「トムホのスパイダーマンはだからいい!」スパイダーマン ファー・フロム・ホーム Movieアパートさんの映画レビュー(感想・評価)
トムホのスパイダーマンはだからいい!
巨大な物語にひとまず区切りをつけた直後の一作だったが、物語面は大いにその内容を踏まえながらも、話の全体のトーンはその巨大さにあまり引っ張られることなく トムホランドのスパイディならではのテイストが満載。しかもそれでいてスパイダーマンが 彼 の正当後継者である という点を 抜かりなく描ききっているというところが素晴らしかった。
まずはトムホランドスパイディならではの 青春映画 としてのクオリティの安定感。
何と言ってもこのシリーズはキャスト一人一人のハマりっぷりが良くて 学園モノとしてのキラキラがやっぱりすごい。前作からそうだったけど、キャストの人種配置とかヒロインのキャラクター像とか今までのアメリカ映画に中々ない割り振りながらみんながみんな素晴らしいハマりっぷりで、青春映画としての質がワンランク高い。 そんな彼らが 隣に座りたい! とか ムズムズしたやり取りをしてるだけでニンマリ。
コメディ的なセンスもほかのMCU作品よりも高くて会場が爆笑の渦に包まれてるシーンがいっぱいあった。
個人的には 行き先がプラハに変更! となったシーンでプラカード持って突っ立ってるディミトロフの感じとか本当に面白かった笑
あとは先生二人の絶妙なキャラクターが最高
嫁はあの指パッチンで消えたんだと思ったら、本当は男と逃げてただけだったんだよ… って面白すぎか!
あとはMCU新章に向けた序章としての出来の高さも良かった。
映画が始まった瞬間にかかる曲からしてもう強烈に 別れとそれを経ての成長 の物語という点が示されるのだけど、エンドゲーム の余韻も有りその辺りの描写一つ一つが嫌が応にも切なくなる。
ただそれだけなら他力本願な懐かしがり映画になっちゃうけど、今作はそこからの葛藤、そして継承 の部分もきちんと描けているので 幕開け として役割が見事に成立している。(位置付けとしては今作までがエンドゲームパートみたいだけど)
あの機械をまるで彼のように触るピーターを見てジーンと来ているハッピーの姿は観客そのもの
今回の敵は 社長の傲慢さのツケを代わってスパイダーマンに払わせようとする という部分が前のバルチャー被ってて若干ひねりがないなぁ とは思ったけど、なんと言ってもあの幻覚見せバトルシーン! ベルリンでのシーンの悪夢のような映像の連べ打ちとそこから生じる 何が真実かわからない というサスペンスは本当に素晴らしかった。
最後には映画冒頭のくだらないやり取りを見事に伏線として回収して勝利するくだりも含めてお見事!
(自分は最後の部分も含めて2回ともめっちゃ綺麗に騙された…)
今後もマーベル映画で世界中のみんなを楽しませていくんでよろしく! という素晴らしい旗印になった一本だろう