「嵌められた・・」マイル22 odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
嵌められた・・
まあ、この手の護送ものは「16ブロック」、「S.W.A.T」、「ガントレット」と出尽くしているのでひねってみたのでしょう、観終わってみれば一味違うことは認めるが話が変りすぎでしょう、嵌めてやったぞと言わんばかりの製作陣のドヤ顔がちらついて見えます。
出来としては観終わってみれば微妙ですが銃撃戦、格闘シーンはそこそこでしたから退屈はしませんでした。
(以下、愚痴です)
回想形式に違和感、であれば事件の進行も主人公(マーク・ウォールバーグ)の視点で見せるべきですがそうでもない、きっと唐突な結末に困惑する観客へワンクッションおいたフォローが要るだろうとの後知恵でしょうか。
キャラの設定に疑問、同僚のアリス(ローレン・コーハン)は離婚した夫と暮らす娘が恋しくて悩みどうし、そのくせ現地の少女まで銃撃戦に巻き込んでハラハラさせてどうするの、キャメロン風シガニー・ウィバーへのリスペクトなら別ですが、そもそも悩める母親では手荒な仕事には不向きでしょう、女性客向けの仕込みだったのでしょうがアクション映画には雑味に思えます。
主人公の幼少期まで持ち出して天才とか英雄とか持ち上げるが情緒不安定、無駄口の多いただの中年オヤジにしか見えません、何より亡命者のイコ・ウワイスが強すぎて主役の影の薄いこと、もっとも彼はインドネシアでチャンピオンになったほんとの武道家なのでリアルですね、起用の訳は後から納得しましたが。
度を越した非情さ、攻撃されるのを知っているのに少人数すぎるし、やたら自己犠牲を強いる仲間の見捨て方も昔の日本軍もどきで不快です、空から援護射撃できるなら出し惜しみせずに早く使って欲しかった。
広島、長崎まで持ち出してあわや核テロかとさんざん脅しておいてなんでしょう、おれおれ詐欺にあったようでがっかりでした。