「フランス映画の2020年代的王道」冬時間のパリ kumiko21さんの映画レビュー(感想・評価)
フランス映画の2020年代的王道
やっぱり小道具はりんごのマークのデバイスたち。
しかしそこはフランス映画の王道行ってます。
登場人物たちは斜に構えたスタンスで
「ググる」とか「フェイクニュース」とか「wikiでは」とか「炎上」とかあえて言及。
出版社もビジネスの「デジタル化」がキモです。
しかしなさってることは「既婚者でも恋愛OK、でしょ。(内心)それが何か?」という、生活感なしのケセラセラな日々。
どの映画も等身大の男女を描きながら、その職業が作家、女優、知的労働者に集中しすぎているところが残念なのは庶民(私)のひがみか。
総じて、いいんじゃないかな。だって映画だもん。自分と価値観の違う人たちの日常を覗き見!
お世辞にもいい男じゃない私小説家のお部屋に奈良美智らしき額装を発見したり、楽しい。
子どもはかわいいけど、やがてすぐ大人になって離れていく。高齢出産なら、なおさら1年は短く感じられよう。多少のトラブルを内包しながらも、複数カップルの男女が長く共に年を重ねていけるコミュニティがあるってすごく幸せなことだと思う。
見終わって、私も赤ワイン飲みたくなりました。
ラストシーンが気持ちのいい海辺の別荘ロケーションっていうのは、「ああ、あと10分くらいで終わるのね」と思わせられてちょっと興ざめでした。
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