劇場公開日 2020年10月2日

  • 予告編を見る

「Don't Look Away!!!」ある画家の数奇な運命 Socialjusticeさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5Don't Look Away!!!

2019年9月18日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

この映画で心に残ったことが主に二つある。

一つ目は、トム シリングが演じる主役カート。
カートのおばさんである芸術肌なエリザベスの言葉でこの映画の題でもある目をそらすな!見ているのはありのままでそれが美しいというような物の考え方に共感した。それが困難なこと
で目を背けたくなるようなことでも、心を入れ直視せよということだと思う。そこから芸術が生まれてくるとでも言いたいようだと思う。

結局カートは自分が見つめた経験、心の中のことを直視したことを絵で表現したことによりマスコミに注目される。彼は自分の心の中を描いた作品を説明したけど彼とメディアとの理解は違うものであった。

もう一つはカートのおばさんエリザベスはナチの優生学の断種法のもたらした結果の被害者となった
エリザベスを精神の病気統合失調症として扱いガスチェンバーに送って殺してしまう。これに診断を下した医者がカートが成長した後に、愛した女性ポーラ ベアーが演じるエリザベス(エリー)の父親だ。この父親はカートを劣勢として扱い 、一家の優秀で気高い純潔を守るためエリーを卑怯な手段を使って堕胎したりもう子供をみごもらさないようする。
二人はベルリンの壁ができる前に西側に移つる。

ナチ崩壊後主犯格の医者はロシア側に犯罪者として拘束されて、エリーの父にもこの手が伸びてくる。悪名高いナチス優生政策が葬られていく

歴史上では、この断種法により、ドイツの精神的肉体的障害者が無残に一掃されてしまう。ナチの鋼鉄のような精神と規律がその後のドイツを作っていくが、その反面、ユダヤ人を救ったりしたヒューマニストもドイツを支えていく。

日本は戦後すぐに優生保護法が制定された。ある側面ではこの優生保護法の歴史が現在も身障者との共存を阻む原因にもなっていると思う。

Socialjustice