ある画家の数奇な運命のレビュー・感想・評価
全44件中、41~44件目を表示
数奇な事柄を見事なまでに集約
その時代の事柄を、分かりやすく感動的に描かれていたという印象。
長い作品なれど、色んな出来事が巻き起こるし、笑えるし泣けるし美しいし興奮させられるしで、あったいう間に終わったような気がした。しかも、一つ一つが最後にはうまい具合に融合していって、かなり気持ちよく終わってくれたなぁと─、そんな物語だった。
退廃芸術
1932年ドレスデン生まれのドイツ人画家、ゲルハルト・リヒターの1966年までの人生。
芸術的センスを持った血筋に生まれた主人公。
幼い頃に叔母が統合失調症で連れて行かれ、って断種とか、ホント胸クソ悪いし更には!!!
一度診断されたら、もうOUTだったのでしょうね。
彼女の名前にも特段触れないし、そこからは特筆すべきことが余りない若者の出会いと恋と…ってエリーパパ!?
色々と制約のある東か自由な西か、堅実に生きるタイプの主人公じゃないし、そりゃ西に行きたいわな。からのベルリンの壁が出来る前にギリギリ西へ。
流れているドラマ自体はつまらなくはないし、テンポも悪くないのでみていられたけれど、30歳を前に学生を続ける主人公の悩み的なものも少しはあるものの余り深くは描かれず。
白いカンバスを払拭したところは痛快だったけど、何で知っていたのでしょう?意図したものではなく偶々?まあ、若干間違っているし、偶々なのでしょうね。
主人公がどうのってことではないけれど、芸術って何でしょうかね…溢れ出るものか、アイデアか、少なくとも奇をてらえば芸術って訳ではないよね。って理屈を捏ねてる時点で自分はセンス無いの確定ですね。
ゲルハルト・リヒターを知らないし、現代美術はもとより芸術が良くわからない自分にはこの作品の良さが理解出来なかった。
Don't Look Away!!!
この映画で心に残ったことが主に二つある。
一つ目は、トム シリングが演じる主役カート。
カートのおばさんである芸術肌なエリザベスの言葉でこの映画の題でもある目をそらすな!見ているのはありのままでそれが美しいというような物の考え方に共感した。それが困難なこと
で目を背けたくなるようなことでも、心を入れ直視せよということだと思う。そこから芸術が生まれてくるとでも言いたいようだと思う。
結局カートは自分が見つめた経験、心の中のことを直視したことを絵で表現したことによりマスコミに注目される。彼は自分の心の中を描いた作品を説明したけど彼とメディアとの理解は違うものであった。
もう一つはカートのおばさんエリザベスはナチの優生学の断種法のもたらした結果の被害者となった
エリザベスを精神の病気統合失調症として扱いガスチェンバーに送って殺してしまう。これに診断を下した医者がカートが成長した後に、愛した女性ポーラ ベアーが演じるエリザベス(エリー)の父親だ。この父親はカートを劣勢として扱い 、一家の優秀で気高い純潔を守るためエリーを卑怯な手段を使って堕胎したりもう子供をみごもらさないようする。
二人はベルリンの壁ができる前に西側に移つる。
ナチ崩壊後主犯格の医者はロシア側に犯罪者として拘束されて、エリーの父にもこの手が伸びてくる。悪名高いナチス優生政策が葬られていく
歴史上では、この断種法により、ドイツの精神的肉体的障害者が無残に一掃されてしまう。ナチの鋼鉄のような精神と規律がその後のドイツを作っていくが、その反面、ユダヤ人を救ったりしたヒューマニストもドイツを支えていく。
日本は戦後すぐに優生保護法が制定された。ある側面ではこの優生保護法の歴史が現在も身障者との共存を阻む原因にもなっていると思う。
全44件中、41~44件目を表示