「役者の魅力を堪能!!グランドホテル方式ではない、新 三谷幸喜劇場」記憶にございません! shironさんの映画レビュー(感想・評価)
役者の魅力を堪能!!グランドホテル方式ではない、新 三谷幸喜劇場
政治的な時事ネタがタイムリーすぎて笑えますが、ブラックな笑いを武器に政権を批判する映画ではありません。
むしろ、いろんなシガラミでがんじがらめになって、自分を見失っている大人達へのメッセージ。
現実は映画のようにはいかないにせよ、少し重荷を下ろして前向きになれる、人生リセットムービーでした。
三谷監督お得意の、バラバラな人間模様が交錯しながらピタッとハマる構造はなく、あくまでも主人公は一人。
もちろん、それぞれの登場人物は個性豊かだし、個々の関係性は描かれるものの、必要以上に深く踏み込む事はなく、あくまでも主人公は一人。
むしろ主人公を一人に据えることで、役者の芝居をじっくり楽しませてくれる映画になっていた気がします。
中井貴一の魅力を堪能!芝居の上手さに唸りました。
サラブレッドの二枚目なのに、なぜだか漂う残念感ww(注:イケメンではなく二枚目)
洗練された品の良いユーモアとペーソスを、チャーミングに演じられる貴重な存在であることを再確認しました。
軽妙な掛け合いと、絶妙なニュアンスが最高!
中井貴一×小池栄子
小池栄子が器用!
真っ直ぐでおきゃんな役からフェロモン系悪女まで器用にこなすイメージでしたが、コメディの動きまで完璧で恐れ入りました。(とくに帰宅途中のアーチでのやりとり)
狂言わまし的に観客をリードする、裏の主人公。
中井貴一×佐藤浩市
二人の掛け合いが笑えます。
主人公が依頼を持ちかけるシーンには、ゾワッと鳥肌が立ちました。
かつての闘志に火がつく、ハードボイルドな瞬間がたまりません。
中井貴一×吉田羊
大人の男と女の関係にグッときます。
ニュアンスを含んだ芝居に妄想全開。
とくにクライマックスのアイコンタクトには痺れました。
中井貴一×草刈正雄
凄みの効いた迫力が素晴らしい。
スマート紳士な風貌だけに、脂ギッシュな黒幕感が際立っていました。
笑顔も怖い。
中井貴一×梶原善
ホントにハマるなぁ。
少ない出番なうえに、限られたスペースww
なのに胸熱。なのに笑える。自由自在。
その他の役者さんも、それぞれ魅力的でした。
ジャルジャルも良い。
ローリーは最初、地味すぎてわからなかったww
食べ物の小ネタは健在でしたが、最近の三谷幸喜監督作品とはちょっと違う印象でした。
一歩引いた演出とでも言いますか。
豪華な俳優陣をまとめあげるコンダクター的な役割や、ヒットメーカーとしての荷重が大きくなり過ぎていたのかもしれませんね。
もしかすると『ギャラクシー街道』で監督自身もシガラミから抜け出せたのかも?
コメディ至上主義なので、泣かせる演技より笑わせる演技の方が難しいと思っています。
樹木希林さんが亡くなり、市原悦子さんが亡くなり…人物のバックボーンを感じさせつつ、ユーモラスな演技が光る役者さん達の不在を嘆いていましたが
新三谷幸喜劇場は、日本にもまだまだこんなに素敵な俳優さん達が居る事を思い出させてくれて嬉しくなりました。
三谷幸喜さんの作品は元々大好きだったのですが、「ギャラクシー街道」以来、どうにも入ってきません。復活を期待しているところなのですが、shironさんたちにとっては、ずっと継続している好きな監督さんなんですよね。
当たり前ですが、同じ映画を見ても、人によって評価というのは違うものですね。
かわけんさん
コメントありがとうございます!
ローリーは、あまりにも地味過ぎて…
しかもそれがハマり過ぎていて、わからなかったですww
彼のデリケートな部分が出ていましたよね。
ネタバレになるといけないのですが、私は××ーを爪弾いているシーンに違和感があって、やっと彼だと気づきました。
このところ番宣をあちこちで見ますが、あの音楽を聞くだけでワクワクします♪
笑ってホロリと泣ける素敵な映画でしたね。
今日観てきました!shironさんのレビューにめちゃくちゃ共感!そのまんまです。今回の三谷幸喜監督の作品は今までと違った感じしました。ローリー、ほんとに分からなくて...。任命されてから私は気づきました...。