「楽園など存在するのか」楽園(2019) Yuさんの映画レビュー(感想・評価)
楽園など存在するのか
たけしは、「小さい頃から色んな所へ行った。どこに行っても一緒だ、探してるものはみつかはない」
「生きる意味、死ぬ意味を答えられるか」
と言った。
これは、紡にとっても善次郎にとっても当てはまる問いなのではないか。
もしこの答えを見つけられたらそこは本当に、彼らにとって「楽園」となるのか。
この答えを探すときは孤独と戦う必要があるのか。
孤独でもその自分から逃げちゃ駄目なのか。
人を殺すという行為は逃げた証拠なのか、考え尽くした証拠なのか。
分からないことだらけだ。私自身も分かっていないから、答えを見つけられていないから、気持ちは痛いほど分かるし胸が熱くなるシーンが多かった。
そうやってあがいて苦しんでいる人に対して、人はどうして酷い扱いをしてしまうのか。
どうして集団でその姿をみっともないと笑うのか。
どうして排除しようとするのか。
問いを考えることを諦めた人が、そこまで向き合う勇気がない人が、気がついてもない人が、前者の人たちをバカになど出来るはずはない。そんな権利ない。
事実として、東京と比べて田舎は距離が近すぎるし、とても狭い。窮屈だ。
私が、田舎から出てきた理由はそこだったのかもしれないとこの作品をみて感じた。
田舎は、視野も考えも狭いのだ。
それが心地いいことももちろんある。
しかし、気がついてしまった問いの答えを見つけるには、窮屈すぎる田舎では難しいのかもしれない。
ドローンを使った映像が特徴的だった。
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