「鋼鉄の意志を継ぐ若者(ヒーロー)」スパイダーマン ファー・フロム・ホーム 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
鋼鉄の意志を継ぐ若者(ヒーロー)
単体作としては『スパイダーマン:ホームカミング』に続く第2弾だが、やはり『アベンジャーズ/エンドゲーム』後の話として気になる所。
あの壮大なフィナーレの後、どう展開するのか…?
と同時に、MCUフェーズ3のトリ。
まず、『~インフィニティ・ウォー』『~エンドゲーム』は見ておいた方がいい。
いきなり『~エンドゲーム』のネタバレから始まる。
命に代えて世界を救った今は亡きヒーローたちへの哀悼…。
感動と喪失のまま…と思いきや、
逆手に取った軽妙な始まりと展開。
指パッチン、指パッチンって、某芸人のネタじゃないんだから!
あの『~エンドゲーム』の後では荷が重いだろうという心配は無用。スパイディはスパイディ!
のっけから楽しい。とあるシーンのバスの中での危機は、ハラハラ&爆笑モノ!
さてさて、そんなスパイディ/ピーターは今回、重大なミッションが。
夏休み、学校の友達とヨーロッパ旅行へ。その旅行中、MJに告白する!
今後の学校生活を決めるであろう、青春の一大事。
…なのに、本当のミッションが。
スルーし続けていたが、遂にフューリーに捕まる。
アイアンマン/トニーが若いピーターに期待していた事から、ヒーローとしての任務が下される。
えー、大事な大事な旅行中なのに…。
それを考慮してくれたかと思ったら、職権乱用。と言うか、フューリーさん、もはやパワハラ…。
その任務とは…
あの壮大な闘いの後次元が歪み、突如現れた謎の異次元モンスター“エレメンタルズ”を退治せよ。
かなり手強い。
そこへ、強力な助っ人が。
エレメンタルズと同じ異次元から来た戦士。
人々は彼の事をこう呼ぶ。新たなヒーロー、“ミステリオ”と。
このミステリオのキャラがとてもいい!
空を飛べ、手から強力なビームを放ち、
強く、優しく、
フューリーから責められ落胆するピーターの相談に乗る。
ヒーローの先輩と言うより、一人の人間として頼り甲斐がある。
MCU初参加。ジェイク・ギレンホールがさすが巧い!
トニーから贈られたハイテク・サングラス。
てっきり自分が鋼鉄の意志を継ぐ者だと思っていたけど、それは自分じゃない。
スタークさんやフューリーさんが自分に期待してくれるのは嬉しいけど、ヒーローに相応しい人物は居るじゃないか。
自分の使命は、その相応しい人物を探し出す事。鋼鉄の意志を譲り、託す事。
彼なら信じられる。
自分はまだまだ未熟。ヒーローとしての責任は勿論あるけど、普通の高校生生活を送りたい…。
…が!
ここでまさかの急展開!
あまりの出来過ぎに胡散臭さを感じ、何となく察しは付いたけど、
真のヴィランに皆、まんまと騙された!
前作『~ホームカミング』も今作も通じるものがある。
ヴィランはトニーを憎む者。
トニーはヒーローとして世界を救ったが、多くの反感や憎しみを生んだのもまた事実。
大人たちの身勝手、傲慢。
フューリーのパワハラはさておき、ヴィランの陰謀。逆恨みでしかない。
そして、若さ故の失敗。
ヒーローと一人の若者の間の優柔不断が危機を招く。人を信じる人の良さも…。
でも、それってそんなにいけない事なのか…?
確かにやっちまった失敗だが、誰だって若い頃、何度も何度も何度も何度も失敗した筈。
その失敗から学ぶ。
現にピーターは助けられながらも、最後はほぼ自分の力で失敗やヴィランに立ち向かう。
その姿は未熟者ではない。
いっぱしのヒーロー。
少年から責任ある大人へ。
だから、トニーは君を選んだんだ。
君こそが、鋼鉄の意志を継ぐ者なんだ。
あるシーンで、ハイテク機器を操作する姿はトニーそのもの。
そのシーンに掛かる楽曲は、『アイアンマン』第1作目でトニー初登場シーンに掛かった曲。
それを見守るは、ハッピー。演じるジョン・ファヴローは、『アイアンマン』第1作目の監督でもあった。
様々な思いが感慨深く繋がっている。
ジョン・ワッツの演出は今回も絶好調。
前作増しのアクション、スケール、ユーモア、快テンポで飽きさせない。
ヒーロー映画だが、『スパイダーマン』は青春映画でもある。
ゼンデイヤ演じるMJは出番と魅力が大幅に増え、今回も愛すべきナイスキャラのネッドを始め愉快なクラスメイトたち!
そして言うまでもなく、主演トム・ホランドの好演。
もはや3代目スパイダーマンじゃない。彼こそが今、スパイダーマンなのだ!
共感必至のコミカル&恋の青春ストーリー、
見せ場たっぷりのヒーロー・アクション、
そして、鋼鉄の意志を継ぐ若者の成長…。
上々なんかではなく、見事なTHEエンターテイメント!
後味良く、爽快にMCUフェーズ3を締め括った…と、思ったら!
エンディング後のオマケ映像で驚きの展開!(ライミ版『スパイダーマン』であの役のあの人が同役でサプライズ登場!)
どうなる、トムホスパイディ!?
どうなる、MCUフェーズ4!?
もう一つのオマケ映像は、
今回は色々と騙された!
近大さん、寅さんマラソンなさったのですね!(笑)
私も息子と一緒にマラソンしようとしたのですけれど、第1作目で息子が「俺、こういうの苦手」と音を上げてしまって。
私も子供の頃は嫌いだったから気持ちはわかるし。寅さん映画で好きなのは95年の紅の花だけなんですよね。
少し時間を置くか、自分1人でマラソンしようかと思います。
とりあえず、今はMCU再マラソンですわw
2〜3年前に一度マラソンしてるんですが、当時はレビューなど書いていなかったから色々忘れますね〜。