「ノスタルジック」ラストレター ヤッチさんさんの映画レビュー(感想・評価)
ノスタルジック
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全体的に何処か昔懐かしい感じがする映画。
今はあまりされてはいない手紙のやり取りで、そんなに多くは語ることはないが、鏡史郎と美咲の関係と裕理の切ない恋が懐かしく、そして悲しく描かれた作品であった。
運命の出会いであったかもしれない二人に何があったのか?そこも多くは語られない所が見ている側に様々な想像をさせる。
なんとも言えない気持ちにさせる内容でした。
見終わって、思った事は映像から感じる安心感と様々な想像を掻き立てる悲しみを合わせ持った映画という印象。
主人公の何処か日常の自分に本当は満足していなくて、少し現実から離れる事が出来る手紙のやり取りの中から様々な感情を想像させる。
松たか子の演技力は見事でした。
福山雅治、神木隆之介に関しては非常似ているって印象を受けるほど、お互いの役にリンクし合っている所も一つの見所であると思う。
また若い二人の女優広瀬すずと森七菜は共に一人二役の難しい役をこなしていた。
広瀬すずは最早一流と言われる女優、凛として堂々とした役と何処か物悲しく、幼さの残る役回りを見事に演じ分けていたのは流石。
森七菜の自然な振る舞いで自由奔放に演じている様に見える演技は大器の片鱗を覗かせる。
この二人を非常に美しく撮っている岩井俊二監督は先見の明ありだと思う。
また豊川悦司や中山美穂を出演させるあたりもさすが岩井監督。
様々な思いを感じる事が出来、岩井俊二監督ファンならずとも懐かしさを感じ、見る側が想像を掻き立てる素晴らしい映画。
今この時代だからこそ見ておきたい作品の一つと言っても過言では無い。
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