劇場公開日 2019年10月18日

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「【”楽園”である筈だと思い、新たな生活を始めた二人の男に起こった出来事を通して、人間の愚かさ、弱さを容赦なく抉りだした作品】」楽園(2019) NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”楽園”である筈だと思い、新たな生活を始めた二人の男に起こった出来事を通して、人間の愚かさ、弱さを容赦なく抉りだした作品】

2019年10月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

難しい

 限界集落に移り住んだ二人の男が辿る道を12年の時空を行き来しつつ、過酷な描写で描き出す。

 閉塞感漂う、小さな集落でかつて起こった少女失踪事件の傷が癒えない人々の感情の変遷を、猜疑心から始まったいじめ(村八分)や、思い込みから犯人と決めつけていく姿として表現している部分が観ていて辛い。

 一人の男は当初、万屋として老人たちから重宝されていたが、有ることがきっかけで村八分に。もう一人の男もある出来事がきっかけで12年前の失踪事件の犯人としての疑いの目が再燃し、今回も・・と人々から謂れのない仕打ちを受ける。

 そして、二人が起こした行動が遣る瀬無い。

 12年前の失踪事件の犯人が誰であったのかを予想させるようなシーンも人間性の脆さを描き出しているようで、辛いものがある。

 この作品は瀬々敬久監督作品としては「友罪」とややテイストが似ている。(人間の悪性、弱性の部分に焦点を当てた部分)
(尚、二部作 「64 ロクヨン」は別格であることを申し添える)

 サスペンス作品として、見応えは十分あるし、吉田修一の「青田Y字路」と「万屋善次郎」の2作を合わせて映像化したチャレンジングな気概は買うが、脚本の解れが少し気になってしまった作品。

〈私も気が付かないうちに、排他的な言動、行動を取ってはいないだろうか?我が身を振り返った作品でもある。〉

NOBU
アンディぴっとさんのコメント
2021年5月8日

こんばんは!
KN、勘違いでした💦映画館がKNですね?失礼しましたっ😝

アンディぴっと
アンディぴっとさんのコメント
2021年5月8日

こんにちは🐞
将来有望な若手俳優は結構いるので、🇰🇷に追いつける映画がどんどんできると良いですね🎥
KCIA南山〜ですよね?
私はもう少し我慢します😭でも今日は待ちに待った追龍がW...で放送されるのでそれを楽しみに乗り越えますよ😙

アンディぴっと
2020年1月17日

NOBUさん🙇コメントありがとうございます✨

20代によく観た、閉塞した社会を描き出した映画…ATG映画や社会派の作品など思い出しました…バブル前で不景気だったから、そんな映画が生まれたのか?…🐾

…で、ここ数年、本作に類似した、原作ありきの映画多くないですか?…白石監督の最近の二作とか…内容にもよりますが、テレビで無理なキツい題材を、売れている俳優サンが演じるのは、観客が自分の幸福の現状を測る物差しになって、良いことだとは思うのですが…🎭

NIRVANA
ワンコさんのコメント
2019年10月29日

すごく同意しますよー!

ワンコ
ワンコさんのコメント
2019年10月29日

コメント頂いた方に、今更ながらですけど…。この映画って、僕達の曖昧な客観性を揺さぶってるんですよね。映画の中で、実は野上がストーカーになるんじゃないかと思ったり、朝子と対比して、野上の病気を素直に気の毒だと思えなかったり、証拠がハッキリしないのに最後に豪士をワザと疑わせるような視点を設けたり。人によっては、善次郎の行為を正当化するような人もいるような気もするし…。ヘビーですよね。

ワンコ
NOBUさんのコメント
2019年10月22日

カンタベリーさん

 今作のレビューアップをされていないので、こちらに記載します。
 ”財布のくだりとか、途中で車を降りて道路の真ん中に立つとか、必然性のない場面展開があって、脚本がちゃんと練りきれていない印象です”

 同意見です。で、私は脚本についてコメントした訳です。

NOBU
カンタベリーさんのコメント
2019年10月22日

財布のくだりとか、途中で車を降りて道路の真ん中に立つとか、必然性のない場面展開があって、脚本がちゃんと練りきれていない印象です

カンタベリー
ワンコさんのコメント
2019年10月19日

こんにちは、レイトショー観て、一回寝ちゃってから、レビュー書いたので、遅い朝になってしまいました(笑)。コメントありがとうございます。僕は、総じて貴方と共感する部分は多いです。映画の感想なんて、明日ふと変わることもあるじゃないですか。追記、編集、ボクもやります。良いじゃないですか!

ワンコ