「騙された!でも楽しい!」スパイダーマン ファー・フロム・ホーム おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
騙された!でも楽しい!
マーベル作品にしては珍しく、一見さんお断りということもなく、誰でも楽しめるライトな感じに仕上がっていると思います。とはいえ、「エンドゲーム」後の世界を描いているので、過去作を多く見ているほうが楽しめるのは言わずもがなです。
本作は、「エンドゲーム」で描いた宇宙規模の災厄に比べれば、スケールの小ささは否めません。しかし、それこそが身近な青年ヒーローであるスパイダーマンらしいとも言え、トニー・スターク亡き後の彼の成長譚を描くにはもってこいの舞台が用意されたように感じました。
ストーリーもおもしろく、虚実入り混じって二転三転しながら、ぐいぐい加速していくような展開が最高でした。先の読めない自分は最後まで騙されっぱなしでしたが、「コンフィデンスマンJP」のような騙される心地よさを味わえました。そんな中、正直で心優しいピーター・パーカーが、人としてもヒーローとしても一回り大きく成長していくさまがしっかり描かれていて、すばらしい脚本だと感じました。
今回はIMAX3Dで鑑賞したのですが、これがまた実に相性がよかったです。巧みなカメラワークにより、没入感だけでなく、スパイダーマン特有の浮遊感と爽快感も味わえ、最高の映像体験ができました。特に本作では、映像トリックとも言える技術が物語のカギを握っており、斬新でエキサイティングな映像が何度も脳を刺激してくれます。もう絶対に劇場で、さらにはIMAXで見るべき作品だと断言できます。興味のある方はぜひIMAXで!