「2019-93」楽園(2019) かいりさんの映画レビュー(感想・評価)
2019-93
はい。
『ジョーカー』とは違う部類のしんどさ。
似てるのは『三度目の殺人』かな。
でも一番わからない。
どこに行ったって楽園なんてない、それでも生きていくしかない、これを伝えたかったのかな?
あほなりに思うことをただ徒然に書いてみます。
村社会の人間関係が強く描かれてますが、会社や学校内、ネット社会のいじめだって同じですよね。
社会に殺された人はたくさんいます。
なんで生きなきゃいけないの?と、苦しんでいる人に聞かれて、仮に自分なりの答えがあったとしても、ぶつけられるでしょうか。
生きてれば楽しいことはたくさんある。
でもつらいことも山ほどあります。
たくさんの楽しいことが、一つのつらいことにかき消されてしまう日だってある。
それでも生きていくことの意味。
いつかは別れがくるとわかってて、人を好きになること。
自分より長生きできないとわかってて、動物を愛し、飼うこと。
それでも、誰かを愛し、傷つきながら生きていく。
私がいなくなったら、この人は悲しむと言える人と両親がいて、
ご飯も食べられないし、生きていけない愛犬がいてくれる。
このために出会ったのかな、と。
自分だけの楽園、自分が好きな人にとっての楽園がみんなにありますように。
なんだか暗くなってしまいましたが、私は幸せです。
たまにはふざけないレビューもいいかな。
支離滅裂だけど、こんなことをエンドロールから自宅まで考えてました。
それにしても令和元年後期は、わんちゃんムービーがすごいな!
そうそうたる役者陣の迫真の演技の中、またわんちゃんが一番いいとこをかっさらっていった。
原作の短編集の解説を瀬瀬監督が書いているのですが、これを読み返してもこの映画を通じて『楽園』がどういう位置づけで何を言わんとしているのか、私にはよくわかりませんでした。
映画の内容からしたら、やはり「みんな求めてるけど、そんなものないよ。」としか、私には思えませんでした。
瀬瀬監督の解説より最後の部分を記します。
『そして、それら犯罪をめぐる犯罪者たち、あるいはそこに踏み込もうとしながらすんでのところで止まった人々、それらの人々全員が何かを求めて、何かを欲して生きているように見えるのが『犯罪小説集』の魅力なのではないか。僕には思えた。よって映画のタイトルは僭越ながらも『楽園』とさせていただいた。
やはり、誰もが何かを求めているのだ。』