永遠の門 ゴッホの見た未来のレビュー・感想・評価
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小説で言えば、純文学的な
最初の15分位、退屈で、失敗したかな?と後悔しかけました。
途中からは、ゴッホの報われないけど、ただひたむきに、中から涌き出る物を信じて描き続けた一生、弟テオだけが理解者だった、知るとなおさら、ゴッホの絵の黄色が、心に迫ります。
ストーリーはあるような、ないような。退屈でしたが、ゴッホ役ウィレムデフォーの演技、南フランスの農村の黄金色を堪能しました。
皆さんが書かれてるカメラ酔いは、私は大丈夫でしたが、ゴッホ視点とは言えあそこまでグワグワ振り回す必要はあるのか?とは思いました。
映画を観てからゴッホ展へ
ひたすらゴッホの視点映画。揺れるので注意
フィンセント・ファン・ゴッホの視点は走り、回り、ぼやけ、よく動く。最初からその動きに完全に酔ってしまった。酔い止めを飲んでから観るべきであった。かなり揺れるので揺れが駄目な方は気をつけたほうがよい。
事前に軽くファン・ゴッホ(ファンはちゃんと姓だから省略しないらしい)について調べてから行ったので、彼の孤独、ゴーギャンとの友情とそのゆきちがい、弟テオとの愛(というかあれはなんだろう、弟の慈悲というのだろうか、兄弟が逆転しているかのよう)、彼のエキセントリックさというか、感情の起伏の激しさ、苦悩が淡々と描写されているように感じた。
この映画におけるファン・ゴッホはアルル時代から描かれるので、人生としてはかなり後半のところにいる。神に仕えようとした過去は対話で語られるが、それ以外の生涯は具体的には語られない。しかし、この時期を切り取ったことにはやはり意味がある。自分を制御できなくなってゆく様。自然に対する思考、そして彼自身が狂気に寄ることで生まれる芸術。
しかし狂気(例えば「耳切り事件」や、具体的にファン・ゴッホが錯乱している描写)はほとんどなく、暗転及び、彼と様々な人物(医師や牧師)との対話で表現される。それを観ると、彼は最終的には自己の中に存在する極端さと共存し、世界に絵を提示してゆく気持ちを持っていたように思われる。最期も一般に知られているものとは異なっており、ファン・ゴッホの印象を一転はさせぬまでも、新たな視点で提示する。(この映画は2011年に提示された新説に基づいて描かれているようだ)。
ファン・ゴッホ役のウィレム・デフォーは何かが憑依したような演技であった。勿論私はファン・ゴッホ本人に会ったことがあるわけないので、憑依感というのも印象に過ぎないが、彼は完全にフィンセント・ファン・ゴッホを自身の中に取り入れているように見えた。完全に彼の映画であり、ファン・ゴッホの映画である。彼が中心に立ち、魅力ある役者陣と対話することで成り立つ映画。最初から最後まで徹頭徹尾フィンセント・ファン・ゴッホ=ウィレム・デフォーの物語であった。この徹底した自己視点がこの映画の壮絶さであり、私を酔わせたカメラワークであり、滲む画面であったのだ。
ただ寄り添いたい
良い演技を潰す映画・・・
ゴッホの事は昔ゴッホ展で作品を見て何点か知ってる程度、あと自殺した事、生前評価されてなかった事くらいか。
予告編で見たウィレム・デフォーの演技に惹かれて観賞するも、手振れや接写を多様するカメラがウザく、ゴッホの色彩感覚溢れる映像美も全く無く、ただただ売れなく惨めで迫害され、精神を病む孤独なゴッホを延々と見されられる2時間になった。
せっかくウィレム・デフォーや他の俳優達が素晴らしい演技をしているのに、作品つくりを間違って監督だけが自分に酔っている裸の王様的な映画と言ったらいいだろうか。
史実を改変してるのは映画を見終わっていろいろ調べていて分かったのだが、大地真央が「あんた、そこに愛はあるんか?」とツッコミをいれそうなくらい、愛の無い改変だろう。
演技以外全く見るところの無い、そんなガッカリ映画でした。
デフォー様の芝居は憑依!
ウィリアムデフォーはさすが。
画面が見難い
ゴッホの心情やらを映像にして見せたかったのだろうけどとにかく画面がブレているシーンが多いし、画面の下1/3がボヤけている様な感じにしていて涙で前が見えない様な感じに似ています。しっかり見ていると酔いそうな感じです。
それと出来れば英語ではなくて全編フランス語にして欲しかったですね。手紙の音読はフランス語なのに。
内容についてはゴーギャンと出会ってから死ぬまでの話なので画家としては後半生、良く知っているゴッホの絵からになります。
伝記物?とは言え牧師から色々あって画家に転身し…から始まって無いのでちょっとと思わなくも無いですが、全部入れると4時間越えになりそうなので、まあこんな所なのかな。
俳優さんは本物のゴッホっぽいイメージですね。なかなかいい演技だと思います。
絵のモデルも出てくるしゴッホの絵を少しでも知っているとクスッとします。
んー
太陽の黄金
あんたは何を描く?
残された多くの手紙によって、すでにその生涯がよく知られているゴッホ。で、見終えた後の感想は、だから何が言いたいの?だった。まるで彼の人生をおさらいしたようなあらすじなのだ。だから細部が雑で、味気ない。入門編としての映画なのか、たまに撮るとそこそこ客が入るからなのか。そんなことしか発想が出てこない。
とにかく、寄りすぎのカメラワークに酔う。たぶん、ネガティブな感想はそのせいだ。
ゴーギャンにとってアルル時代のゴッホは、同棲中のメンヘラ女子のようなもの。メンドクサイ。こちら側にそう思わせないように作らないと、映画としては物足りなさしか残らない。
唯一、「天使は悲しむ者のそばにいる」の言葉が心に残った。まるで、苦しむ者にこそ阿弥陀様は救済の手を差しのべる「悪人正機」のよう。
太陽の画家が見続けた、永遠の風景
フィンセントが見ていたものは
肉眼が捉えたものでも、幻影でもない。
画家が見たのは、
太陽のフィルターを通した、
いのちの輝き。永遠の煌めき。
けして色褪せない、覚めない夢…
寄りのカメラでゴッホの主観を描き
引きのカメラでまわりの客観を描く
今、洋画で流行りの手法ではありますが
わたし個人としてはあまり好みではありません。が、
本作にかぎっては好意的に機能していたと思いました!
自身も画家であるジュリアン・シュナーベル監督の
審美眼が創り出すルックの美しさに目を見張る。
『ゴッホ映画』には欠かせない、言い換えれば
『ゴッホの画家人生』を語るうえには欠かせない
弟・テオやゴーギャンの描き方、
フィンセントを快く思ってない人物たちの態度も含めて
定石通りではありますが…
でも!エンドロールの“フランス語”での、
つまりはゴーギャンのモノローグが、
美術史的にも意義のある作品に仕上げている!
と、わたしは思いました♪
西洋絵画に興味がおありの方、
美術館でゴッホ作品にふれて知識を深めたい方にはおすすめ!
既存のゴッホファン、美術ファンには
少々退屈な展開かもしれませんが、
モティーフの人物、風景をみつける楽しみは十分に味わえます!
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