37セカンズのレビュー・感想・評価
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気合の入った素晴らしい作品
大変素晴らしい作品でした。まず、このような素晴らしい映画を鑑賞出来たことを感謝したいと思います。
自分がこの映画を語るのに相応しいのか少し迷うくらい複雑な内容でした。なので、映画の主題には深く触れずディテールを中心に語りたいと思います。
全体的に安っぽさのない重厚な映像が印象的でした。
最初のヌードのシーンで映画の本気度が伝わってきました。正直言って目を背けたくなるような映像だったことを告白します。しかしその自分自身の醜さを自覚できたを嬉しく思っております。そんな覚悟でこの映画を観ているのか?と軽く笑われたような感覚を覚えました。
いきなりタイに飛ぶシーンには驚かされました。映画としては面白かったと思いますが、少しリアリティにかけていたと感じました。あとずっと旅に付き添ってくれる親切すぎる知り合いも。
最後まで鑑賞した感想は、これは家族の物語なのかと気づかされました。最初は人の生き抜こうとする力強さが主題かと思っていたのですが、少しずつ話が(違和感なく)ズレていくような形で家族へフォーカスが当たっていきます。
今年度の泣カデミー賞✨
障害があってもなくても
そう
障害があってもなくても
遠慮なく
自分らしく
生きる。
そんな風に感じた。
同級生のゴーストライターで
搾取されてるのは、辛いけど
家出するシーンはやった!だ。
舞の心意義にうたれた!
これは、ロードムービー
もう、才能が溢れすぎて言葉がうまく見つからない。
脚本の構成がうますぎる。
ああ、そうだった。エンタメってこうだよねと再認識しました。
主人公は本人も主人公と似た境遇で生まれた女の子。
この子が「生きる」ということに、まっすぐに向き合う姿に、
私たちは何をしてあげられるだろう?から、
その気持ちが失礼なんだとすぐに思い知らされる。
彼女は、普通の女の子。
ただそれだけのことなのに、
こんなに豊かに表現できるものなんだと驚きました。
ただひとりの悪人(友人)は、観客全員が「地獄に落ちろ」と思っただろうけれど、
きっと彼女はまったく思っていないはず。
彼女の冒険を応援する優しいひとたち。
なんと私の狭量なことか…。
これはれっきとした彼女のロードムービー。
普通の23歳の女の子が抱く好奇心。
映像も音も良かった。
若干、編集に???と思った点を除けば、
はー、いい作品だった。と言える。
人は欲望を足がかりにして成長していく
1979年にNHKで、『車輪の一歩』というドラマがありました。山田太一の脚本。障害のある青年が、母親に「トルコへ行きたい」と頼むんです。トルコ風呂、今でいうソープランド。両親はお金を出して「行っといで」と送り出す。でも店は危険を理由に入れてくれなくて、家に帰って「あはは、よかったよ」って言いながら、泣きくずれる。
当時、高校生だった私には、その切なさが心にしみました。(健常者です、私は)
2005年『私は障害者向けのデリヘル嬢』が出版され、障がい者の性がオープンに語られること、それが商売の対象になっていることに驚きました。
そして、NHK教育放送の『バリバラ』では、障がい者の性が主要なテーマの一つになっているように思います。
遅々とした歩みではあるけれど、障がい者の欲望が、肯定的に取り上げられる世の中になってきていることは喜ばしいことです。
そして、この『37セカンズ』。初の長編作品とは思えない、HIKARI監督の力量に驚きました。女性の障がい者の性を切り口にしながらも、親からの自立、成長の物語として、つまり誰にも当てはまる私自身の問題の形で提示してくれました。
映像による説明は的確で、説明くささはみじんもありません。台詞とのバランスでしょうか。そして、画像の構図の面白さ、色調の美しさ。繊細な感性を感じます。
わき役の演技も秀逸でした。神野三鈴さん、渡辺真起子さん。舞台で活躍してきているんだろうと思わせる演技に、心動かされました。その演技を引き出すのはHIKARIさんの人柄なんでしょうか?いやいや、技と感じさせないさりげない技が、役者を生かすのかもしれません。
たまたま入った創作料理の新しい店が、思いもよらず最高だった。まだそれほど人知れた店ではないけれど、何度もリピートしたくなる。そんな存在がHIKARI監督になりました。
ホンマに観て良かったし、なるたけ多くの方に観て欲しい!
37秒
自由と自立への渇望をポップに描く
冒頭の入浴シーンから度肝を抜かれた。あの入りでただの説教臭い映画じゃないことがわかる。
主人公ユマの体の使い方、話し方、全てがリアル。そりゃそうだ。オーディションで選んだ脳性麻痺の障害者なんだから。
話の展開もすごい。マンガ家として利用されてたり、セックスするために女性用の風俗に行ってみたり。結構辛い目にあってた気がするがそんな悲壮感はない。母親の束縛から自由になろうとするユマの姿は本当にキラキラと輝いていた。
そして父親探しからの双子の姉との出会い。「私でよかった」というセリフの重さだ。障害者をピュアな人として描く物語は好きでないが、彼女の優しさに心を打たれた。
なんだろう、扱っているテーマは重いはずなのに、なぜかポップで明るい。前向きな未来を暗示しているいい話だった。とんでもない監督が現れたもんだ。
ユマの小鳥のような声
捨てる神(紙)ありゃ、拾う神(紙)あり 拾ったエロ雑誌が人生を変えるんだ
いとおしい映画に会えました。
ずっと見ていたかった。
4時間ぐらいのロードムービーでも、絶対文句言ったりしません❗
てっきり、分娩室で助産婦さんがあたふたするシーンから始まるドキュメンタリー風映画かと思っていました。上映期間短いし、見逃しそうだなと半ばあきらめておりましたが、新型コロナウィルスのおかげで、参加する会がドタキャンになった為、タイミングよく観れました。
最初からすっぽんボンの母子混浴シーンからはじまったので、あっ、それで。土曜日なのに男の観客ばかりなのか?と早とちり。コスプレ美少女漫画家?の完全影武者で給料適当にピンはねかよ。悪いやっちゃ。みる映画間違えたと思った。
拾ったエロ雑誌が人生をいい方に変えるキッカケになるとは。普通、悪いことしか起きないでしょう。変な請求書きたり、怖い電話来たり。
まさに 捨てる神(紙)ありゃ、拾う神(紙)あり。
ついでに、渡る世間に鬼はなし。
志強固なれば、車イスは最強の戦車。
夜景やネオンの使い方がきれいでしたね。音響も良かったです。
あんなに親切なポン引きさんいるんかいなと思ったけれど。
ラブホのエレベーター故障はやはりハードル高すぎる。私にとって電動車イスの不便さをもっとも身近に理解した瞬間でした(恥)
だが、
そこにあらわれたのは、
如何にもヤバそうな二人。
渡辺真紀子は般若か?女神か?マーベルか?
佳山明さんはあんまりあわててなかったけれど、こっちは状況がなかなか掴めなかった。車椅子のやくざと女がわざわざラブホ使う?等々。
旨い見せ方。
スーパーイケメン介護支援員とスーパー美熟女派遣部隊最高だなぁ。羨まし過ぎる❗
お金いくらかかるのか?だけが気になった。介護保険は使えるのか?
でも、過保護の親に見つからずにオナニーするのは大変だなぁ。
これは障害者も健常者も一緒か?
佳山明様、魅力的でした。
脇役も完璧。わりぃ~萩山みのり様を含めて。まぁ、彼女、ちっちいから、佳山明さんとのバランスが絵的にも良かったですけど。
子はカスガイって言うけれど、こういう夫婦の離れ方もあるんだなあ。わかる分かる。もちろん、母親の必死さ、さびしさも染みました。
あの絵ハガキは泣ける❗効果抜群でした。
尾美としのり様が、てっきり、お父さんかと思ったら、裏切られ、ステキな後半へ。
37セカンド 題もいいですね。
いいえ私は双子座のオンナ~🎵
鼻歌まじりで、湿っぽい雨上がりの○○銀座を抜けて帰りました。
まんまん満足でした。
人生全て、自分次第。
「薄情けなら掛けないほうがまし」(ユーミンのお言葉)
母親は人形作り、父親はユマに届いた葉書を見る限り画家?。両親の芸術的才能はユマが受け継いだようだ。映画としては、ユマが家出するところまでは、①母親の過保護の重たさへの反発、②自分の才能を利用しているだけの友人への複雑な想い、③自分のオリジナルな絵を描くために体験したことのない世界へ一歩を踏み出す勇気等々、かなり丹念に描いていて感心させられるのに、家出中に父親を探しに行く下りからはあれよあれよとタイまで行ってしまい、かなり粗い流れになってしまって駆け足感が否めない。。同時に、一緒に行ってくれるのは良いが介護師の男の子は自分の仕事はほっといて良いの?パスポートはどうしたの?あんなに過保護な母親が電話一本だけで何もせずに待っている筈はないだろう?…とかなりリアリティーがない話になってしまったのも残念。ただ最後に突然双子の姉の存在がわかったことで、実は脳性マヒで生まれたマユを育てることでもう一人の娘を手放すという選択をした哀しみを抱えて生きてきたこと、それ故にいつの間にか無自覚な過保護ママになっていたことがわかってきて、母親像に深みが増した。渡辺真紀子は、「風の電話」では余り実力はわからなかったが、ここでは役も良かったが腰のすわった演技を見せて大変宜しい。概して周りの女優陣がヒロインの素人の女の子から良い演技を引き出すべく皆が好演。一方、顔見せ程度の尾美としのり(おっちゃんになったなぁ)はともかく、男優陣は存在感なく同行する介護師の男の子の内面描写もなく物足りない。マユは落ち込んだり失望したりもするが、ともかく自分の求めるもの、目指すものをハッキリと見据えて常に前向きなのが良い。
一人の人間の苦悩と成長の物語
凄くフレッシュな感性を感じた。映像のポップさや瑞々しさも勿論の事ながら、生きたいように生きる事への肯定感、踏み出して世界を広げる事の重要性、多様性への寛容などの、考え方、センスが、とても現代らしく若々しい。
一方で、親の過保護、その干渉から抜け出したい欲求、思春期の逡巡や憧れ、劣等感、焦り…などの普遍的なテーマも、自然な形で表されている。
私としては、障害者の性という面よりは、一人前の人間として認められない苦悩と、人間的な成長に焦点を当てた物語と思えた。
『パリ、嘘つきな恋』でも描かれていたが、人として当たり前に、能力を認められたい、経済的に自立したい、外食も、旅行も、お洒落も、恋も、セックスだって、あれこれ経験して、人生目一杯楽しみたい!という欲求は、誰でも持っているものだし、素敵な生き方。それが、女だから、障害者だから、同性愛者だから、老人だからという理由で、出来るわけない、非常識だと否定されるのは、寂しく悲しい。誰もが幸せを求める事が許され、その為の少しの助けが自然に成される世界になればいいね。
現代は自己責任論が台頭し、他人の手を煩わせるのは悪い事だという意識が強い、障害者や老人、貧困層を切り捨てるような思想や事件の裏に、その考え方が見て取れる、という内容の記事を、先日読んだ。歓楽街や外国などのアウトサイドに居場所を見い出すのも、そういった許容力の在処を示しているのかもしれない。
人間として認められたくて、自立したくて、煩悶した彼女。自分の原点を辿り、向き合い、最後には、今の自分である事を受け入れて生きる決意をした。容姿、能力、経済力、健康。何を得て産まれるかは選べない。それでも、今持てる全てで、前を向き、手を伸ばしたからこそ、手に入る物もある。
罪悪感に俯く妹を抱きしめ、涙をこぼす母の手を握る彼女は、愛と慈しみを他者に与える事のできる、魅力ある人間に成長していた。
その顔つきの変化までも、体当たりで演じている佳山さんの姿か圧巻で、強く視線を惹き付けられる。
良い映画だと思います
もし、これがドキュメンタリーならば凄く感動したでしょう。
いえ、実際感動しました。ユマ(佳山明さん)の前向きな姿、笑顔、体当たりの演技も自然で好感が持てました。
最初の入浴シーンは衝撃でした。障がいを持つとはこういうことなのか。若い女の子が入浴を介助してもらうなんて辛いだろうな。たとえ母親でも。自分のプライバシーが守れないんだ。他の子みたいにマッサージしたりとか半身浴とかしたいかも知れないのに・・・
観ていくと、本当は自分で出来る事もあるのに、母親が世話を焼き過ぎるのだとわかってきます。
解らなかったのは、見せる必要が無いところまで見せたこと。どうして配慮しないのか。いやらしいとは思わなかったけど、何で?と思いました。
なぜかアダルト漫画とか、大人の世界を知るために夜の繁華街へ、とかの展開は、ごめんなさい、私は好きではありません。
それでも、良い映画。知らない世界へ出て行って、素敵な人たちに出会う。明るい映像と清々しいラストがとても良かったです。これからは、お母さんには最低限のお手伝いだけにしてもらって、ユマちゃんは一人でお風呂に入るんですね、きっと。
障害者ではない。普通の女の子です。
これこそ映画だなぁと
著名人のチンケ映画を上回る
知人に勧められ、仕事帰りの観賞で寝てしまうかなぁ~と思いきや。
ストーリーの展開と役者さん各々の【台詞が心に響く】素晴らしい作品でした。
こういうのが本来の日本映画であります。
【台詞が心に響く】から、自然と涙腺が緩み自分の気持ちとも対峙できる……。
貴重な時間となりました。
昨今の日本映画は名だたる役者が出ていても【役を生きてない】ため、やっつけ仕事かよ‼️と思ってしまいます。
日本映画は【観賞料金を捨てるようなもの】なので、ここ暫く観なくなりましたが、この作品だけは勧めてくれた知人に感謝です。
エンドロールが英語表記なのも斬新で良かったのと、スタッフが日本人だけじゃなく様々な国の方と作ってたと知り、いろんな意味で観賞料金を払ってまで観るに値する素晴らしい日本映画でした。
しかしながら、昨今の日本は年々つまらない国になってますね~。
ドラマや映画が本っ当に面白かった時代に戻ってほしいもんです。
馬鹿な政治家が蔓延り、国民の為と言いながら国民にアツレキを掛け、我が私腹のことしか考えない今の日本。
最低極まりない!
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