「閉塞感から抜けるということが楽園なのか。」楽園(2019) キッスィさんの映画レビュー(感想・評価)
閉塞感から抜けるということが楽園なのか。
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長野の田舎で小学生が行方不明になり、いまだ見つかっていない。12年経過し、第2の行方不明者が出るも、それは発見される。
第3の事件は田舎の人間関係からの村八分になった男が同じ集落の老人6人を殺す。これは犯人と動機がハッキリしている。
ただ、その事件を描くことがこの作品の目的ではない。ミステリーなら犯人がきっちり描かれるはずだし。
そうではなく、
行方不明になった少女と最後にあった紡、
労働目的でやってきた母親を持つタケシ、
早期退職でUターンし養蜂をしていてのちに村八分になる善次郎、
3人の闇の部分、3人が周囲から受けるプレッシャー、3人が12年の間に揺れ動く心情を浮き彫りにしていくことがこの作品の目的では、と受けとめた。
群集心理で動く犯人捜しは根拠がなく、それで犯人扱いをしてしまう心の弱さを誰もが抱えている。それが露わになった。
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