女王陛下のお気に入りのレビュー・感想・評価
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わたしには難しかった(笑)
見た目にはとても楽しめます。
ただ、政治や戦争のことも絡みますし、
ぼーっと見て楽しむのは無理かも。
わたしにはちょっと難しくて・・・。
エンドロール
雰囲気と女王とエマが見所
難しかった
一回見ただけじゃよくわからない部分が多く、後から考えてみてそういうことなのかなぁと思える部分が多くて、MCUなどのヒーロー物が好きな自分には難しい内容だった。こういうのアカデミー賞好みなのかなと。
アビゲイルが女王に気に入られどんどん偉くなって行くのは、始めは「向上心あるなあ、頑張ってくれ」と思えたのだが、サラに毒持った時は流石にやりすぎだろと思った。しかし、最後のシーンから、アビゲイルは上流に返り咲くという目的は達成できたけど、今後あまり良いことなさそうだなと思った。
アン女王はブレまくり、政治も任せきり、ワガママな部分があったけど、最後は女王の自覚を持てたかなと。ただ、もう辛そうだったし、またサラみたいな人に操られるのかなと思った。
主要3人の中では、サラが毒盛られたりと一番散々な目にあってたけど最後はハッピーな感じで終わったのかなぁと。国外追放もアビゲイルに仕向けた感もあり、望んだ結果になったのかな。
苦笑コメディー
逞しき女性達の勝者無き覇権争い
女王と二人の側仕えの、皮肉たっぷりな宮廷愛憎劇。
闇の中、自然光や炎に照らされて浮かび上がる、コントラストの強い映像が、まるでレンブラントの絵のようで美しい。
きらびやかな宮殿や華美な装いの陰に、どんよりとねっとりと沈殿する欲、妬み、性。
内容にピッタリの色合いで、観客の印象を導いていく。
衣装、画面の切り取り方、章冒頭のサブタイトルのロゴ配置などは、現代的なスタイリッシュさも感じた。
実在人物らしいが、三人の女性のキャラクター対比も巧妙。
癇癪持ちで寂しく悲しく臆病な女王、サラの男勝りの気の強さと知性と辛辣さ、若く美しくずる賢く女の武器を駆使するアビゲイル。
各々が各々の思惑で、愛情を弄び思い通りにしようとすったもんだ。
コメディとの事だが、恐さやうすら寒さが先行しちゃって、私はあまり笑えなかった。馬鹿馬鹿しさを感じるシーンは多々あれど、笑うより呆れるというか、あーあ、って感じ。
ただ、三人共が良くも悪くも人間味たっぷりで、好意は持てないが、憎めもしない。
哀しく我儘な女王、傲慢ながら聡明でカッコいいサラ、底辺から必死に這い上がろうとするしたたかで逞しいアビゲイル。
反して、見目を着飾り、馬鹿馬鹿しい遊びに耽り、女達に翻弄されるばかりの男達の情けない事!
アビゲイルの狡さは女王も解っていたように思うが、何故サラを遠ざけ彼女を残したのだろう。
自らの本当の気持ちを汲み取らずに戦争継続に押し進むサラに、本当は危険を感じ取っていたのかもしれない。
どうせ心から自分を愛する者などいないのならば、今までの献身の対価として満身創痍のサラは放逐解放し、束縛し奉仕させるのは新たな生け贄に…という事だろうか?
所詮飼われる兎と同じ…。奉仕させる女王の虚ろな表情と、頭を押さえつけられ苦痛に耐えるアビゲイルに対し、もうイングランドにはうんざり、と強がりながら追放を受け入れるサラの目には、まだしも生気があった気がする。
道徳心を投げうって必死で争った挙げ句に、誰一人幸福そうでない結末が虚しい。
3人共に女優賞をあげたい。
不安な権力者
オリビア・コールマンのアカデミー賞主演女優賞につられて鑑賞。受賞の際の「私がオスカーなんて、笑える」というスピーチで、とても好感度上がって気になった方も多いのでは?
まさに怪演。賞にふさわしい演技でした。精神的に不安定で、怒ったり、喚いたりしたかと思えば、優しい近所のおばさんのような振る舞いをしたり、とにかく一瞬も落ち着いたところはない。ゲイリー・オールドマンの名演が光った「チャーチル」に通じるものがあった。
物語は、実在したイングランドのアン女王の話。ヨーロッパでは、各国が戦いに明け暮れ、イングランドも莫大な戦費をなんとかしのぎながら、戦争を続けている最中のこと。政治の中枢である宮廷では、上流層が日々優雅な暮らしをしながらも、戦争継続か講和かで2派に分かれている。不安定なアン女王は、大親友のサラ(レイチェル・ワイズ)に頼り切っていた。サラが宮廷を仕切っているのを、時折不安に思っていた。
そんな折、縁戚のサラを頼って、宮廷に職を求めに来た没落貴族の娘アビゲイル(エマ・ストーン)は、サラの計らいで女中の職を得た。アビゲイルは明晰な頭脳でのしあがり、女王にも認められてゆく。やがて、老いて弱っていくものの、権力を握ったアン女王の「お気に入り」の座を巡って、女の闘いが始まる。いかにも切れ者女性、クールビューティのレイチェルに対し、愛らしさの残る顔立ちに、翡翠色の大きな瞳が冷徹に光るエマ・ストーンが謀略を巡らしていく姿が圧巻。主演のコールマンとあわせて、両者とも素晴らしかった。
抑揚が少なく、少し冗長さはあるものの、退屈しない内容です。3人の演技バトルを楽しむのが正解かな。
ラストの解釈にモヤモヤするけど
うさぎ
口コミで気になって見に行った。
サラが美しかった。
アン女王の母のようでにふるまい、父のようにふるまい、恋の相手であり、有能な部下。自分の思うように生きる女の、迷いない美しさ。鴨を撃つときの服装が似合うように、男性的な顔が似合う。執政が好きで社会的に有能である。女王に嫉妬するのは本心のようであり(その熱意はみていてぞわりとした)。一方、夫のこともいくらか愛しているようだ。
アビゲイルは、可愛い。顔がいくつも替わる。本心のわからない笑顔、一瞬の狡猾な表情、泣き顔、感情が抜け落ちたみたいな白い頬。花や音楽のように美しく、刹那的で、ときに真っ黒い銃のような横顔も見せる。綺麗に謎めいたエマ・ストーンだった。
彼女は登場してきたときからどこか不安そうである。心の底に、落ちる不安がある。サラは支配欲のかたまりのような人間だが、一方アビゲイルの賢さは寛容と親和性だ。周囲にあわせて自分を操れる。かんしゃくのひどい女王をみて、うさぎの檻をみて、その話をすることができる。子供を失った女王の話に、一瞬、心を寄り添わせることができる。サラは女王の子供にはなれないが、アビゲイルは無防備に、こどものように眠ることで女王の心を掴んだ。一方、彼女はじぶんの心も操る。従姉妹に嘘をつかないという愛やプライドを棄てれば、従姉妹を死ぬような目に合わせても、良心の呵責はない。彼女は誰も愛していない。自分の不安をぬぐうための、地位と金を得たい。敵はサラだ。そのための能力はあった。アビゲイルは見事に従姉妹を追い出した。
手紙にサラは強烈な愛を綴ったのか。女王の身を案じる言葉を綴ったのか。サラが女王からの手紙を棄てたことからサラが女王を愛していることは間違いがない。サラは手紙を読んで放心し、わずかな涙をこぼした。哄笑することもなく、読まずに火にくべることもできなかった。
ラストシーンで、彼女はうさぎをああした。物語は当然の結末を迎えたようにも思えた。彼女はうさぎに最初から愛はない。愛しているふりが上手になりすぎて、自分でも気づかなかったのかもしれないが。女王に愛もない。愛せない人間を愛していくことが今後の彼女に課せられている。彼女はこれからも、ずっとかわらず、不安で居続けるのだろう。うさぎの声がそれを教えてくれる。
女性の怖さ
_φ(・_・お気に入りはどっち?
隠微な世界の無能な女王と側近政治の危うさ
美術品のような宮殿の中、無能な女王とその側近(お気に入り)が操る政治の危うさが、隠微な宮廷世界と共に見事に描かれています。アン女王、その側近のサラ、そしてそれを追い落とすアビゲイルの3人の演技が秀逸。女の権力争いや愛憎、執念を見事に表現しています。アカデミー主演、助演に3人がノミネートされたのも頷けます。女王の周りの貴族達もその奇抜な衣装や白粉を塗った出で立ち、裸の貴族に果物を投げつける宮殿での遊びなどその愚かさ、馬鹿馬鹿しさを嘲笑しています。
日本の忠臣蔵の元禄時代、18世紀初頭のイングランドの宮殿は、素晴らしい絵画や書籍に囲まれ当時の王室の姿を垣間見た感じがします。また、後のチャーチル首相を生んだブレナム宮殿もこの時期にアン女王の資金援助で建てられのも驚きでした。
ブラックユーモア満載で決して言ってはならないと教えられた英語表現がどんどん出てくるのにも仰天しました。奇抜な映画表現と3人の女優の表現力に圧倒された2時間でした。
よかった
エマ・ストーンが下女から女王の部屋番まで出世する話だった。アン女王にはこれまで全く親しんでこなかったので、何の話なのかよく分からないまま進んでしまった。
レイチェル・ワイズが意識を失ったまま馬にずっと引きずられていくのが怖かった。よく生きていたものだ。
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