エンドレス・ウォーのレビュー・感想・評価
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やっぱりドキュメンタリー出身の監督
ストーリーはあるものの、感情移入しにくいサスペンス。コンゴに到着してから、多くの案内人を通じて捜索するので、人物名は覚えられないし、いつの間にか違う人に案内してもらってるのでわけわからなくなります。そんな中、もっとも印象に残るのが現地人の青年ハミールだ。ヘビに咬まれたり、村が武装グループの襲撃に遭ったり、レイプされそうになったりするラウラだったが、危機の度に助けてくれる。しかし彼には秘密が・・・といった感じ。
コンゴの奥深い鉱山ではコルタンが採られ、スマホなんかに使われるその金属は全世界の80%を占めるという。それが原因で争いが起こり、数々の武装グループが誕生。数百万の人間が犠牲になっている現実にも驚かされる。
小型機が狙われ、やむなくルワンダを通過することになったところで、『ルワンダの涙』('05)も思い出すけど、犠牲者の数ではコンゴが上なのかもしれません。虐殺シーンなんかもドローン撮影を用いたりして迫力があるのです。
教えてもらった、ありがとうの意味のスワヒリ語「アサンテ サナ」。ヘビの毒まで治療してくれた女性があっけなく殺されるところは胸が痛む。そして、誘拐、殺戮、レイプの引き金となる「トロイの木馬」と呼ばれる少年の存在。色々教えてもらえる映画でした。しかし、せっかくの妹の再会シーンはさほど感動的でもなく、ドキュメンタリーっぽい扱いになっていたのが残念ではありました。
終盤は良かったです。
内戦で混乱するコンゴで行方不明になった妹を探す姉と、案内役を引き受けた若者の物語。
正直言ってしまえば、この姉の行動には共感出来ません。妹を心配しているとはいえ、一人でジャングルに分け入ろうとする姿勢や、年端のいかない若者をお金を出して案内人に仕立てるところとか、それはないだろう・・・と感じてしまいます。現実的でないとも感じますし、主人公に対して不愉快さも感じます。
例えば若者が自分から案内を申し出た、と描いていればもっと良い印象になったように思います。
ただ、終盤は非常によい締め方をしたように思います。若者が案内人を引き受けた理由、妹の矜持、そして一人川辺で本を置く主人公。厳しい評価を2ランク位アップさせる感動的なエンディングでした。
ここはアフリカ
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