マイ・サンシャインのレビュー・感想・評価
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生きると言うこと
厳しい世相の中を生きるハル・ベリー扮する主人公の家族ドラマがメインで、それに隣人であるダニエル・クレイグが深く関わってくる優しい映画と思いきや、ロス暴動がストーリーの全体を主導。暴動に翻弄される家族それぞれの生き様が大きな見所となった力強い作品でした。
なんでもない日常が、抗えない流れの中で心までもがもみくちゃにされていく。止められない。守れない。黒人がどうとか白人がどうとか、そういうのを越えた精神性の深さを考えさせられました。
特に駐車場で2人に銃を向けた白人警官が胸の内を吐露する描写が印象に残ります。バーガーキングの店主が「火を付けたらみんなハンバーガーが食べられなくなる」と必死で訴える姿も印象的。
盗み殴り罵り・・・そもそもこんな世の中に誰がしたのか。銃を持つことの怖さが理解できないのか。身近で当たり前のような犯罪の中で普通に生きるって、それも小さな子供までもが。
銃の音を聞いたこともない平和な日本人には、やっぱりよその国の他人事として「映画」として鑑賞し、怖いね、大変だねって語るだけで終わる。それ以外には何もできない。でも知ってはおきたい、おくべき事実。胸に刺さる作品。
罪は罪
収監等により親と暮らせない沢山の子供達を引き取り家族として暮らしている黒人女性とその子供達が1992年に実際に起きたロサンゼルス暴動に巻き込まれるという話。
ラターシャ・ハーリンズ射殺事件やロドニー・キング事件とその判決により巻き起こった黒人差別に対する暴動。
マジメに働き子供達に愛情を注ぎちゃんとしつけもしているまともな主人公。
確かに根深い人種差別問題があるのは間違いないが、メインの登場人物達にしても平気で盗みを働くし、自分がやられた訳でもないのに「やられたらやり返す」とかスジ違いの理屈を述べられても感情移入は出来ない。
社会問題を描いたドラマとしては悪くないけれど、救われなさや虚しさ等は感じられなかったし、終盤は方向性がズレてしまった様に感じた。
アメリカの深い黒人問題
間違えた見方をしない為にも、アメリカにおける黒人問題を周知した上で見るべき映画かと。白人が悪いとか黒人が悪いとか(韓国系アメリカ人も...)そういうことではないのです。LA暴動に巻き込まれていく家族が描かれながら、なぜそうなったか、なるのかを、過去と未来に問いかけているのです。
人間味
ひとはあんな状況でも人に恋をして、子供たちは遊びを見つける。愛する人のために強くなる。
ひとは立場を気にして、自分を守る。自分の正義。
あらゆる人間の思いがぶつかった暴動。
どの全ても人間らしい。
だからこそ期待する結末もない。
ほんの少し一部を切り取ったフィルム。
最初で最後のオスカー主演女優
ハル・ベリー演じるシングルマザーとその子供たち、よくもまあ子だくさんなこと。隣の変人はあの007のダニエル・クレイグ 、最初誰だがわからなかった。雄たけびを上げてショットガンをぶっ放す男。でも心優しい男。ボンド役ではにこりともしないのに、この映画ではこんな役もできるんだと思わせている。ハル・ベリーがシングルマザーの役は無理がありすぎ、その鍛え上げられた身体は、この映画では無駄なようなダニエル・クレイグとのからみの映像として出てくる。
混とんとし、騒然とした町が、暴動に発展する様子を描いているのはわかるが、なにがなんだかわけがわからないシナリオ。
とにかく批評家からは酷評されているのは間違いがないようだ。
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