「ターミネーター映画を堪能出来て良かった☆」ターミネーター ニュー・フェイト しんかいぎょさんの映画レビュー(感想・評価)
ターミネーター映画を堪能出来て良かった☆
このタイトルの続編って大変だなぁといつも思う。
T2までの文脈を理解するだけじゃなく、そもそもT2には娯楽映画に大事なものが高いレベルでギュッと詰まっているから、それらを理解していないと単なる延長作品ってなっちゃうのが恐ろしくもある。
このDARK FATEで私がまず嬉しかったのは、アナログな戦いがバシバシ繰り広げられるところ。SFアクションって、ターミネーター2の後に確かマトリックスが出てきたことも鑑みると「機械」という言葉にイメージするモノが、いわゆる重機といったものからコンピューターといった質量を感じさせないものに変わってきているように思う。だからこそターミネーター映画は、現代人の感覚で作るのは難しいんじゃないかと感じていた。
それでも、軽さというか、スピード感というものを映画の中で上手に吸収しているように見えた。それでいてゴツゴツぶつかりかうのを堪能させてくれたので、それが嬉しかった☆
あとは「未来」が大事に扱われていたことも、T2の続編として受け入れられた大事な条件だった。かつてのT-1000との死闘で、スカイネットの蜂起する未来は確かに阻止された。しかし別の暗い未来が待っていた、という展開は、それまでのサラ達の努力に報いつつ、新しい世代に新しい試練を用意しているという点で、すんなり受け入れることが出来た。また映画の話という枠をはみ出してみても、コンピューターなどの機械と闘わなければいけない未来が確実にやってくる、という点に、人間の悲しさがよく表れているように感じる。
またその絡みをうまく利用してか、作中のT-800の置かれた立場の悲哀が浮き彫りになっていたのも好印象だった。
あと最後のシーンが非常に鮮烈だった。REV-9とT-800が並んで穴の底に倒れているシーン。これはそのまま、未来の可能性がいくつも並んでいることをよく象徴している。両ロボットがほとんど残骸のようにして横たわっている様は、主人公たちが戦ってきた歴史そのものでもある。おそらく、この画は製作に名を連ねているキャメロンのアイデアではなかろうか。彼でなかったら、このような一種情緒的な画取りはできないだろうと思う。
私はこれまで公開されてきた3、サルベーション、ジェニシスは全て映画館で見てきたが、今回のDARK FATEが正当な続編と言うキャッチコピーには大いに賛成したい。
最後に野暮ったい話になるが、冒頭の配給会社とかの紹介で、SKY DANCE、TENCENT、PARAMOUNTのロゴが出てきた時点で娯楽映画として間違いないなと確信できた(笑)
ミッション:インポッシブルのシリーズが個人的には娯楽映画としては鉄板で、その配給もSKY DANCE、ALIBABA、PARAMOUNTだったはず。今回はALIでなくTENCだけども。