、観終えてみて、ストーリーを理解するのがやや難解に感じた。というのも、各登場人物の心情の掘り下げ方がやや曖昧・抽象的で、「この時このキャラクターはこう感じている」とはっきり表現しているような描写は少ない。ストーリーを深く理解するには、キャラクターのセリフのみならず、表情や演出、あらすじ全体像から自分でイメージすることが要求されるのではないか、というハードルを感じた。もちろん、原作を読めばはっきりわかる部分もおそらく多いものと思われます。
ただ、キャスティングは素晴らしい。イケメンキャラな印象が強い綾野剛は、情緒不安定な在日外国人というなかなかイメージが難しそうな役でもハマっていて、不器用さ、暗鬱さといったものが内から滲み出るようであったし、彼の母親役の黒澤あすかのやや狂気をはらんだような演技も相変わらず圧巻、佐藤浩市はさすがベテランの味が出ていてもはやどんな役でも安定して馴染んでいますね。
役者の素晴らしい演技によって、個人的にはもう一歩工夫が欲しいと思ったストーリー構成が何割増も魅力的なものに昇華されているのは間違いないと思いました。
楽園とは
吉田修一さんのファンで、映像化されたものは全て見てきましたが、今までで一番心えぐられたように思います。綾野さんがインタビュー等で何度も託す、という言い方をされていた意味がよく分かりました。
綾野さん、浩一さんはもちろんのこと杉咲花さんの演技がとても素晴らしかったです。彼女の目の演技、圧巻でした。同世代敵なしなのでは…。重いテーマでの彼女の演技をもっと見てみたいと思いました。瀬々監督、素晴らしい逸材を教えてくださりありがとうございました。
それぞれの楽園
澄み渡る青空の下、緑生い茂る田園風景
そこにただ雑然とあるY字路、まるで人生の岐路の選択を迫る様に、いつまでも変わらずにそこにある。その存在感は何かとても大きなものを感じる。
この作品は1度観ただけでは、ちょっと理解できないと思う。1つの事件がきっかけになって、いろいろなことが絡み合い、それぞれの人達に心の変化だったり、人間のいい部分と、悪い部分を両方見せつけられる。2つの接点のない原作が不思議なことに1つの作品に仕上がる。そこにあるテーマは同じで…
さすが瀬々監督の手腕は素晴らしいと思った。
村や集落、現代で言えば学校、会社なども同じで集団心理の恐ろしさもまじまじと感じた。
最初はウエルカムムード全開だったのに、ちょっとしたことで次の日から急に村八分だったり、弱者に全て罪をなすりつけて、追い詰めるといういじめと同じ構図。
そんな中で楽園とは?となる。私はこの作品で感じた『楽園』は、自分が生きやすい場所、居心地がいい場所なのかなと思う。楽園を見つけられた人、作れた人、なかった人、これから見つける人、この作品にも人生においても、同じなのではないかと思います。
豪士にとっての楽園は、愛華ちゃん、紡に出会ったことによって、自分が生きていること、存在を認めてもらえた、それこそが彼の『楽園』だったんではないでしょうか。
役者陣皆さん、迫真の演技で素晴らしかったのですが、なかでも綾野さん、佐藤さんの追い詰められ、絶望で張り裂けそうな状態で死を覚悟するという演技、言葉にならなかったです。
ぜひ、理解できるまで何回もご覧になって頂きたいです。
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