「スパイダーマンってそんなヤツだったのかよ!? あのデイリー・ビューグルが言うなら間違いないよなっ!」スパイダーマン ファー・フロム・ホーム たなかなかなかさんの映画レビュー(感想・評価)
スパイダーマンってそんなヤツだったのかよ!? あのデイリー・ビューグルが言うなら間違いないよなっ!
スーパーヒーローが一堂に会するアメコミアクション映画「MCU」シリーズの第23作にして、”親愛なる隣人”の活躍を描いたMCU版『スパイダーマン』シリーズの第2作。
MCUシリーズの第1作『アイアンマン』(2008)から続く作品群、通称「インフィニティ・サーガ」の最終作でもある。
『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)での死闘から8ヶ月。修学旅行の為にヴェネツィアへと向かったピーターは、旅行中にMJへ自分の気持ちを伝えようと決心するのだが、新たなる敵「エレメンタルズ」と別世界からやってきたヒーロー「ミステリオ」の登場により、またもや騒動に巻き込まれてしまう…。
○キャスト
ピーター・パーカー/スパイダーマン…トム・ホランド。
ミシェル・ジョーンズ(MJ)…ゼンデイヤ。
ハッピー・ホーガン…ジョン・ファブロー。
ニック・フューリー…サミュエル・L・ジャクソン。
ベティ・ブラント…アンガーリー・ライス。
新たなキャストとして、別世界からやってきたヒーロー、クエンティン・ベック/ミステリオを演じるのは『デイ・アフター・トゥモロー』『ナイトクローラー』のジェイク・ジレンホール。
またデイリー・ビューグルのニュースキャスター、J・ジョナ・ジェイムソンを演じるのは、サム・ライミ版『スパイダーマン』シリーズでも同役を演じていた、オスカー俳優J・K・シモンズ。
製作はケヴィン・ファイギ。
製作総指揮/原作はスタン・リー。
コツコツと見続けた甲斐もあり、遂にMCU最新作まで追いつきました〜(ドラマシリーズは諦めちゃったけど…)👏
一応本作は「インフィニティ・サーガ」という、インフィニティ・ストーンをめぐる物語の最終作。
とはいえメインのストーリーラインは前作の『エンドゲーム』で終わっており、本作は言うなればエクストラ・ステージのようなもの。
また、作中の「次のフェーズへ進みましょう」というメタ的なセリフからもわかるように新しい物語の序章という色合いも強く、旧シリーズと新シリーズのブリッジとして制作された作品でもあるようです。
その為、本作単体で観るとちょっとパンチが弱いかな…、と思ってしまう所もあった。
MCU版『スパイダーマン』シリーズの特色であるティーン映画感やコメディ映画感がとても強く押し出されており、また視覚効果的な迫力やギミックが素晴らしいのでとても楽しい作品ではあるのだが、これまでのMCU作品群と比べて特に秀でているとか、そういう感じはない。可もなく不可もなし。
まぁこれは『エンドゲーム』まで辿り着いたことによってMCU熱が冷めてしまったという個人的な感情が大きく影響しているのかも知れないが…。
とはいえ、本作により「指パッチン」から生還した人々の状況や、その後の世界がどうなっているのかがわかる。
『エンドゲーム』では世界の命運を賭けた大戦争が繰り広げられた。そのためスーパーヒーローという特別な存在のみがフィーチャーされており、一般大衆がどうなったのかが明確にされていなかった。
その『エンドゲーム』で描ききれなかった部分を補足してくれているという意味で、痒い所に手が届いている作品である、ということは間違いない。
本作における白眉な存在は、やはりこの人でしょう!
我らがヒーロー「ミステリオ」!✨🔮
演じるのは我らがスター、ジェイク・ジレンホール!
本作でもやっぱり目がイっちゃってるっー!👁👁
バキバキの三白眼が健在で嬉しい限り。ジェイク・ジレンホールが演じている時点で、ミステリオが正義の味方なわけないだろ!いい加減にしろ!
ミステリオが正義のヒーローの仮面を脱ぎ捨てるシーン。あのシーンのジェイクの演技が完璧すぎた。
嘘だろ…ミステリオが悪者だったなんて…、みたいな驚きは前述した通りなかったんだけど、それでも彼の豹変ぶりには「うわ!マジかよこいつ」と思わずにはいられなかった。
というわけで、ミステリオと彼の一味は最高でしたね。彼らのスピンオフが観たいくらいです。
というか、死して尚ヴィランを生み出し続けるトニーとか言うオッさん…。いい加減にしろよほんと〜👊💥バシッ
まぁ全てヴァーチャル映像とドローンを使ったトリックでした〜笑、という種明かしは無理ありすぎだろ…とか思ったけどね。どっかで絶対バレるやろ。
自分が信じたいものだけを人は信じるんだ、というミステリオの主張。
そして「ネットの情報は真実?」とか「ニュースは本当のことしか言わない」とかの示唆的なセリフが表しているように、情報社会へのカウンターをテーマに盛り込んでいる所は面白い。
これによりポスト・クレジットシーンでファクト・ニュースでお馴染みのJ・ジョナ・ジェイムソン登場&ミステリオによるフェイク・ニュースという展開がグッと活きてくる。この辺りのシナリオ構成は本当にうまい!
さらに、ニック・フューリーの正体が実は…、という展開まで用意しているという、目に見えるものだけを盲目的に信じてはいけないというメッセージをこれでもかと詰め込んでくる巧みさ!凄い!
スパイダーマンと行くヨーロッパ旅行✈️
個人的にちょっとティーン感が強すぎでそこまでハマらなかったけどやっぱり楽しい!この後ピーター・パーカーは一体どうなってしまうのでしょうか!?やっぱり気になるMCU。このシリーズからはなかなか卒業出来そうにないな〜。
余談ですが、本作の翌年に発売されたゲーム『Marvel's Spider-Man: Miles Morales』。
これがとんでもない傑作で、エンディングでは感涙してしまいました…🥲
こっちを先にプレイしていたせいでスパイダーマンに対する期待値が上がりすぎていたってのも、本作にノリきれなかった要因かも。
いやぁ本当に近年のスパイダーマンは映画・アニメ・ゲームと全く隙がない。とんでもないコンテンツに成長したもんだ。
映画ファンの皆様も是非ゲームをプレイしてみて下さい〜🎮