楽園(2019)のレビュー・感想・評価
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それぞれが抱える闇
吉田修一の小説を映画化した作品は原作共々すべて見ている。「悪人」「怒り」「パレード」「さよなら渓谷」「横道世之介」など。どれも小説に忠実で優れた作品だと思う。
今回の作品は原作未読ながら、杉咲花を始めとした主演陣の好演はもとより周りを固める芸達者な面々に支えられ、実に見応えのある作品だった。
ただ、綾野剛・杉咲花の話と佐藤浩市の話の絡ませ方が取って付けた感あるなぁと思っていたら、エンドロールでふたつの短編小説が表示されていたので、なるほどそういうわけかと納得。違和感あるわけではないが予備知識を得てから見るとまた違った楽しみ方になったのかなと。
それぞれが抱える闇、閉塞感、行き場を失いもがき苦しむ。そしてあるとき何かがはじける。「限界集落」と言われる場所で起こる人々の諍い。近年、SNSによる無責任な誹謗中傷が取りざたされているが、SNSでなくとも同様なことが昔から今に至るまで起きている。そして悲劇に繋がることも多く。
実に考えさせられる問題。吉田修一の小説の多くは本当に苦しい。若干の救いも見せてくれるが、やはり苦しい。
言葉では言い表せない作品
哀しい…ではなく切ない…でもなくこの作品を表す言葉が思いつかない。
唯一表すとしたら三度目の殺人の雰囲気で瀬々監督らしい狡猾な人間ドラマ。
ザ・日本映画とも言うべき人の心理と真理。
吉田修一らしい救いようのないストーリー
この4つを挙げれば「あぁ…是枝裕和みたいな重く意味深なストーリーねー。俺には向いてないわー」って思う人がいると思う。
そう思う人も見て欲しい。
だって今の世間を限界集落で表しているのだから。
杉咲花といい綾野剛といい佐藤浩一といい、いいキャスティングするな〜
この3人以外では作品にならないと思う。
多くの人に見て欲しいが万引き家族と同じくらい覚悟が必要なのでお気をつけて
まぁ最後は野田洋次郎&上白石萌音の一縷で最後は救われた気分になります。
よくこの2人を起用しました!
それとこの映画年齢指定なしだけど大丈夫なんですかね?
最近の映倫はすぐ年齢指定つくけど…
この映画すごくリアルに演出してるし(最初の暴力シーンとか胸糞)片岡さんの「あれなんか少しヤバイんじゃ」と思う演出など
少なくてもPG12ぐらいにした方がいいのでは…と思いました。
考えさせられる映画
本当に犯人かも分からないのに、だれひとりその場にいって言ってあげる人もいないのは悲しすぎる。
番宣でいっていた通り、「信じたものが彼が犯人」だというコメントも、誰かが犠牲になる事でみんな救われる。ひとりひとりの想いが交差し、切ない映画でした。
風化させないように、生きていく事が大切だと思いますね。
話がコロコロ変わって、イマイチついていけなかった。
ただ、人が壊れるとここまで変わるんだって思えて、佐藤さんの演技には見応えありましたね。
ヒトは信じるべき目標を失うと、死滅するか狂気に走るのか、その他の選択肢があればいいのですが。
最期、みんなひとりになるのですから…
人間の持つ、排他的な差別、言われなき誹謗中傷が画面に溢れている映画...
人間の持つ、排他的な差別、言われなき誹謗中傷が画面に溢れている映画。
これが人の持つ業というものか?
犬の方が余程フランクでピュアに見えて愛おしく感じます。
この罪深き生き物に天は楽園なんて与えたり絶対にしない。それでも人は楽園を求め続ける。悲しい生き物ですな。
人生の楽園って…❓
最初から最後まで、暗いフィルターがかかったようなストーリー。吉田修一の原作ですが、いつもの緻密な構成と展開ではなく、人の業や妬み、恨みを持て余したような、イヤミスの作品でした。
過疎が進む限界集落に潜む、昔からのしきたりや新しい者を拒む、閉鎖的な村社会が舞台。
稲穂がこうべを垂れる田んぼに続くY字路に、人生の岐路がある。誰もがどちらに進むかで、人生の選択を強いられる。タケシにも、善次郎にも、選択したその先に楽園はなく、ささやかな幸せさえも許されなかった。
自ら絶つ命と、生きたいのに生きられない命、その対比も含めて、それぞれの命の重みと楽園とは何かを強く訴えてきます。
その重さを醸し出しているのは、やはり綾野剛、佐藤浩市、柄本明などの迫真の演技力だと思う。そんな俳優陣の中でも、友達の失踪事件のトラウマを断ち切れないツムギ役の杉咲花は、若いのに、その期待に十分応えていたと思います。
ps. 隣に、小学校の低学年の子どもを連れて観に来てた父親がいたけど、この作品に子どもを連れて観に来る父親って、何考えてるか、呆れてしまった。
杉咲花,,出演作品、綾野剛、佐藤浩市ら豪華キャストが集結し、犯罪を...
杉咲花,,出演作品、綾野剛、佐藤浩市ら豪華キャストが集結し、犯罪をめぐる喪失と再生を描き出す。日本社会の闇を描いている作品ではなかろうか!?
心の闇
『怒り』『悪人』『横道世之介』など、映画化の多い吉田修一の短編集『犯罪小説集』から2篇を題材に映画化。
幼なじみが行方不明になり、「自分だけ幸せになっちゃいけない」と暗示にかかっている少女・紡を演じる、杉咲花が素晴らしい。
登場人物が全てトラウマもちの、半分犯罪者。
限界集落で余所者を排除し、疑心暗鬼で常に魔女狩り対象を探すクセのついた闇の住民と化した村人たち。
漫画原作『デビルマン』で、美樹ちゃんの首を突き刺して歩く市民を思い出しました。
そんなこんなで、困ったことに、殺人事件の犯人側に感情移入してしまいました。
津山30人殺しのように、村人を叩っ斬ったときには、「よし、よくやった!」と心の中で喝采しそうに。
あぶない、あぶない。
闇落ちするところだった。
ミステリーの皮を被った人間ドラマ
予告編やCMからてっきりミステリーだと思って鑑賞したのですが、そうではありませんでした。鑑賞後に感じたものを率直に言えば、この作品をどう受け取ればよいのかという疑問と、鬱になりそうな重い気分です。
三章立てで構成され、それぞれスポットの当たる人物は違えど、そこで描かれるものは一貫しています。それは、田舎の息苦しいまでの閉塞感や、限界集落の閉鎖的で排他的な人間関係で、全編にわたって重苦しい空気が漂います。観客はまるで自分自身がそこの住人にでもなったかのようで、どんどん鬱屈した気持ちにさせられます。この強く押し寄せる、逆らい難い空気感は、田舎暮らしの経験がある人なら絶対に共感できると思います。
そんな中で暮らす人々が、必死でもがく姿が、本当に切なかったです。常に怯えるように生活している豪士、地元のために行動しても村八分にされる善次郎、自分だけが生き残ったことを責められる紡が、周囲の空気からほんの少し浮いた瞬間に、なす術なく居場所を奪われてしまいます。その姿に胸が締めつけられるようでした。これは、田舎や限界集落だけのことではなく、集団生活が営まれる場なら、いつでもどこでも誰にでも起こりうることで、少なからず恐怖を覚えました。
そんな主要人物を、綾野剛さん、佐藤浩市さん、杉咲花さんが熱演しています。脇を固める、柄本明さん、片岡礼子さんらも安定の演技で一切隙はなく、重厚な作品に仕上がっています。
しかし、いかんせんストーリーが今ひとつおもしろくなかったです。ミステリーの皮を被った人間ドラマなのはいいですが、それならそれでもう少しわかりやく描いてほしかったところです。欲を言えば、事件の真相だけはきちんと描いてほしかったですが、そうすると作品が訴えたいテーマが薄まるような気もするので、落とし所としてはこんな感じになるのも仕方ないのかもしれません。
人生は過去を背負って生きていく
人生の岐路になるY路地から起こった二つの事件に関わる三人の因果な運命を見事に描いている。この作品に欠かせないのは個性溢れる豪華キャスト陣。杉咲花×綾野剛×佐藤浩市の演技はさすがの一言で魂の怪演に引き込まれた。
ずっしり重い衝撃のサスペンスで人生は過去を背負って生きていくことを教えてくれる作品。
2019-224
深みを持たせようと躍起になっている感だけ??
64の監督さんなので期待していったが、、、
2つの短編小説を、
楽園という1つのテーマで無理やり結びつけようとしているので、全体としてぼやけた作品になっている。
一人ひとりにとっての楽園を見出していくことの深みを出したいのだろうが、サスペンス要素を入れているのでヒューマンなテイストになりきれない。。
監督さんの力量ではなく、脚本の問題かなと。
サスペンスなら64みたいにサスペンスに徹してもらいたかったかなー
最初から最後までスッキリしない
田舎というある種の閉鎖空間で、その「田舎」に人生を狂わされた人達のストーリー
田舎特有の習慣というか、排他的心理から引き起こされた事件という共通テーマになってます
2つのストーリーが同時進行するため、だいぶ分かりにくい作りです(原作はどうなんだろう...)
基本的には善次郎と紡の二人の視点から話が展開していきます
善次郎の視点はとある事がきっかけで村八分に追い込まれ、最後にある事件を起こすまでの人間模様を画いたストーリー
紡の視点は祭りの日に行方不明事件が起き、集団心理によって容疑者にされた男に関わるストーリー
どちらのストーリーもスッキリしないですが、特に善次郎の方は後味が悪い...
色々と首を傾げるポイントがあり、全体的に難解な映画と言った印象でした
ちなみに、全てのきっかけとなった12年前の事件は解決しません(紡の回想?がありますが、恐らく紡の想像の産物)
脚本、演出、俳優からメッセージが伝わってくる
重く、悲しい話ながらも、見終わったあとは暖かく、心に残りました。
きれいな田園風景も、見た目通りきれいだと思えない、不思議な感じ。
俳優さんたちも難しい役ばかりでも、非常にうまく演じられており、感情が入ってきました。
脚本、演出、俳優が重なり、'楽園'という映画のメッセージが伝わってくる、良い作品だと思います。
パンフレットもみると、より思いが伝わってきて、改めて良い作品だと感じました。特に開いたあとの1ページ目がとても素敵です。
Y字路最後は右?左?
思っていた映画ではなかった。とてもヘビー。
てっきり犯人は誰なのか?といつサスペンスなと思っていたら、人間のドロドロした汚さやおぞましさ全開。
これが実話を参考にしたフィクションだと言うのだから、日本もサイコパスがいるのだと。
たまたま、ジョーカーの次の映画でしたが、同じくらい見終わった凹む。
ただ、すごく考えさせられるストーリーで、全員が悪人でありつつ、全員がやむを得ない背景があって。誰が1人だったら悲劇は起きないのだけど、またまたその人々が揃ってしまって、タイミングも悪く、、、そして悲劇。
そういう意味でジョーカーと重なった。
そして、結局犯人は?あれはどういう意味?と、スッキリしないでネタバレサイトをあさってさまうのも同じ。
映画として、ストーリーも映像も演出も音楽もとてもよかった。
特に、野田洋次郎×上白石萌音は予告から気になって即ダウンロード。
あとは役者陣もとてもよかった。
基本映画のプレビューはネタバレ無しで書きますが、、、ここからはちょっとネタバレです。
どうしても謎なので、見ていない人にはなんのことがわからないと思いますが、念の為、ネタバレが大嫌な人は読まないでください。
ただ、これから観る人も是非注目して欲しい。
なおかつ、ネタバレにはならないと思います。
Y字路
右が紬の家
左が愛華の家
左に帰った愛華が行方不明。
のはずですよね?
でも、最後の紬の記憶?映像?では、愛華は右に歩いていきました。
これはどういう意味だったのでしょうか?
愛華は仲直りするために紬のの家に向かったのか?
それともこの映像は紬の記憶ではなくて妄想?希望?だったのか。
それによってストーリーや犯人?が変わってくるような気がします。ここだけ答えが知りたい。
風景は美しい、映画は🤔
田舎の風景ば美しい、稲の黄色、そばの花の白、桜咲く山、緑の田んぼ、そして、黄色く色付いている秋の木々、山々の青さ。祭りの練習風景や、火祭りの凄さ。いわゆる日本の四季と風景シーンが美しい。
けれど、話は、暗い。美しい風景に住んでいても、いじめにあっていたり、村八分になっていたり、行方不明になった少女と直前のいさかいをずーっと後悔していたり。
この映画は、誰かや何かを信じたいけど、信じる事は、楽園つまり夢だと言う事を言いたいのか知らん?
杉咲花は、上手。綾野剛は、思ったよりイマイチだったな。何か、スッキリしない映画だった。
怖い
小さな集落の少人数だけの社会が怖い。
少し自分達と違うと犯人扱いしたり、一度嫌われると村八分。
誰が本当の犯人とかの問題では無く、狭い集落の人々の価値観とか常識とかが、間違ったほうに行くと何もやってなくても犯人にされかねない。
しみじみと、こんな狭い集落には暮らせないと思った。
タイトルの楽園の意味が今ひとつ分からない。
綾野剛さんや、杉咲花ちゃん、佐藤浩一さん、それに柄本明さんはさすが良い演技だった
誰も救われ感がない・・切な重い作品。。。
観方によっては、日本版ジョーカー
日本のホアキン!?
綾野剛に、こんな役させたら怖上手過ぎるΣ(゚д゚lll)
フリーパス12本目は、金曜レイト2本立て!
まず1本目は、実話事件を題材にした短編小説の映画化で、その中の2つの事件をリミックスされてるようです。
題名とは程遠い・・・
救いようのない展開に、結末を予感しながらの2時間でしたが、キャスティングは絶妙!!
日本アカデミー賞主演男優・助演女優賞受賞歴ある佐藤浩一さんと杉咲花さんも今年もノミネート確実の予感!!
ただスッキリする部分はなく観賞後も重いです。。。☆4
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