劇場公開日 2020年2月7日

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37セカンズのレビュー・感想・評価

全167件中、41~60件目を表示

3.5「障がい者と性」から「普遍的な自己同一性の獲得」へ

2020年8月15日
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タイトルになっている37秒は、出生時に37秒間呼吸が止まっていたことにより、脳性麻痺という病気、障がいをもつことになったところか、つけられたタイトルという前情報だけで視聴しました。一見の価値ある作品になっていると思います。

始まってすぐに気付く、主人公とおぼしき登場人物の声のか細さと背中の曲がり方。実際に脳性麻痺をもつ方をオーディションで選んだということですが、素晴らしい演技でした。脚本を初めて見たときにどういう印象を抱いたのか、インタビューなどを追ってみたくなりました。

主人公の車椅子から見える視点に合わせて、カメラも全般的に下から撮っている演出が良かったです。彼女が見えている世界を追体験できるような作りになっていました。

さて、始まって数分で、母親がいないといわゆる当たり前の生活を当たり前に送ることが難しいということが示されていました。お風呂に入るシーンは普段触れたことがない世界だからこそ本当に衝撃的でした。四つん這いになって服や下着を脱がせていき、抱き抱えるような介助を受けながら入浴へと移るシーンで、背筋がピンと伸びるというか『障がいを利用したお涙ちょうだいもの』とは一線を画するものだと観る側に印象付けます。

ただ、その後のシーンを観ていると母親のが過保護的で、ゴーストライターとして活躍している描写などから、主人公が自立を願っているということがわかってきます。全て思うようにいかなくとも、自分でできること、自分で選べること、自分が承認欲求を満たせることについてのしがらみというか偏見というか不自由と向き合っているんだなということがわかってきます。

そこからいわゆる「夜の街」に行く流れとなっていくのですが、そこでは結構すんなり受け入れられてるんですよね(性行為の失敗はあれど)。コロナ禍でいろいろと言われている夜の街ですが、実はこういう人間味というか温かさはこういうところの方があるのかなと現実とリンクさせながら見れました。

後半からは、そこからパーソナリティーというかアイデンティティー(自己同一性)を獲得していくために、自らが進んで行動をしていきます。この展開については賛否両論あるんだろうと思います。綺麗事と見えても致し方ない、ましてや当事者をキャスティングして当事者にセリフを言わせているわけですから、その重みはややノンフィクション的になるからこその難しさ。『もし1秒でも早く息を始めていたら…』『私で良かった…』というセリフを主人公目線で観ていたら、素直に感動できると思うのですが、自分は途中から母親目線や別の血縁者目線(ネタバレになるので少し遠回しにします)で観てしまったので、全てに頷けるというわけではありませんでした。でも、『私で良かった…』というのが諦観ではなく、前向きに捉えられるプロセスを丁寧に描いているのには好感を持ちました。決してこの物語は、障がいをもつ人たちだけじゃなく、自分が自己同一性を獲得していく普遍的なお話へと昇華させていっているのはお見事だと思います。

ゴーストライターをしていたビジネス相手と最後どうなっていくのかは語られませんでしたが、全般的に主人公以外は成長しているわけではないように見えたのが残念。結局1番変わっていくのは当事者なのかなと思ったりして。ただ、最後の母親の抱き締め方がそれまでと少し違っているあたり、母親はこれからどう関わっていくんだろうと考えさせられました。

今作で1番許せなかったのは「性経験がないと良い性的漫画は書けない」という思考が至極当然のように編集者の間にまかり通っていると分かったところです。現実はそうでなければ良いですけど。

重ねてにはなるけど、観る価値のある一本だなと思いました。

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わたろー

4.0障害も個性

2020年7月28日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

萌える

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りあの

3.5障害を持った主人公だけど、それはひとつの個性でしかないという姿勢の...

2020年7月13日
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鑑賞方法:VOD

障害を持った主人公だけど、それはひとつの個性でしかないという姿勢の作品。こういうの待ってた。

その上での感想は、キャラが陳腐でセリフも稚拙なのが残念。あの一言、俳優本人は言うのが苦しかったんじゃないだろうか。

が、若者向け青春ドラマだとしたらこんな感じがちょうどいいのかもだし、そこまで考えてのあえてだったらスゴイな。

お母さんに感情移入しました。

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まるぼに

3.5世の中には色々なひとがいる。

2020年7月1日
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なかなか衝撃的なシーン多め。

ユマちゃんの表情が少しずつ変わってくる様子がすごく良かった

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ぱん

3.0正直きつかった

2020年6月30日
PCから投稿

もうきっついシーンの連続だった。
しかしこれが現実。

障がい者を支える親切な人々に感動させられるわけではなく、
想像以上にブラックな現実が待ち構えている。

あの漫画家の母娘との対比がいちばんえぐかったかな。
人間ってハンデとか格差とかあるのかなって思った。

でもどんな境遇でも結局は自分で選んだ道を進むのが、
幸せということなのかもしれないと思わせてくれた作品。

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JYARI

4.0「わたしでよかった」と言えるまでのユマのロードムービー

2020年6月1日
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鑑賞方法:VOD

「わたしでよかった」と言えるまでのユマのロードムービー

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カタヤマ

5.0今年のナンバーワン

2020年5月29日
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泣ける

近年、稀な傑作、明るく愛に溢れた映画です。

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マルコ

4.5おススメです!

2020年5月23日
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一つ一つの言葉の重みを感じる映画でした。
監督、役者が出ている他の映画を観たいと思いました。
ポジティブに思考を変えたい方にオススメです!是非!

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zin

4.0抱擁

2020年5月23日
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Kj

4.0輸出したい日本映画

2020年5月11日
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海外の人にみせたい日本映画。
冒頭の親子の関係性からドキッとさせられて、この映画只者じゃない感。
一部登場人物に人格がなくてキャラ化してるのがちょっと残念だけど、
後半のもう一捻り効いてからの展開が胸にしみるまじでいい映画。

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cokeman_2

4.5冒頭のセリフ「普通と変わらないですよ」 生まれつき障害をもった23...

2020年5月10日
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冒頭のセリフ「普通と変わらないですよ」

生まれつき障害をもった23歳の女の子。しかし彼女が抱いている悩みはごく一般の23歳の女の子と変わらない。親子関係、友達関係、仕事、だったり。

CHAI久々に耳にしたけど、いいな。
東京の撮り方がよかった。東京に対しての見方が変わりそう。
最初の親子のシャワーシーン、綺麗。あのシーンがあったからこの映画に、この親子に引き込まれたかもしれない。

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rrringo0

4.0リアル

2020年4月24日
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鑑賞方法:VOD

お芝居初めてとは思えない生々しさがあった

むりやり男の子とくっつけるわけではなく

1人の女性として強く生きるユマちゃんをみて感じるものがあった

面白かった

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みん

4.5佳山明さんに主演女優賞をあげたい!

2020年4月21日
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ぽんぱる

4.5これは純粋に1人の女の子の成長物語

2020年4月19日
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いい映画だった。
実は障害のある方の物語と思って見始めた。
でも、主役の女の子はたしかに障害があるのだけれど、引っ込み思案で自信がなくて過保護の女の子がだんだん自我に目覚めてもがき始める、これはどんな子にも遅かれ早かれ訪れることだ。
でも、そこには障害ゆえの悩みももちろんあって、すごいのは、誰よりも彼女自信が今の自分をちゃんと受け入れていて前に進もうとするところだ。彼女の素直さ、優しさが周りを自然に巻き込んでいく。
なんと強くて優しい子なのでしょう。
反発したお母さんを逆に包み込めるくらいの成長をして前に進んでいく姿は、観た人みんなを励ましてくれるだろう。

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ニョロ

5.0これは「かわいそうな障害者に親切な人が手を差しのべてよかったね」映画ではない

2020年3月22日
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しろくま

5.0これは実話?!

2020年3月19日
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素晴らしかった!みてよかった!
うーん、言葉がでません!
とにかくブラボー!!!
何か賞とれそう。
と思ったけど、よくみたら賞とったみたい。
だよね。
これは中身のある映画だ。
ほんと素晴らしかった!!

しかも、シネスイッチ銀座でお母さん役の神野美鈴さんがきてて、少しお話でき写真もとらせていただきました~

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みみ

4.5素直に凄い作品

2020年3月18日
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トシくん

5.0絶望から救ってくれる人がいる幸せ

2020年3月15日
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泣ける

幸せ

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bloodtrail

4.5主題と映像が見事に一体化した作品。

2020年3月14日
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鑑賞方法:映画館

監督のHIKARIさんも、主演の佳山明さんも共に新進気鋭で、その瑞々しい感性、熱意が物語の推進力になっています。

当初は予告編の印象から、障害を持った主人公が自立に奮闘する感動物語では、と予想していました。確かに前半の展開は概ね予想の範囲内でしたが、後半から物語は大きく飛躍します。この物語上の跳躍には驚かされましたが、主人公ユマと「ある人物」との別れ際の、短いが重要なメッセージを含んだ会話に心打たれました。その言葉、二人の身体の温かみが、スクリーンを超えてまさしく自分の身体から発せられたものであるかのような感覚を覚えました。

本作はとにかく撮影が素晴らしいです。冒頭の都市を上空から捉えた映像は、焦点の合う範囲が極端に狭く、まるで精巧なミニチュアを撮影したようです。この映像技法はそれほど真新しいものではありませんが、本作で重要な意味を持つ、「距離感の喪失」を視覚的に表現していました。
また狭いマンションの一室、猥雑な繁華街、自然溢れる屋外など、状況も雰囲気も大きく異なる場面それぞれの場面をつなぎ合わせても、決して映像的な統一感を失わず、かつ車椅子のユマがそれぞれの場面で浮き上がらないように、慎重に照明やアングルを選び取っていることが分かりました。

主演の佳山明さんの表情、立ち振る舞い、そして体当たりの演技も素晴らしいですが、介護福祉士、俊哉役を演じた大東駿介さんや芋生悠さんも良かったです。後半の舞台に完全に溶け込んでいて、最初からそこに住んでいたかのようでした。

あまり重要な欠点ではないのですが、前述の俊哉とそれに関連する人々がなぜユマとここまで深く関係するのか、もう少し説明があると良かったかな、とも思いました。また物語の後半への移行は、現実には手続き上そんなに簡単なことではないと思うので、これについても短い描写でそれとなく説明があると良かったかも、と感じました。こうした細部の飛躍が気になって、気が削がれる観客もいると思うので。

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yui