「勢いで押し切るかと思いきや結構儚い雰囲気を出した作品」劇場版 Fate/Grand Order 神聖円卓領域キャメロット 前編 Wandering; Agateram Ariaさんの映画レビュー(感想・評価)
勢いで押し切るかと思いきや結構儚い雰囲気を出した作品
正直に言うと、完全に初見お断りの作品です。それを前提にした上で言うと、この作品は間違いなくベディヴィエールを中心にした作品。なのでFGOの主人公らカルデア側の描写はベディヴィエールを中心にした上で必要最低限しか描かれていません。なのでマシュ辺りの話はフェードアウトされている。良くも悪くもベディヴィエール中心に描かれた作品です。
前編の彼はかなり罪悪感を背負ったキャラクターなので、全体的に暗い雰囲気を出しています。
それを象徴するのが最初のガヴェイン戦。残念ながら彼との戦いは早く終わりますが、彼の宝具が周囲の人間を焼き殺す姿はかなり残虐。まさに今作の円卓を象徴するようなシーンでした。
他にもバビロニアと違い決断力は強いけどまだ若干迷う藤丸と、サーヴァントとしてまだ未熟であった頃のマシュの描き方も良かった。
戦闘シーンも素晴らしかったです。ufotableと比べると見劣りますが、ガヴェインのガラティーンによる重い斬撃、Apocryphaでも魅せたモードレッドの豪快なアクション、トリスタンのフェイルノートによる高く響く弦の音など。特にトリスタンのフェイルノートは劇場で聞く価値はあります。
そして最後の アーラシュの宝具『流星一条(ステラ)』。原作ではモーション改修によりド派手な技になりましたが、こちらでは逆に静かに輝きながら放たれる技に。今作の儚さを存分に体現したシーンでした。
全体的に暗い作品なので万人におすすめは出来ませんが、見る価値はあると思います。総括して一言で纏めると、『FGOではなく、FGOキャメロットを楽しめる作品』ですね。序盤の暗く陰湿な雰囲気を存分に味わえます。
ただちょっと気になる点としてひとつ。
なぜトリスタンを盲目設定にしたんでしょうか?キャメロットクリアしたのだいぶ前で忘れてるかも知れませんが。
(2020年12月13日追記)
すみません。トリスタンの盲目設定、竹箒日記にきっちりありました。