「こういう種類のテーマの作品ではずれは少ない」スパイダーマン ファー・フロム・ホーム 葵須さんの映画レビュー(感想・評価)
こういう種類のテーマの作品ではずれは少ない
クリックして本文を読む
こういう種類というのはメタ的作品という意味。
前半40分ほどの内容はよくあるアメコミハリウッド映画の内容としてあまり掴まれるものがなかったが、そこからSF的表現として今作の物語のキーアイテムであるAR眼鏡デバイスが登場し、その能力に対してSF好きとして心が動かされることとなる。そこからさらに、1:00の所で強烈な起承転結
における「転」が起こり度肝を抜かれる。far from homeという映画タイトルから、ミステリアの出自は疑っていなかったが、その前提意識が覆される。そうして敵は通常のアメコミ映画的敵役としてのエレメンタルの敵から知性あるミステリア率いるトニー・スタークの元で働いていた主に技術者による集団が敵として吸えられ、物語はどうなるものかとここにきて興味が湧き上がってくる。1:17くらいからのAR現実表現による「どこからどこまでが現実なのか分からない空間」表現も圧巻。こういう表現をアニメ以外で見た経験は少ない。(すぐに思いつくのはまどかマギカ新編における連想ゲーム的に連鎖的に表されたほむらの感情の高まりが思い出される。あとは最近見たシン・エヴァンゲリオンか。)
総評として、テーマ性は通常のアメコミ映画通り求められるものではないが、SF表現、メタ的表現による大どんでん返しの物語の作り込みという意味で今作は楽しめた。
コメントする